介在する気持ちの真意
仕事もないのに更新していなかったことを非常に申し訳なく思う。一応下っ端クリエイターである僕もこのウイルスのおかげで収入は0。やることも会社運営くらいで、毎日暇なものだ。最近は寒暖差が激しく体調をよく崩す。気をつけなければ・・・。
さて、今日の本題は「介在する気持ちの真意」。である。
誰しも一度は葛藤という感情を抱いたことはあるだろう。それは自分という一つの人間の中に多数の気持ちが介在しているから起きること。その真意とはなんなのか。少しのストーリーと暗喩を使って表現してみようと思う。
では、フィクションの世界へ。
タバコというのは不思議なもので、臭いし依存性は強いし金額もとても高いのになぜか吸ってしまう。一向にやめられる気がしない。紫煙の中に自分ごと閉じ込められたように深呼吸を繰り返す。跳ね上がる心拍数を落とすようにまた深呼吸をする。
好きな人や恋というのは非常に煩わしい。めんどくさい。考えれば日がすぎるし、一日を棒に振るには十分が過ぎる。特に告白する前なんて余計に心臓の律動が逸る。それにデートなんてすると余計にそうなるのは明確だ。
私はやってしまったと嘆くだろう。この後家に帰り、一人になったところでルーチンのように闇が私に押し寄せるのである。
それは必然であり必要でもある。落ち着いて考えられるのは日お取りの時に限る。好きな人と、ホテルの一室で嘆くようなことではない。私は報われないと嘆き回るしかないようだ。
「少し話をしないか?」
彼はそれが当然のように、外をむいてタバコを吸う私に声をかける。
火をつけたばかりのタバコの燃焼剤がわずかな音を立てて次の葉を燃やす。その音がまるで私の友人たちのように「あの男の元にはいくな」と私を呼び止めているようだった。しかし、彼に呼ばれることはタバコ一本の25.5円よりもはるかに大事なこと。
「なぁに?」
あえて色っぽくしてみよう。なんて、彼には気付かれもしないのだけれど
「俺たちの関係をはっきりさせようと思うんだ」
えらく確信をついている彼の言葉は私の心を、心臓をえぐり取り焦燥感に駈るには充分だった。
「今じゃなくてもいいんじゃないかな。私は今のままに満足してるし」
あぁこれは詭弁だ。嘘が心をチクチクと刺激する。私はこの男に縋っているだけなのだ。私は必然的にこの男より下の立場にいることを認めてしまっているんだ。どうしようもない、救いようのないクズの気分。
「いや、僕ははっきりしたいんだ。でも君が僕と同じ気持ちでよかったよ。僕も今の関係に、満足してるんだ」
やっちゃったな。自分で墓穴を掘ってしまった。私はただの脇役者。彼の物語のヒロインにはなれなかった。彼にとってみればただそれだけのことだが、私にとってはそれ以上の意味を持つし、気持ちは揺らぐ。
きっと彼は私とセフレになろうとしている。そして彼は進展を望まない。私という立場が都合よくなったのだろう。きっと他に好きな人ができたとかそこらへんの理由だろう。私もそれでいいと思うところはある。彼の二番目にエラ暴れたということだし、私が我慢していれば彼との関係は続いてゆく。私の本望とは違う路線で。やはり本心は彼との進展を望んでしまっている。あぁこれが私の本心。気付きたくなかった。彼といる空間では彼の幸せに貢献したかった。こんな私じゃダメだったんだ。
彼はそういうのがさも私のためのようにきらびやかな顔を向けて私に残酷で鋭利な言葉を突き刺す。
「俺たち、セフレでいいよな」
とどめのようなセリフに私は泣くことすら憚った。答えは介在した私の気持ちを殺した。殺すように口を開くしかなかった。