
AI 描画:宇宙船にとりついた謎の植物を除去。(再びIMG2IMG 処理の応用)
今回も同日公開のブログ記事と同じ内容です。
こちらでは画像にキャプションを添えられるのと、引用記事URL が
バナー表示されるので見映えがあります。
先人様各位にも見て頂ける機会も多いようです。
「宇宙に浮かぶ探査船」などのサイバーSF 系の描画は、mage.Space が
強いジャンルだと過去記事にも何度か触れて来ました。しかも無償範囲
で使えるCheckPoint ファイル SDXL がそれに有効なので有難いです。
ローカルPC であれこれCheckPoint ファイルを変えて複雑なプロンプトを
こねくり回して描いても、このように重量感に欠くものが多い一方、
mage.Space では、シンプルなプロンプトで一発描写オッケーです。


今回、mage.Space で描かせたプロンプトはこれだけです。
Cylindrical space colony floating in space

表示された画の画面の「Rerun」を押せば、どんどん描画を続けて
くれます。




繰り返し描画するうちに、よく見ると妙なものが出てきました。

重厚な宇宙船の周囲に木々が繁茂しています。
無酸素環境での植物の繁茂は、あり得ない光景でハードSF では
致命的な設定ミス(考証不足)となります。
背景を大気圏内に変更することも考えましたが、大気圏外でないと
このような巨大で質量の大きい飛行船が浮遊することは出来ません。
ローカルPC での描画ではなかなか出てこない、せっかくの描写なのに
惜しいな、と思ったので、またこれをIMG2IMG 処理でどうにか補正
出来ないかと考えました。
mage.Space で入力した上掲のプロンプトをNMKD StableDiffusion GUI
のTXT2IMG で指定して、同時に上掲の「木だらけの宇宙船」の画を
IMG2IMG で指定しました。
そうです。前回やった手法と同じことをやって、無から現れたように
見せた宇宙船の逆で、今回は邪魔ものである植物だけをTXT2IMG と
IMG2IMG の差分を利用して消そうという算段です。
TXT2IMG 処理のネガティブプロンプト(禁止事項)に
(Plants)+++, (trees)+++, (grass)+++, (moss)+++
を加えました。このことでTXT2IMG 処理は木や植物は描いては
いけないと理解する筈です。
それとIMG2IMG の「木だらけの宇宙船を描け」とバランスさせる
という訳です。言い換えれば、TXT2IMG 処理でもIMG2IMG でも参照
する画のうち植物以外は一致しているので、Image Strength (Influence)
の調整で、植物だけを除くことが出来そうか、という考えです。
いろいろ試しましたが、
Image Strength (Influence) の設定が0.35 を境目に植物が消えました。

クリーンな宇宙船になりました。形状も少し変わってしまいましたが(^^;)。

ちなみにImage Strength (Influence) の設定が0.4 以上では植物が残るか
白いモヤモヤが残りました。
「宇宙船爆発」に見立てるか、とも思いましたが、周囲に大気がない
環境では、大気のある船内からの煙の噴出はこのような形状には
なりません。(爆風と大気との押し合いがないので、もっと豆が火で
はぜるように拡散する。)

Image Strength (Influence) の設定が0.3 以下になるとIMG2IMG で
参考にする画の影響が希薄となり、宇宙船の形が勝手なものになって
しまいました。

今回、再描画に使ったCheckPoint ファイルは、clarity_3.safetensors でした。
人物を濃密に描くのに強いCheckPoint ファイルだと理解しています。
この先日の記事での経験値として、ロボット・メカを容易に描写するhellomecha_V10Beta.safetensors などより、むしろ美人画に特化した
BRA 系(beautifulRealistic_brav5.safetensors など)の方が、
mage.Space の無償SDXL が描く緻密ながら柔らかい線を、かっちりと
した線に再描画することを知っていましたが、今回はより顕著な効果が
clarity_3.safetensorsを使った試行錯誤で出ました。
IMG2IMG とTXT2IMG の併用、面白いです。
「例えばラフ画を入力して清書描きさせる」どころの機能ではない
のでした。
他にも応用例を思いつけば試してみたいと思います。
追記(同日):
上述の、
> ローカルPC であれこれCheckPoint ファイルを変えて複雑なプロンプトを> こねくり回して描いても、このように重量感に欠くものが多い一方、
に関して、これまた上掲の、
Cylindrical space colony floating in space
だけをローカルPC 上のStable diffusion web UI (AUTOMATIC1111版)に
与えて描画させると、全く意図外の貧相な画しか得られません。
CheckPoint ファイルに、ガンダム画などを容易に描けるhellomecha_V10Beta.safetensors では...。

日本人など東洋系の美人画に特化しつつも、IMG2IMG 処理では一転して
かっちりとした線でのメカの再描画をするbeautifulRealistic_brav5.safetensors では...。(やはりこれが一番ましかな)

最近入手して宇宙服を着た探検隊員の画などに使い始めているrealcartoon3d_v9.safetensors では....。

これも最近よく使う、複数の人間やメカをからませた画に強いepicrealism_naturalSin.safetensors では....。

CheckPoint ファイルの強み弱みはそれぞれであるにしても、上掲のmage.Space からの出力例を事前にゴールイメージとして期待する
私の目からは、これらが如何に的外れで貧相に映るか、お分かりに
なるでしょう。
逆に言えば、無償で使えるmage.Space のCheckPoint ファイルSDXL が
如何に有用で強力なものかが分かります。ローカルPC ではSDXL 系の
CheckPoint ファイルが現時点ではメモリ不足なのか動作しないようで、
その点でも有難いことです。
ご覧いただきありがとうございます。