面白いAIの使い方
面白いAIの使い方:未来の日常を創る小さな実験
テクノロジーの進化とともに、私たちの生活は大きく変わってきた。スマートフォンが登場してから15年ほどで、私たちの時間の使い方やコミュニケーション方法は劇的に変化した。同じように、AIはここ数年で急速に発展し、私たちの日常を少しずつ、しかし確実に変え始めている。とはいえ、AIの使い方というと、ニュースで耳にするのは「企業の業務効率化」や「医療現場での活用」といった堅苦しい話題が多い。しかし、AIの可能性はそれだけではない。日常生活にもっと面白く、クリエイティブに取り入れる方法がたくさんある。ここでは、私が試してみた「面白いAIの使い方」をいくつか紹介したい。
AIで「未来の私」を予測する
ある日、「10年後の自分はどうなっているのだろう?」とふと考えたことがあった。未来を完全に知ることはできないけれど、AIの力を借りれば予測を立てることはできるのではないか。そこで、私はChatGPTのようなAIに「10年後の私」についての予測を書いてもらうことにした。
まずは、今の自分について細かく情報を入力する。年齢、仕事、趣味、普段の生活リズムや価値観までをできるだけ詳しく記載した。そして「10年後、私がどんな生活をしているか教えて」とお願いしてみた。AIが出してくれた答えは、思いのほか具体的で興味深かった。
たとえば、AIは「10年後もあなたは本を読むのが好きでしょう。ただし、紙の本よりもデジタルデバイスで読む機会が増える可能性があります」と予測してくれた。確かに、今もすでに電子書籍をよく使っているので、その可能性は高い。また、趣味として「庭いじり」や「家庭菜園」を楽しんでいる様子も描かれていて、未来の自分を想像して思わず笑ってしまった。
もちろん、これはただの予測にすぎない。しかし、AIが提示した未来像を考えることで、自分が本当に大切にしたいものや、逆に避けたい未来に気づけるのは面白い。
AIで「即興詩人」になる
次に試したのは、AIを使って詩を書くことだ。私は詩を書くのが得意ではないが、ChatGPTに「5行詩を一緒に作ろう」と頼むと、まるでセンスのある詩人と会話しているような気分になる。たとえば、こんな詩をAIと共作した。
青い空をかすめて飛ぶ鳥
その羽根に映る、遥かな未来
今日という日が、明日を照らす
一瞬の光を捕まえて
私たちは、ただ前に進む
これを読み返して思ったのは、AIが提供するのは単なる単語の羅列ではなく、そこに物語や感情のエッセンスを込められる点だ。一緒に詩を作ることで、自分の中にも眠っていた創作のエネルギーが引き出されるような感覚があった。
AIで「友達の相談役」になる
また、私は友人同士の雑談にもAIを活用してみた。ある日、友達が「最近、仕事が忙しくて息抜きの方法がわからない」とこぼしたときのことだ。私はふと「AIに聞いてみよう」と思い立ち、彼女の状況を入力してアドバイスを出してもらうことにした。
AIは「短時間でリフレッシュする方法」として、瞑想アプリを活用することや、自然に触れる散歩を提案してくれた。友達はそれを聞いて「意外といい案かも」と感心していた。人間同士の会話にAIを交えることで、ちょっとした新しい視点が加わるのが楽しい。
AIで「週末の冒険を計画」する
さらに、週末にどこかへ出かけたいと思ったときも、AIは役に立つ。私は「自宅から車で1時間以内で行ける面白い場所を教えて」と入力し、AIにプランを作らせてみた。
あるとき、AIが提案してくれたのは「近くの農園でぶどう狩りを楽しむ」という案だった。正直、それまでぶどう狩りなんて考えたこともなかったが、試しに行ってみたところ、想像以上に楽しかった。農園の静かな空気や、直接採った果物の美味しさに感動し、すっかりリフレッシュできた。
AIの提案は人間の友達が教えてくれるような具体的さとは少し異なるが、むしろ自分では思いつかない新しいアイデアに出会えるのが魅力だ。
AIを「遊び」として使う価値
AIを日常に取り入れることは、単に効率化や問題解決の手段にとどまらない。それは、私たちの創造性を広げたり、新しい視点を提供したりする遊びのような体験でもある。
もちろん、AIの答えがいつも正しいわけではないし、使い方次第では偏った情報を信じてしまうリスクもある。しかし、「面白がる」という視点を持って接すれば、AIは思いがけない発見や楽しさをもたらしてくれる。
未来を完全に知ることはできなくても、AIを通じて「もしも」の世界をのぞき見ることはできる。その小さな冒険が、日常の中に新しい風を吹き込んでくれるのだ。
これからも、AIを「便利なツール」だけでなく「面白い遊び相手」として活用し続けたい。なぜなら、テクノロジーの真の魅力は、その機能性だけでなく、私たちの好奇心を刺激し、新しい可能性を開いてくれるところにあるのだから。