見出し画像

流行語の英訳調査法(質問編)

今回のトピックは「日本で今流行っている新しい言葉の英語訳を知りたい!でも辞書にもネットにも載っていない!!そんな時、自宅でどうやって調べるか?」についてである。

もし私がLA在住で日常的に英語を使う環境だったり、配偶者がジョニー・デップで毎日『パイレーツ・オブ・カリビアン』のような生活だったりすれば(どんな生活だ)、辞書に載っていない日本語の英訳を見つけることはそんなに難しくはないのかもしれない。ところが現実はそんなに甘くない。私はLAどころか、海外での生活経験ゼロである。ひたすら日本に住んでいて、職場にもネイティブの英語話者が全くいないのである。そんな環境で辞書やネットに載っていない言葉の英語訳を見つけることはなかなか難しい。

そんな状況でどうやって調査するか、について今回は書きたいと思う。

私がおこなったのはオンラインでのフィールドワークである。つまり、オンラインで多くのネイティブ英語話者に質問をして、知りたい英訳を見つける方法である。

今回調査したのは「蛙化現象」「ワンチャン」「ガチ勢」と言った日本の若者言葉の英語訳について。(前々回前回に渡ってしつこく調査結果を書いているので、ぜひご覧いただきたい。)調査対象は某オンライン英会話の講師陣19歳~34歳、国籍はアメリカ、イギリス、カナダの約15人。人選はランダムに行い、私が直接オンラインで質問する形で実施した。

質問の仕方は次の通り。

1. 日本語の説明。背景や状況も細かく説明して、十分な理解を促す。
2. 英訳を尋ねる。
3. 期待通りの答えが得られない時は、手を変え品を変え、いろいろな角度から質問して最も良さそうな英訳を探り当てる。

「蛙化現象」の英語訳は実際にこの方法で調査した。その質問英文の例を以下に記す。

1.言葉の説明。背景や状況も細かく説明して、十分な理解を促す。

(1)「蛙化現象」の説明
例)Recently the phrase “the phenomenon of turning into a frog” has become popular among young people. (最近若者の間で「カエルに変わる現象」という言葉が流行っている。)
※ChatGPTを使って、言いたい日本語を英語に翻訳する。「蛙化現象」(Frogification phenomenon:前回記事参照)は別の意味を表すので、「カエルに変わる現象」(the phenomenon of turning into a frog)と簡単な言葉に言い換えた。

(2)背景や状況の説明
例)A girl gets a boyfriend, and at first, she thinks he's handsome and just like a prince. But when she hears him chewing loudly while eating, she is shocked. It’s like she thought he was a prince, but then she realized he was actually a frog, which made her feel disappointed.
(女の子に彼氏ができて、最初はかっこよくて王子様みたいだと思っていたのに、彼が食べるときにクチャクチャ音を立てるのを聞いて、一気に幻滅してしまう。王子様だと思っていたら、実はカエルだったと気づいてガッカリする感じ。)
※ChatGPTを使って、言いたい日本語を英語に翻訳する。

(3)十分な理解を促す
例)Does what I’m saying make sense to you?
(私が言っていることは伝わっていますか?)
※答えがYesであれば2に進み、Noであればさらに背景や状況を説明する。ChatGPTを駆使して英語で説明する。

2.英訳を尋ねる。
例)What is the natural English expression of "the phenomenon of turning into a frog"?
(「カエルに変わる現象」を自然な英語にすると何になりますか?)

3.期待通りの答えが得られない時は、手を変え品を変え、いろいろな角度から質問して最も良さそうな英訳を探り当てる。

(1) Frog in boiling water(茹でガエルの状況)など全然違う英語を教えられた時。(これ、結構あるんですよね~。なんでやねん、って思っちゃう。)
対応例)No, what I want to know is a more natural English expression for 'the phenomenon of turning into a frog'. Could you tell me a more natural way to say 'the phenomenon of turning into a frog' in English? (そうではなくて、私が知りたいのは「the phenomenon of turning into a frog」の自然な英語の言い回しです。「the phenomenon of turning into a frog」の自然な英語を教えて頂けませんか?)
※ChatGPTを使って、言いたい日本語を英語に翻訳する。

(2)相手が自身の恋愛話を始めた時。(これも結構あるんです。フィリピーノの彼女と出会った馴れ初めとか、嬉々として話してくれる。まあ、いいんだけど今回は調査が目的だからゴメンね~。):対応例は(1)と同じ。

(3)Be disappointed to see his true colors. (彼の本性を知ってがっかりする)など正しい英語を教えられたが、もっと若者らしい言葉を知りたい時
例)Is there a more youth-friendly way to say it? (もっと若者らしい言い方はありますか?)

以上のフィールドワークを通して、「蛙化現象」に最もふさわしい英訳は”Getting the ick”であろう、と言うことになった(知ってましたか、この言葉!今回の自信作です!!)詳しいことは前回記事を参照のこと。

さて、私はこの調査形式をフィールドワークと呼んでいるが、実際のフィールドワークというのは、研究者が現地に出向いて、観察やデータ収集を行う実地調査のことである。主に文化人類学や生物学などで、現場の状況を直接調べるために行われる。

私がフィールドワークを初めて学んだのは、大学2年生の時。専門外の文化人類学を受講した。アフリカの原住民を調査している先生の授業だった。。。

と、さらなる物語が展開していくのですが、今回もご多分に漏れず長くなりすぎたので、続きはまた次回!いつも途中で終わってしまってすみません。将来、どこかの時点で前後編は1つにまとめて読みやすく書き直したいですね~。

毎日少しづつホソボソと書いています。応援してやろうという奇特な皆様、よろしければサポートお願いします。喜んで書くペースが少し上がります!