LGBTQ+についてノンケのわたしが思うこと
わたしはこれまでの人生でたくさんの
セクシャルマイノリティーの人たちに出会ってきた
いろんな国の人と出会ってきたが故に
その辺の人とは比べ物にならないくらい
わたしにはLGBTQ+の友だちが多い。
わたしは女で性嗜好も男の人なので
わたし自身はLGBTQ+ではないが
何かとそっちの友だちが多いのだ。
そんな人々に囲まれて
わたしはこの人たちの
『良き理解者』だと思っていたが
そうではなかったということに最近気がついた。
わたしはセクシャルマイノリティーの人たちに
理解がある人間だと思われたかった
偏見や差別のない公平な目で
この新しい時代のオープンマインドな考えを持った
そんな人間に思われたいと
彼らを利用していたのかもしれない。
今回はそんな気持ちをまとめてみようと思う。
セクマイの人もこの記事を最後まで読むことで
逆に私たちの気持ちがわかるかもしれない。
LGBTQ+とは
今更かもしれないが
生物には性別というものがあり、
個人によって性嗜好や自分の性への自覚が異なる。
その中でも身体の性別と心の性別が異なったり、
異性ではなく同性が恋愛対象となる人を
セクシャルマイノリティーやLGBTQ+と呼ぶ。
その中でも人によって色々違うので
今はたくさんの分類ができている。
わたしもたくさん出会ってきたが
本当に人それぞれ違って
一言でゲイやレズビアンなどでは
ほんとうに言い表せないと思う。
女になりたいから女装する人もいれば
ムキムキに身体を鍛えているゲイもいる、
女の子っぽい子が好きなレズビアンもいれば
逆もしかり。
どっちも好きって人もいるし、
知らないうちにそうなってたていうパターンも。
本当に人間の性って自由だなと
そう思うこともたくさんあった。
LGBTQ+の友だち
そんな特別な人生でもないし
別に自分で意識してきたわけでもないが
わたしの周りにはLGBTQ+の方が多い。
前の職場でもその次でも
一番仲が良くなるのは決まってこの人たちだ。
それは日本人も外国人も関係ない。
知らない間にLGBTQ+を引き寄せる
そんな能力がわたしにはあるのかもしれない。
まるでドラァグクイーンのような友だちからは
『アンタはどこに行ってもゲイまずを見つけな。どこだって友だちがすぐできるよ。アンタのそのなんでも受け入れてくれる心がわたしたちを引き寄せる。』
と言われたことがある。
そう、わたしには偏見のない
どんな人のどんな話にも臆さない
そんな広い心があるのだと言われた。
この言葉は本当に嬉しかったし
少し誇らしい気持ちになった。
確かに彼らがどんな見た目であろうが
どんな話し方であろうが
彼らにどんな話をされても
わたしはなんの変わりはない。
普通の友だちと話しているだけ。
ゲイの友だちのナンパの助けや
レズビアンの友だちの恋愛相談
時にはセックスの話だって普通にする。
それが普通だったし、
わたしにとってこれが
LGBTQ+の人たちへの最大の理解だと
そう思っていた。
自分はセクシャルマイノリティー関係なく
誰とでも平等に接する、
だから向こうも安心して話してくれる
そうやってわたしはLGBTQ+に理解を示してきた。
しかし、ある時その考えを崩す出来事が起こった。
自分と当事者との考えのズレに気づいた
わたしはそれまでLGBTQ+に好かれること
偏見なくこの人たちと接することができることを
誇りに思っていたし、そうやって言われることを
気持ちいいとも思っていた。
自分が周りの人より
LGBTQ+について理解があると自負していた。
そんなかレズビアンの友だちAと
(見た目は男、性嗜好は同性:女)
その子の友だちの最近婚約したカップルBとC
(Bは元女性、Cは普通の女性)
これもレズビアンという4人で飲みに行く機会があった。
そのカップルとは共通の知り合いは多いが
初めて会う人たちで、旦那さんの方は
性転換手術も終え、戸籍も男に変えている
いわゆる元女性の男性である。
乾杯していい感じに酔ってきた時、
ふとわたしの友だちA(レズビアン)の
元カノの話になった。
元カノはわたしも仲良くて同じ職場で働いていた。
その子はずっと男の彼氏がいて、
女の子と付き合うのはAとが初めてだった。
その話の流れで、何気なく
『男好きの元カノがAと付き合うようになってみんなびっくりしてたよね〜』
とわたしが言うとAが
『まじあの時みんなに元カノがレズビアンになったって言われるのに本当に腹が立ったわ』
と言ってきた。ーーー
わたしは理解ができなかった、
こっちにしてみれは元カノはAと付き合うことになって
レズビアンになったわけで
そこになんで腹が立つのかわからなかった。
そうするとBも、
『オレもCがレズになったって言われて腹が立つ』
と言っていて、余計にわからなくなった。
そこでその元カノの話を思い出した。
最近その元カノに『彼氏』ができたのだが
そのことについて
『元カノちゃんまたストレートに戻ったんだ』と
発言した人に対して元カノはすごく怒っていた。
『わたしはレズビアンになったことはない』と。
わたしは元カノにとってAとのことは
忘れたい過去なんだと思った。
Aに対しても誰に対しても
わたしはよくも悪くも思ったことを言うので
『いや、申し訳ないが私たちにとっては元カノはAと付き合うことでレズビアンになったと思っているよ』
とそう言ってしまった。
ここからわたしのセクシャルマイノリティーへの理解の自負が
ボロボロと崩されることになる。
2人から言われたことは
『あのね、オレらは身体が女性でも心は男性、好きな女の子からは特に男に見られたいの。だからこのCを含めて彼女たちは男の彼氏と付き合っているわけで性嗜好は変わっていない。つまりレズビアンではない。』
そう言われた。
彼らの彼女たちは男性であるAやBと付き合っているわけで
普通に男性に恋をしたのと同じ。
彼女たちはレズビアンになったわけではない。
そういうことである。
わたしはこの意見に対して
納得したような、なんだか腑に落ちないような
そんな考えが頭の中をぐるぐるした。
Cはその言葉に対して何を言うわけでもなく
グラスを見ながら少し笑っていた。
自分では少なくとも他人よりは
彼らに理解があると思っていたので
そのよくわからないプライドから
2人にちゃんとした返事もできなかった。
最低だ。
それからそのことが頭から離れなくなった。
テレビなどでLGBTQ+の話題を見るたびに考えてしまう。
もう自信を持って彼らの理解者とは言えなくなってしまった。
それくらいわたしは自分がショックだった。
彼らのことを理解しているつもりで
本当は何にも分かっていなかった。
しかし今になって理解したこともある、
『レズビアンになったことはない』
と発言したあのAの元カノは、Aとのことを
忘れたい過去にしたのではなく
Aのことをちゃんと男性として見ていたから
レズビアンになったことはなく、
ずっと自分の性嗜好は男性のストレートなんだ。
そういう意味で怒ってたんだと改めてわかった。
今になって思う今までのわたしとLGBTQ+との向き合い方
あの出来事から今まで自分がのLGBTQ+の方を
本当はどう思っていたのかを考えた。
個人として本当にこの人たちはおもしろい人が多いし、
友だちとして大好きな人が多いのは事実だ。
でもそんな中、他の人たちとLGBTQ+の話題になった時
わたしはなんだか得意げに彼らの話を話すのであった
あたかも自分はLGBTQ+に理解のある人間で
だからこそ彼らから好かれるんだと。
本当は何もわかってないくせに。
どこかで思っていた、
ゲイの友だちとは性嗜好が同じ男性でも
違うフィールドに立っていて、
相手もゲイだろうからわたしには関係ない。
どうせ女のわたしには勝てないと。
レズビアンの友だちの話も
お風呂屋さんに行けないとか
見た目の問題で多目的トイレにしか入れないから
外で探すのが大変とか言われても
それはあなたが選んだ道で
生きにくくとも当然、
それがセクシャルマイノリティーだと
そう思っていた。
彼らはわたしがなんでも聞いてくれて
偏見の目も持っていないし、
公平な立場で意見を言ってくれる
オープンな心を持ったヒトだと
彼らはそう思っていたもかもしれないが
本当はそうじゃなかった。
わたしはちゃんと彼らの立場になって考えてはいなかった。
話も聞くし、それなりの意見も言う。
でも考えているふりをして
理解があるふりをして
本当は何にも理解していなかった。
LGBTQ+の友だちが多いことで
偏見のないオープンな考えや
新しい時代について行っている
そんな人間に思われたかっただけだったのかもしれない。
私たちの間にある溝
最近特に話題の多いLGBTQ+の問題だが、
こんなに多くのLGBTQ+とたくさんの時間を
一緒に過ごしてきたわたしでさえ
ちゃんと彼らの気持ちを理解できていなかった。
ここまで読んで、ただのわたしの理解不足とか
そんなの当たり前じゃんと思った人もいるかもしれない
でもこれが現実で、これ以外にも
彼らとの考え方の差はたくさんある。
それはLGBTQ+が多様なのと同じで
それぞれ思っていることも全然違うと思う。
それ全部を理解しなければいけないことでは
ないのかもしれないが、
ヒトにはみんな他人に理解されたい
という気持ちがあると思う。
そのことについて否定したり、
自分の偏った考えを押し付けるのは違う。
それはあなたがまだ理解できていないということ。
それができていなかった自分に落ち込んだりもしたし、
LGBTQ+の友だちの見方も変わった。
もう自信を持って彼らのことを語らなくなった。
でもそれでもやっぱり誰かが
彼らLGBTQ+の人たちのことを
バカにしたり、偏見を持っていたりすると腹が立つ。
やっぱりわたしは彼らが好きなのだ。
彼らは普通の人と少し違うだけで
生きづらい人生を歩んできた人も多い
だからこそ彼らは人を傷つけるようなことは言わない。
人の気持ちに敏感で
少しの変化にも気づいてくれる。
ゲイの女の子たちは誰よりも女子力が高い。
彼女たちの所作からは学ぶことしかない。
彼らと話す下ネタは一番エグいし、
なぜかゴシップを一番早く知ってるのも不思議。
彼らはいつも人生を思いっきり楽しんでいる。
そんな彼らがわたしは大好きなのだ。
わたしにはLGBTQ+の友だちが多い。
それは彼らが自分を貫き、
たくさんの困難があったとしても
人にやさしくまっすぐである
どこにいてもより輝いて見える彼らに
わたしが惹かれているからだ。