MindSportsとしてのCAMS
前記事で述べた通り、僕はCAMSを受けて「楽しい」と思った。Twitterでの受検者の反応を見る限り、皆口々に僕と同様の感想を述べていることから、CAMSというテストは高IQ者たちを満足させられるような非常に完成度の高いものだと分かる。
そこで僕は思うのである。こんなに素晴らしいテストをただ単に「知能検査」として使うにはある意味勿体ないと。そしてこのテストは万国共通の、次世代型MindSportsとして昇華させられる可能性を秘めているのではないか、と。
CAMSを実施・運営するHIQAの理事、幸田直樹氏は、IQの高さを「見せにくい」ことを、ユーモアを交えてこう話している。
ただ、僕は人間が持つ数ある知能の中でも、CAMSが測定するような「図形推理」の能力は一番「他人に見せやすい」力だと思う。
例えばこんなのはどうだろう。バラエティー番組で、図形推理問題をスクリーン上にバーンと出題し、高IQ芸人チームと一般公募のチーム間で制限時間内の正解数を競わせるというのは。これならば視聴者もゲーム感覚で参加できる(もちろん初めの方の問題のレベルは、誰でも解きやすいようなものに調整した上での話だが)。最近のクイズブームに乗って、ある1題に対する解答速度を競う「早押しクイズ」形式にするのも面白いかもしれない。
さらにこの図形推理問題は、「言語の壁」が存在しないことも大きなアドバンテージとなる。つまり、世界中で同じ問題群の正答数を競わせることが可能になるので、上手く行けばチェスやオセロに並ぶ世界的MindSportsに成長する可能性もある。
こうしてCAMSを始めとしたハイレンジIQテストの世界、そしてその背後に存在する高IQ者たちの実情が広く社会に認知されれば、テレビでも「IQを標準偏差もテスト名も示さずにババーンと出して終わり」などという安直な演出を止めるだろうし、なにより高IQ者たちの活動の場がより広くなるだろう。それは、特にこの国にとっては大きな利益になると思う。