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言葉には「コンテクスト」が必要。

映画やドラマで、登場人物やモノの名前や背景がごちゃごちゃで訳分からないまま見ている人。いますよね。

私もそうですが、ドラマの特に最初の1話や2話あたり。。。第6話辺りで蒸し返してくる場合もありますね(笑)

一方でワーキングメモリが高い人は得ですよね。巻き戻さずに、混乱せずに、すんなりストーリーを楽しめる人。

1日に違う種類の映画やドラマを何個も観れる人。

今回は、「英語の試験に於いて、ドラマや映画を見るときと同じような状況が起きてないですか?」と言う話です。

リスニングで話されたことの大まかなことは拾えるのに、例えば、細かいところまでは憶えてないよ。と言う場合。

選択肢で何人かの名前や野菜の名前が挙がっていて、話の大まかな内容は覚えているけれど、これは誰だっけ、何の野菜だっけか?と記憶に困る場面はないでしょうか?

そしてリーディング。読んでいる時は「ふむふむ」と英語の文章は読めたはずなのに、いざ問題文となると、あれ、「どれだっけか」と課題文と問題文を行ったり来たりするような状況はないでしょうか?

「あれ、筆者はそんなこと言ってたっけか?」 と、もう自分の記憶が信じられなくなりますよね(笑)。

もちろん英語力が高ければ、ワーキングメモリを補い、解答に迷うような状況はおのずと少なくなってくるとは思います。

ただし、ワーキングメモリに自信がない場合は、ちょっとしんどい状況もあるでしょう。

それもそのはず、「*人間の短期記憶は7±2チャンクまで」ということが言われているように、そんなに多くの情報をインプットできないということは明らかなのです。(*認知心理学者ジョージミラー氏が提唱)

(ここからは「である」調で。)

まあ、これはあくまでも試験の世界なので、試験だと、こういったワーキングメモリが試されるような部分はどこかしらで発生する。

だから、「英語の試験は必ずしも、単純に英語力だけを測っているわけではない」と言う意見が生まれてくる。
(注:もちろん、話の大まかな内容が掴めないのであれば英語力は不足していると思う)

加えて、試験の内容が高度になるにつれ、より論理的な思考も求められてくる。

人と話しているときに、「だからとって、そうとは限らないよ。」と友達に指摘されたり、自分でも「なんか、今の言ってたことは、自分で考えてもおかしいよな。」と思うことは日常生活に於いてはいくらでもあるのである。

国語の現代文のテストでクラス全員が、満点をとることは、ほぼあり得ないように、試験と言うのは、なぜか、言葉以外の能力が必要になってくる。


そしてもうひとつ。

「人の言葉はコンテスト(背景・文脈)によって生まれてくる」ということ。

コンテクストがあまり与えられていない状況では、人は結構混乱するものである。

映画館で映画を観終わったあとに、カップル同士で、あれは「どういうこと?」「あれって、こういうことだよね」と確認し合ったり、意見が食い違ったりするようなことがあれば、デートの雰囲気が悪くなってしまうだろう。

たった数時間では、物事の判断をする多くの情報が処理できず、消化不良を起こしているのである。これが、最初から、登場人物の情報や物語の背景が入っていたら、もっとすんなり観れたであろう。

試験でも同じで、基本的には初めて目や耳にする情報で頭の中で混乱しているのである。

人の話を聞いている時や読み物を読んでいる時、いわゆるインプットの場面であれば、ある話題について、「この人は、こんな話をするんじゃないかなあ」と実は想像しながら聞いたり、読んだりしているのである。

自分の想像と、今まさに見たり聞いたりしている情報と照らし合わせて、情報を処理しているのである。

そして話をしたり、作文をしたり、いわゆるアウトプットの場面であれば、自分のこれまで聞いたこと・見たこと・感じたことをベースに、そこから適切な言葉を選んで話したり、書いたりしていくのである。

「英語ができるなら、なんか英語しゃべってみてよ」と言われて、いきなり言われても困るのは、話すコンテクスト」がないからである。

なにが言いたいかと言うと、試験は人間が言語コミュニケーションをする上での養分となる「コンテクスト」が不足しているのである。

このコンテクストの無い状態が、「映画やドラマの見始めの部分」となり、「英語の試験の文章」だったりするのである。

自分が加わったことのない、関連のない、コンテクストのない世界なのである。だからこそ、ワーキングメモリーを駆使しなければならないし、情報がうまく落とし込めず、混乱してしまうのである。


映画やドラマで、登場人物やモノの名前や背景がごちゃごちゃで訳分からないまま見ている人。いますよね。

試験の世界はこれを許してくれないのです。

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