カーボン・クレジットで億万長者になる④
これは2021年にマリン・カツサ氏率いるKatusa Researchが出した無料eBook "MAKING MONEY OUT OF THIN AIR CARBONOMICS: How Carbon Credits will mint the Next Generation of MILLIONAIRES" の要約である。
「カーボン・クレジットで億万長者になる①~③」の続きになるので、まだ読んでない人はまずはこちらをどうぞ!
ネットゼロとカーボンニュートラルの違いとは?
今日はまず『脱炭素』でよく使われる『ネットゼロ、カーボンニュートラル』の違い、さらに『カーボンネガティブ』に関しても見てみましょう。
ネットゼロ:個人、企業、地方自治体、国が放出したCO2と同じ量のCO2を削減
カーボンニュートラル:基準年と比較して、年間のCO2の放出が増加、減少していない状況
カーボンネガティブ:マイクロソフトや世界のリーダーが目指している状況で、基準年と比較して年間のCO2の放出が減少
ネットゼロを達成するために
パリ協定に基づいて各国はNDC(Nationally Determined Contribution)と言われる「国が決定する貢献」を決めており、各国政府はこれを達成するために今までにない規模の予算を投入することになる。
その額は100兆ドル以上になり、それだけの予算を投入しないと地球温暖化を止めれないのである。
『脱炭素』に向けての世界的な支出は今後30年程続き、それにより投資の世界を完全に変えてしまうだろう。
炭素税:インフレと失業に対しての長期的影響
『脱炭素』や『低炭素社会』へ向けてたくさんのお金がつぎ込まれるにつれて、インフレ圧力を心配するのもよくわかる。
さらに、炭素税が増えるにつれて、炭素集約度の高い商品(鉄鋼、アルミ、コンクリート、化学、航空、海上輸送、大型トラック輸送など)の値段も上がるだろう。
しかし一方で、長期的にはエネルギー効率が上がりコストが下がると、インフレ圧力は無くなるだろう。
同様に炭素集約度の高い業界での失業も一時的には上がり、世界的に500万の石油・天然ガス関連の仕事が失われるが、脱炭素社会では1500万以上の新しい仕事が生み出されるだろう。
このように『脱炭素』に向けてインフレにも雇用にもマイナスが一時的だとわかると、政治家は自信をもって『ネットゼロ』に向けて何兆ドルもの資金をつぎ込むと考えられる。
続く