基礎知識で知る。今日からあなたも英単語王! 前編
今回は、英単語王になれる方法についてお伝えしていきます。
英単語を片っ端から覚えていませんか???
いきなり単語帳を使いながら片っ端から英単語を覚えるのは、実は効率的な勉強とは言えません。英単語を必死に覚える前に、英語の時代背景や英語そのものの基礎知識に結びつけて英単語を知っていった方が、断然、英語の伸びが良いからです。とはいえ、その基礎知識を現代で知っているのは、一握りの人だけでしょう。その重要な2つの基礎知識を見てみましょう。
【重要な2つの基礎知識】
① 英語は英語でできているわけではない。
② 英語の品詞にも割合がある。
英語は英語でできているわけではない。
英語は英語でできていないとはどういうことか。ご存知の通り、英語のルーツは、アメリカでなく、イギリスです。ですから、英語の真の母国語話者は、イギリス人とも言えます。
現在、なぜアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどでも英語が母国語になっているかというと、19世紀にイギリスの大英帝国時代の植民地政策の一環で広まったためです。ここでは、その歴史を割愛します。というのも、これから焦点を当てるのは、それよりはるか昔のことだからです。
イギリスってどんな国?
英語の母国語話者であるイギリス人についてお話すると、実際イギリス人をひとくくりにまとめることはできません。それはなぜか。ここからは大学の英文科の授業になりますが、イギリスの正式名称は、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国 といいます。つまり、実はイギリスはもともと1つの国ではないのです。現在、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドを4つの地区に分かれており、ルーツをたどると、実は全て異なるルーツを持っているのです。
3世紀ごろにはローマ人に、5世紀にはドイツ地方の種族に、10世紀には北欧種族に、そして11世紀にはフランス人によって、イギリス本土は侵略を受けました。また、イギリスは文化的にも言語的にも複数の人種に侵略されたため、結果、現在の英単語は、他言語よりも多くの語源を持つことになりました。
イギリスの敗北と英語の拡大
さまざまな言語が英語に取り込まれた中、特に大きな影響を与えたのは、フランスです。そして1066年のノルマン・コンクエストは、英語にとって歴史的なターニングポイントとなりました。
1066年、フランスがイギリスを侵略した際、イギリス人の協会や議会を支配したことで、フランス語は上位言語、英語は下位言語として扱われました。フランス語をイギリス人が強制されたなごりは、現在の英語にもはっきりと見られます。協会に関する単語や議会に関する英単語、例えばcongress, chamber (仏: chambre)といったものは、現在の英語にもあるフランス語です。しばしば、イギリス英語のスペルが、centerでなくcentreのスペルになるのもフランス語由来によるものです。このイギリスの敗北は、必ずしも悪かったわけではありません。こうしたフランス人の押し付けによって、英語にフランス語が輸入され、英単語数が大幅に拡張され結果、英語は他の西洋の外国語より言葉に豊かさが生まれることになったのです。
しばしばイギリス人とフランス人は仲が悪いと聞いたことがあると思いますが、実はこのノルマン・コンクエストが発端です。ですから、15~17世紀のバラ戦争や宗教戦争でいきなり仲が悪くなったわけではないのです。最近、EUからイギリスが離脱したという出来事がありましたが、イギリスはまだこの歴史を気にしているのでしょうか。栄光ある孤立と言って、日本の江戸時代と同じように鎖国をしていたイギリスの高貴なブリティッシュイングリッシュを学ぶのも、フランクなアメリカンイングリッシュとは違った面白さがあると思います。(わたしはブリティッシュイングリッシュ育ち派です)
まとめ
言語的に英語という言語は実際は実体がないようなもので、多くの言語によって肉付けされた言語です。もし、みなさんが他の言語を学習されているならば、英語に使用された元の言語にすでに出会っているかもしれません。加えて、アメリカンイングリッシュとは異なるブリティッシュイングリッシュで英語を学ぶのも勉強のやる気につながります。
次回は②英語の品詞にも割合がある点についてお話します。
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