和式思考 vs 英語思考 その2
和式思考 vs 英語思考
コミュニケーション・ギャップの正体
前文で、観光客の高いという主張に、ラクダの持ち主は、Well, how about five dollars, then? と半額を申し出ている。この表現は、暗に「気に入らなければ、もっとまけますよ」を示唆している。アラブ商人の歩いた後には草も生えないと言われる彼らが、こんな返答をするはずがない。
ところが、信じられないことに「もっとまけますよ」と言う相手に、お客は Is that your best price? と聞くのだ。このような質問をしたら、自分に不利な答え Yes. しか返ってきてこないのは、わかり切っている。まさか No. That’s not my best price. I can still go down. とでも言うと思っているのだろうか。
また全文で Dr.O は値段をまけてもらうには「まず高すぎることを指摘」しろと言うが、初めてエジプトのラクダに乗る人が、コースも知らずに、頭から高すぎると言う根拠は弱い。例えそう言っても相手は No, it isn’t. と取り合わないだろう。 That’s way over my budget.(私の予算をオーバーしている)とは言えても、だかが10ドルだ。価格が高すぎるという論理的な理由はない。
この模範解答を信じてエジプトへ行った人は悲劇だ。まけるどころか、乗った後で倍額を請求されるのがオチだ。抗議するだけの交渉術を持ち合わせていないことを、相手はとっくに見抜いている。集団思考に頼り、個人思考に弱い和式思考の弱点は英語を話すことで明白になる。
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