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プロローグ

そして僕は、嘗て抱いた「夢」を思い出す。

東京ドームで歌うとあるアーティストを見て、自分もあんな景色を見たいと思ったこと。

心を撃つ、奮い立たせる、時には支え、励ましてくれる、そんな歌詞を聴いて、自分もこんな曲が書きたいと思ったこと。


「現実的じゃない」、「才能がない」と、大体の人がそう思う。何となく、目を逸らす。


この先の人生を、音楽を手放し、月1のカラオケでしか歌わない日常を送るより、毎日音楽のことを考えて、チャレンジして、悔しくてもつらくても歌にしがみつく日常を選びます。


今でもなお、やめたい理由はたくさんある。お金がたくさんあるわけでも無いし、いつでも録音や配信ができるわけでも無い。歌のことをやると他に手が回らなくなるし、家ではゆっくりできるわけじゃない。

きっとこれから先は、もっとやめてしまいたい理由が増えていく。

でもこの気持ちを忘れないで、しがみついていたい。


そうして、夢見るバカであり続けたい。

もっと胸を張って、「夢」と言いたい。叫びたい。

未来の自分の自身のために、今の自分にできることを精一杯尽くそう。



僕が大好きなバンドの曲にこんな歌詞がある。

歩き出せば 必ず風は起こる


この、僕の一つの決意が、行動が、小さな風を起こす。

そうして生まれた風が、いつか、次々と周りを巻き込んで旋風と成れ。

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