チャリで爆走午前2時
「はぁ…はぁ……間に合って……っ!!」
午前2時
こんな時間に私はチャリを漕いでいる
外には人も車もいない
いるのは競輪選手の如くママチャリを漕いでいる私だけだ
今宵の気候は随分と心地良いのだが、私は猛暑にやられてるかのように汗を大量に流している
脚も心なしかたくましくなってる気がする
でもそんな事はどうでもいい
あの子を助けるためにも、私は絶対に遅れてはいけない
お願いだ、間に合って欲しい…
夜の海が見えた
あの子は足を海に入れた
私は少しでもあの子に近い距離に行きたくてチャリを乗り捨てた
派手に転んだ。でもそんなのはどうでもいい
私はあの子に向かって叫んだ
「生きろ!」