【遊戯王】紋章獣新規ここが弱い
紋章獣の新規が公開されてはや2週間
…紋章獣の記事少なくないです??
普段から新規の展開ルートなどは探してないので展開案の記事を見掛けないことには不安ながらも特に言うことは無いのですが、良いも悪いも出てこないのは流石にあんまりです
そんなわけで紋章獣の記事を書くことにしました
題して、
紋章獣新規ここが弱い
はじめに
この記事は題名の時点で自分の印象・感想によるものです
勘違いや考えが及ばないだけといった場合も大いにあります
遊戯王カードwikiの記法に倣いカード名は《》、デッキ名は【】で括っています
カード名は省略する場合が多々あります。基準は「特定できるか」です
また、紋章獣モンスターは名称省略は基本です。特定できない場合まず紋章獣を疑ってください
こちらでは個々のカードの情報は扱っていません。必要な方は適宜遊戯王公式データベースや遊戯王Neuron、もしくは遊戯王カードwikiなどを参照してください
いっそ今のうちに開いておくことをオススメします
あと「エクシーズ」というテキストは「X」に省略します
これはOCGのカードテキストに倣います
以上、ご了承ください
新たな制約
紋章獣新規が出るにあたって、これまでの紋章獣と異なる縛りが発生するようになりました
一先ずその変化を簡単に確認してみましょう
新旧比較
これまでの縛り(《顕現する紋章》)
「このターン、サイキック族 or 機械族しかEXデッキから出せない」
新しい縛り(《グリフォン》もしくは《ホエール》)
「このターン、紋章獣かNo.のみを素材としたX召喚でしかEXデッキから特殊召喚できない」
X召喚に限られますが、出せるカード自体にそれ以上の制約はなく、重ねる場合でも下がNo.であれば問題なくなり展開先の縛りはかなり緩くなりました
ただ、素材に強い制限が設けられ紋章獣しか使えなくなったのはかなり痛いです
半ば純紋章獣の形を強制される形になります
新制約の弱みと噛み合わなさ
純構築を強制されるのは本当に痛いです
ライゼオルはもちろん、斬機に派生できないのはもちろんですが、それとは比較にならないほどこの制約は重いです
例えば《グリフォン》を握っていてR4定番の《荒魂》から入ろうとしたとき、その《荒魂》を《うらら》か何かで止められてR4まで繋がらなくなったとします
このとき《グリフォン》は貫通札にはなりません
《荒魂》をX素材にできないからですね
純構築の強制とはこういうことです
また、EXに関する制約についてもこれまでの開拓を無に帰すことが書いてあります
簡単な話、《プレインコート》を墓地に送る動きが弱くなります
紋章獣経験者ならご存知かと想いますが、サイキック族 or 機械族というのは重いながらもギリギリ許容できる制約でした
明らかに《プレインコート》を意識して出たであろう《グラビティ・コントローラー》(サイキック族)、そして後発の《エクシーズ・アーマー・フォートレス》(機械族)の存在が大きなポイントです
《グラビティ・コントローラー》でEXモンスターゾーンに置いた《プレインコート》を墓地に送り、《ユニコーン》経由の疑似自己蘇生から今度は素材1フォートレスを出しプレインコートを再発動させながら《ダーク・ナイト・ランサー》まで出す動きが可能でした
この展開はR4が出せれば何でも良いのですが、旧制約を持つ《顕現する紋章》で無理矢理発進しても上記の展開に支障は無かったのです
ですが、グリフォンを初動に使うとどうなるでしょう
まず、リンクモンスターである《グラビティ・コントローラー》が使えません
この時点でプレインコートの効果を1回ぶん(ユニコーンを消費するので実際には0.5回ぶん)損しています
ホエールの登場も考えるとこの1枚の差は結構馬鹿になりません
また、《エクシーズ・アーマー・フォートレス》の素材を0にできないので《フル・アーマード・エクシーズ》を使っても《ダーク・ナイト・ランサー》を出せません
制約の都合、リンク素材として逃がすことすらできません
結果として《プレインコート》を墓地に送るアクションに付加価値を付ける方法が著しく損なわれています
また、制約が広くなったことで出せる妨害数が大きく増えたというわけでもありません
現状ランク4はバグースカという例外を除けば単独で妨害になるカードはほとんどありません
そこでライゼオルのような出張が求められるのですが、ライゼオルも、斬機も、十二獣も、スプリガンズも尽く素材の制約に阻まれます
(斬鬼は超階乗によるため一見相手ターンに思えますが、超階乗を使うために斬鬼を墓地に送る手段がありません)
強いて挙げれば《ホープ・ダブル》は使えますが、今となっては型落ちです
なお、「X素材を必要としない」もしくは「X召喚扱いではない」特殊召喚については対応していません
つまり《エクシーズ・シフト》は使えません(RUMは大抵使えます)
お気付きの方もおられると想いますが、この問題はグリフォンを初動に利用した場合に発生する課題です
つまりグリフォンは既存の初動や貫通札に使うカードではありません
グリフォンを紋章獣の初動・貫通札として使いたい場合には既存ルートとは全く異なる展開方法・最終盤面を開拓する必要があります
展開案が出てこないのはこれが原因だと思います
制約テキストの解釈(裁定待ち)
最初に今回の制約は「紋章獣かNo.しか素材にできない」と書きましたが、実はそうではない可能性があります
自分の観測範囲が狭いだけかもしれませんが、この「◯◯のみを素材に含む〜」というテキストを今回の制約で初めて見たためです
これについては「No.が他のカード名を得る」状態に対応した記述だと思います(ゲノム・へリターや紋章神で発生する)
(2つの名称カテゴリに対してそれぞれに「〇〇」モンスターと書くのがスペースが勿体ないのもあるでしょう)
紋章神がどうしようも無い
紋章神に新たな2枚が追加されましたね
あれを見てどう思いましたか?
対象耐性に効果破壊耐性持ちの攻撃力3100、更にターン1回とはいえ無効効果も持っている
強いというか厄介ですよね。強さだけで言えばデッドネーダーの方が5倍は強そうです(比較対象が悪い)
デッドネーダーが相手でなくとも、紋章獣のデッキのエースとしてはその程度の耐性と1無効は物足りないと言わざるをえません
これについては第二形態がやや弱いですね。魔法・罠に反応できてサンダー・ボルトのようなカードを無視できていたら違ったでしょう(その場合、破壊効果任意になっていたら嬉しいですね)
ですがそれ以上に苦しいのは、素の紋章神があんまりに弱いことです
紋章神のテキストを確認してみましょう(必要な部分のみ要約・抜粋)
テキスト以外にも弱い点はあります
それを含めて改めて箇条書きします
素材を吐き出す能力が無い
出た時に強制的に自分のXモンスターを無効化する
結果、「最後に出したいのにセルフ結界波状態にする」か「最初に出して展開を諦める」かの2択を迫られる
かといってこのカードを中継しない場合にはグリフォンを活用してなお3体も素材として奪われるのは流石に重すぎます
デッドネーダーを見習えとまでは言いませんが、紋章神を素材に据えるのだけは本当に止めて欲しかったです
《アンノウン》こと《名無しさん》は弱い?
遊戯王ではカードの名前を変える効果は《Nーブラックパンサー》や《プロト・サイバー・ドラゴン》を皮切りに何度か登場してきました
しかし、「相手のカードの名称を完全に変えてしまう」効果は初めてです
果たしてこの効果は強いのかというと、そんなに強くないと思っています
多くのカードは属性や種族をメインとしており名称についてはそれほど刺さりません
一方で例えばエクソシスターやピュアリィがこれを受けると受け方次第では一転苦しくなります(マニフィカの召喚を防いだり、ピュアリープが役に立たなくなるなど)
似たような性質を持つ《ドラゴスタペリア》と似たようなのタイプのメタだと思って良いでしょう
つまり、刺さったらラッキー、積極的に期待するものではありません
それに特化した《紋章の明滅》は完全にコンボ特化のカードと考えた方が無難です
ただ、《明滅》は後攻側の《明滅》を通したが最後、《プレインコート》の効果が有効化して場を爆散させられるので無効にせざるを得ないクセにそれを無効にしたり破壊してもプレインコートの本懐は果たしていたり、第三形態が着地した瞬間スキルドレイン化するなど「チラ見せ」するなら一定の成果はあるかもしれません
(それならサンダー・ボルトとかでいいし第三形態まで辿り着けるならそもそも返せてるという話は大いにあります)
長所を伸ばさず弱点を補ってない
これには大いに異論があるかもと思いますが、思索の末にそのように感じています
紋章獣の弱点と、新規でどうなったかを見ていきましょう
紋章獣の弱点① Xモンスターが出せない
まず紋章獣を出すことに困る
それが紋章獣の課題だったと思います
Xテーマ共通の弱点ですが、そもそも1枚初動がテーマ内に存在しませんでした。R4を積極的に扱うテーマ自体が1枚初動を獲得するのはライゼオルが初めてというくらいにはXのデッキは苦しいです
紋章獣も今回グリフォンを一枚初動として得たわけですが、これを初動として使う形に疑問があります
プレインコートは機能不全かのように動かなくなり、無理に伸ばそうとすると今度はサイキックに縛られ前後不覚に陥ります
(グリフォンとホエールで《プレインコート》を出して《顕現する紋章》を使っても紋章神の他はせいぜいクロノダイバーしか立たない)
グリフォンを使わない場合のX召喚ルートの追加はせいぜい紋章獣とホエールを同時に引いた場合程度でしょう
紋章獣の弱点② 「メダリオン」に繋がらない
紋章獣をサポートするカードとして「メダリオン」というカード群があります
これまで紋章獣のモンスターからこれらのカードにアクセスすることができませんでした
今回新規のホエールによりサーチが可能になったハズなのですが、そのトリガーは「自身を召喚・特殊召喚する」ことです
そのためにグリフォンを初動に使うのは上記の通り論外ですので、ホエールの効果を使う条件として「プレインコートをX召喚した上で召喚権が残っている」か「ホエールを蘇生できるカードをあらかじめ握っておく」必要があります
「一応」サーチはできるようになったものの、この条件はあまりに重すぎます(1枚初動でこれを満たせるのは《オスティナート》くらいでしょう)
紋章獣の弱点③ X素材が墓地に落ちない
Xモンスター全体の弱点ではありますが、紋章獣では特に重要です
というのも、紋章獣はエクシーズデッキの中でも墓地効果が多いテーマであり、高等紋章術などの使用に墓地の紋章獣を確保する必要があるデッキでもあります
なので《レイダーズ・ファルコン》とまではいかずとも《クロノダイバー・ベゼルシップ》のような効果は欲しかったのです
そういったカードは今も変わらず求められています
紋章獣の長所① ランク4を手軽に並べやすい
紋章獣はランク4に特化したテーマで、手札一枚(高等紋章術)から任意のランク4を瞬時に捻り出す様は明確な強みでした(8期の記憶)
今回ホエールを獲得したことで高等紋章術以外でも墓地からX素材を生み出すことができるようになり当時のような横並び(リソース獲得用のXモンスターで殴る)も視野に入りました
ただ、それを並べた後の展開がありません
Xモンスターから出てくる更に強力なモンスターといえば、《未来龍皇》、もしくは《メガトンゲイル》です
《未来龍皇》は「No.以外のX」を素材として要求し、《メガトンゲイル》は機械族(旧制約で出せた)のリンクモンスターです
新制約下ではこのどちらも出せません
また、単体で強いランク4も今や型落ちが目立ちます
「除去だけできる」「中継にはなれる」「だけど強さは型落ち」を昇華させていたのが上記2枚なので、これを使えないのは致命的です
紋章獣の長所② 墓地から動ける
アンフィスバエナとアバコーンウェイの存在から墓地からリソースを回収してR4を立てたり、高等紋章術から一気に畳み掛ける様は圧巻でした(これも8期の記憶)
今回、ホエールの登場で純粋に墓地から動けるようになりました
ですが、そこから強烈なビジョンを相手に与えません
先に書いた出てきたR4の弱みが原因ですね
結論
紋章獣新規から新たなルートは構築できていない
自分は展開ルートの開拓は苦手なので明言したくはないのですが、今まで考えた末このような結論に至りました
もちろんホエールの墓地効果を展開の終盤に発動して何かを残したり、高等紋章術で3体素材のカードを叩きつけたりできますが、どれもイマイチ強くありません
サイキック族Xモンスターも紋章神が全てを台無しにしていくのでレパートリーが増えたかと言われると怪しいところがあります
なお、《エクス・ライゼオル》を採用するのはオススメしません
その採用は【ライゼオル】に寄りやすく、【ライゼオル】の方が圧倒的に強いからです
【紋章獣】はNo.のランクアップに対応することを活かしてそちらに寄せるべきだと思います
未来問題
未来皇の話……ではなく、今後の【紋章獣】の成長に関する懸念です
紋章獣が素材に縛りを得たことは今後にも関わる強烈なデメリットです
今後新たに出張系のカードが出たとしても、その出張ギミックを採用してデッキパワーを補うことができない可能性があります
(実際に未来龍皇が使えないのは馬鹿にならないダメージです)
通常罠が出る限り一生強化され続ける【ラビュリンス】と逆の状態と言えます
もちろん、今回新規の制約が掛からなければ問題ありませんが、素材側の制約というのはそれだけ厳しい制約ということは心する必要があります
(もちろん、最終盤面に制約が掛かるのも相応に辛いのはその通りです)
余談
【ライゼオル】を見れば、紋章獣の強化とおおよその方向性は覚悟できていたと思います
(《エクス・ライゼオル》で落とすカードとして《プレインコート》が視野にないわけがない。そこに乗じて強化してくること、ライゼオルが規制されるタイミングで来ること、【紋章獣】はランク4では収まらない展開が強みになること)
ですが、今までの紋章獣の開拓を全て無に帰すようなカードが出るのはあまりに心外です
新しい制約はなぜこうなったのか
この新しい縛りには心当たりがあります
というのも、《昇華する紋章》という使われなかったカードが「紋章獣とサイキック族Xしか特殊召喚できない」という目に悪いほど強い制約を持っているためです
新制約は《顕現する紋章》(旧制約)の「サイキック族(と機械族)しかEXデッキから出せない制約」と組み合わせると「紋章獣しかX素材にできず(特殊召喚する意味がなく)サイキック族Xしか出せない」という状態になります
《顕現する紋章》は制約関係なく効果自体が限定的なので現在では採用圏外のカードとなりそうなので、この縛りも忘れて欲しかったです
素直に有用なサイキック族Xモンスターを増やして欲しかった
最後に
改めて、今回はあまりに紋章獣の情報が集まらない自分が業を煮やして書いたものなので考察としてはかなり甘いものがあります
また、そもそも未発売のパックなので相性の良いカードも同時に登場するかもしれません
実際に発売されればYoutubeでは取り扱われるでしょうし、もしかすれば大会で結果を出したりすることもあるかもしれません
その中で「新しい縛りで問題なかった、杞憂に終わった」となることを祈っています
誤字等の訂正についてはXTwitterの「@akuraina」までお願いします。
記事内容への反論などはコメントにお願いします(他の人にとっても参考になるので)