《KOFXV》八神庵 日中英セリフ比較〜掛け合いセリフ編〜
KOF15 八神庵のセリフ比較シリーズ第2回。
今回は「2.掛け合いセリフ」についてです。
現時点で庵と掛け合いのあるキャラクターは、京・社・レオナ・牙刀の4人でした。今後DLCキャラクターの追加等によって掛け合いが増えた場合は追記していく予定です。
Youtubeに掛け合いのシーンをまとめてアップしてくださっていた方がいらっしゃったので参照いただきつつ、中国語・英語のセリフを見ていきたいと思います。
※中国語・英語からの日本語訳や感想は全て個人の妄想ですので鵜呑みにしないでくださいw
vs 京
「やっぱ俺らはこうでねぇと。なあ、八神?」
永遠のライバル、京と庵の掛け合いはKOFの定番ですね!(*´∀`)
ちづるは2人を嗜めていた?
京のセリフ「神楽には大会が終わるまで大人しくしてろと言われたが」の翻訳が
中国語:神樂叫我們 「我們=俺たち」なのに対し、
英語:Kagura told me 「me=京のみ」になっているのが興味深い。usじゃないのか〜😲
確かに日本語のセリフでは具体的に明示されていませんが、個人的には中国語の翻訳の方の印象でした(2人の前でガミガミと嗜めるちづる笑)。
英語版のちづるは、庵・京それぞれ個別に釘を差していたという感じなのでしょうか?
火炙りの刑を執行する庵
火炙りの刑、というのは半分冗談ですが(笑)、英語・中国語の翻訳を見てハッと気づきました。
「俺の炎に焼かれて死ね」っていうのは I'll burn you alive(直訳:生きたまま火炙りにしてやる)っていうイメージだったんですね。(中国語だと活活燒死)
言われてみれば確かに、庵の日本語のセリフを聞いて”紫炎に包まれながら苦しむ京の姿(火炙りされる京)”を想像していました。(そしてその姿に高笑いする庵までがワンセット🤣)
vs 社
庵の京への執念に負けず劣らず、社の庵への執着もなかなかですw
この掛け合いは庵の表情がほんとツボで…これはまた別の機会にnoteにまとめます。
高い鼻っ柱=高級な馬
社の言う「高い鼻っ柱」は、ここでは庵の傲慢さを指していると思います。
中国語だとそのまま高傲到不行的鼻梁(傲慢で高い鼻っ柱)ですが、
英語ではhigh horse(高級な馬)🐎になっていました。
実は、辞書を調べていただくとわかるのですが、high horseは「傲慢な、高飛車な(態度)」という意味なんですよね。昔、貴族が背の高い馬に乗って偉そうにしていた所から傲慢な態度をhigh horseと言うようになったようです(笑)
となると、ムービーで社が鼻っ柱の高さを表している動作は、欧米の方にはどう映っているのでしょうか😆
あの世=地獄
「あの世」と言った場合、通常は天国または地獄の両方を指しますが、このセリフは中国語・英語ではっきり「地獄(hell)」と翻訳されていました。
確かに、社たちオロチチームが安らかに天国へ行ったとは思えないし、庵のセリフなら天国よりも地獄という単語の方が似合いますね(笑)
逆にここ、日本語で「地獄」とはっきり言わなかったのはどうしてでしょうか。語感の問題?あまり深い意味は無いのかな🤔
vs レオナ
オロチに深い関わりのある2人の掛け合い。この掛け合いも庵の表情がたまりません(TдT)
翻訳には特筆すべき点は無かったので、会話の内容について触れたいと思います。
KOF'97三種の神器チームEDが正史のKOFXV
レオナの言う「あなた達の手によって封印が行われたという報告」、そして後のnoteでも触れますが、ストーリーモードでの勝利セリフ等から庵・京・ちづるの3人がオロチを封印したKOF'97のストーリーがKOF15に繋がっていることがわかります。
三種の神器チームは'97で正式チームとして存在していませんでしたから、彼らの活躍が歴史に残った事はとても嬉しい(TдT)
庵のセリフ「貴様らには関係の無い話だ」は、文字だけ見るといつもの(?)切り捨てるような言い方を想像するのですが、動画を見ていただけるとおわかりの通り、なんだかとても辛そうな、そして意味深な表情・言い方をするんですよね……星野さんのボイスも相まってますます気になります。
一体庵に何があったのか🥺別の機会に妄想したいと思います。
vs 牙刀
コワモテ同士の掛け合いです😂
「己すら御せぬ」の意味
牙刀のこのセリフは、暴走庵の事を指しているのかなと思いました。
中国語では無法控制自身力量(自身の力をコントロールできない)とほぼ日本語通りの翻訳をされているのですが、英語ではrecklessと訳されていますね。
recklessは、英日辞書では「無謀な」とか「向こう見ずな」という意味が最初に出てくると思いますが、ここでは「暴走した」というような直訳が相応しいと思います。
というのも、”無謀”という日本語には、そこに本人の”意志”があるように思えるからです。暴走庵の行動はオロチの血の呪いによる破壊の衝動であって、100%庵の意志では無い(と思っています)ので、「無謀な」という日本語はちょっと違うかなーと。
英日辞書の意味を鵜呑みしてはいけないなぁと気付かされた英訳でした。
その身に刻め=魂へ刻み込め
中国語は日本と同じく身体(身體)でしたが、英語ではvery soul=”魂”へ刻み込め、という表現になるのが興味深かったです。
確かにここでもし"body"を使われたら、どちらかというと入れ墨(タトゥー)のような物理的に刻まれるものを想像しちゃいます😂
日本語の「その身に刻め」は、”身”と言いつつも精神に刻み込め、という意味だったのだな〜と改めて日本語の奥深さに気付かされた訳でした。
セリフを比較してみた感想
掛け合いのセリフを見れば見るほど、特に英語圏の方への物事の伝え方・翻訳は、時に視点を変える必要があるのだと気付かされます。
一方で、中国語は日本語のまま翻訳してもそのまま通じる事が多く、同じハイコンテクスト文化なんだなぁとしみじみ感じました。
ちなみに、KOF15の掛け合いシーンを英語ボイスで吹き替えしているファンコミュニティの方がいらっしゃるのですが、その翻訳のされ方も非常に興味深かったです。海外の映画で字幕版と吹替版で日本語のセリフが違うのと同じ原理ですね。
ファン活動とはいえかなり大掛かりな吹き替えプロジェクトでクオリティも高いので、ぜひ別の機会にnoteでご紹介したいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。note会員でなくてもスキ可能ですのでお気軽にどうぞ🍀