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Withコロナの地域サロンの開き方② 「コロナ禍の高齢者の孤立の現状と、ベンチプロジェクト のすすめ」


長い。
タイトルが長いですね。

僕は、ブログなんかを読む時にはまずタイトルで読むかどうか決めるのですが、まず、長いタイトルの文章は読まないです。笑

というわけで、長いタイトルを読む物好きな皆さま、こんにちは。

今回の記事の対象は
・まちづくりに関心のある方
・高齢者サロンなどに関心のある方
です。

前回(2020年6月)に
「Withコロナ(ニューノーマル)の地域サロンの開き方」を書きました。


実はこれがよく読まれていて、高齢者施設で印刷されて配られたり、地域づくりの団体のグループに拡散されたりしたらしいです。

すごくありがたいのと同時に、驚きもありました。
そして「想像以上にみんな同じことで悩んでいる」という発見がありました。

そう。
「コロナ禍での高齢者の孤立」について、けっこう多くの人が悩んでいるのです。
そして、僕のもとにも、感染対策もしたいけど、つながりがなくなってしまうことへの葛藤の声がたくさん届いています。

この分野はまさに自分が毎日向き合っていることなので、その中で得た情報や経験は、ニーズがあるのであればどんどん広めていこうと思います。

Withコロナの地域サロンの開き方②では、コロナの影響により見えてきた高齢者の孤立と、これから何ができるか、についてお話しようと思います。

①をまだ読んでいない方でも全然大丈夫ですが、興味のある方はどうぞ。
考え方について書いてあります。あと、君誰やねん、って思った方もどうぞ。

さて、本題です。
その前に、長くなりますので、ざーーーーーっくりまとめを書きます。


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細かく、長い本題です。

二週間前に、70代の男性からこんな電話がありました。
『週に1回のグラウンドゴルフがなくなってしまい、ずっと家にいて、孤独を感じるんです』

男性とはほぼ初対面でしたが、私たちのことをチラシで知っていて、連絡をくれたそうです。

「高齢者の生活」は、関わっていないとイメージがつきにくいかもしれません。
もちろん人それぞれですが、特に75歳以上の方は、ざっくりいうと
寂しいけど、きっかけがないと家から出ない
です。

この「きっかけがないと」が重要なポイントです。
おじいちゃんおばあちゃんは、場所があれば来るわけではありません。
その場所に「役割」があったり「毎週の習慣」があるから、わざわざ痛い膝を我慢して、前日から早めに寝て備えて、何個あんねん!という数のカレンダーに全部書き込んで、家から出てきます。


地域の公園でやたら朝早くからやっているグラウンドゴルフは、その大切な「きっかけ」の役割がありました。
お茶飲み場もしかり、ちぎり絵教室もしかり、あとなんだろう。なぞの高齢者ダンスチームもしかりです。たぶん。UFO呼ぶ活動とかじゃなければ。

そして、コロナ対策のために、そのきっかけが今なくなっています。
これがまずいです。非常にまずい。

実際に聞いている、コロでの外出機会の低下によると思われる事例だと

・1ヶ月ぶりに訪問したら認知症になっていた。
・地域の集まりがなくなって家から出なくなった社交的なおばあちゃんが、あっという間に歩けなくなってしまった。
・座っていることが増えて、立ち上がりがしにくくなった。

などがあります。

高齢者の場合、一週間家にいてしまうと、一気に身体機能(筋肉とか)や認知機能(記憶とか)が低下しまいます。
話さないので、嚥下機能(口や喉の筋肉)も低下します。すると、ご飯食べる時にも難が出ます。

緊急事態宣言などで、基本的には地域のグラウンドゴルフなどのサロン関係は軒並み休みになっています。
地域の高齢者も、感染リスクが高いので、家にじっとしているようになりました。

この影響が大きく出てくるのは、これからだと思います。深刻です。

ただ、①でも念を押しいていますが、感染対策、本当に大切です。
医療現場の声も、本当に疲弊しています。

つながりか感染対策か、ではないです。

「感染対策を徹底しつつ、つながりをつくる」
が求められています。


この辺が、地域づくりの現場では皆さんが葛藤されていることだと思います。

とくに行政関係で「地域サロン」をやられている方々は、基本的には「守り」の判断が求められると思うので、難しいし、悔しいですよね。


やっぱりこのテーマは長くなるな、、、。
もう少し続きます。すみません。

飽きた人向けに、私たちの地域サロンで飼ってるペットの写真貼っておきます。

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さて、もう少し深掘りして、具体的な話します。

簡潔に言うと、ベンチを置きませんか?という話と
そのためのステッカーを無料で配布します、という話です。
長いので文頭にまとめ作ろうかな。
気が向いたら作ります。

コロナ禍でできること、として「ベンチプロジェクト 」の紹介です。

①ベンチがあると、高齢者の外出頻度が増える、という研究があります。
座る場所があることで安心して外出できるからです。これからのまちづくりには、街中にベンチを増やしていくことが重要になってきます。

②正確には「誰でも座れるベンチ」が大切です。
ただベンチがあっても、遠慮して座れない人もいます。
「誰でも座れることの可視化が大切です。
そこで、私たち一般社団法人えんがおでは「誰でも座れるステッカー」を作りました。笑
こちらです。

縁側ベンチ看板ロゴ案(仮採用)

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つまり、いままで室内で地域サロンを行っていた人(有志団体や行政機関など)は、コロナ対策のために休止するにあたって、その建物の前や近くにベンチを置いて欲しいのです。

そして「きっかけ」をつくって欲しいです。ここも大切です。
「座れる場所を置くこと」が第一歩ですが、
置いただけでは出ない人もいます。

この「きっかけを作る」は、腕の見せ所です。

例えば、毎週月曜日と木曜日、天気の良い日は10時から、30分だけここで顔合わせてお話ししましょう。のような流れを作ります。
日時が決まっていて、習慣になっていれば、出てくるきっかけになりやすいです。

マスク必須。飲食禁止、です。
あわせて、どうしてもたのしくなって、長居したり、おばあちゃん必殺の漬物を持ってきたりするはずです。
本来はこれが「成功」のサインなのですけどね。
難しいですね。

飲食をすると一気にリスクが上がります。
せっかく置いたベンチのせいで感染が起きてしまっては悲しいですから、できれば誰かが側にいてストップかけてあげてください。
ただ、ベンチに大きく「飲食禁止!!!」とかは貼らないほうがいいです。

例えば、30分間は誰かがいて(地域サロンの時にスタッフだった人とか)、あるいは「誰か」をやってくれるおじいちゃんやおばあちゃんに、その辺をサポートしてもらえるといいなと思います。

ベンチはホームセンターで5000円くらいで買えますし、作ってももちろんいいと思います。ただ、早いほどいいと思います。


いままで高齢者の集まる場所になっていた場所が、なくなってしまった。
そこに、短時間、屋外で顔を合わせられるきっかけを作りましょう、というご提案です。

もし、「誰でも座れますよステッカー」が欲しい方がいたら、無料で差し上げます。こちらから連絡ください。

普段はステッカーを原価160円+運営費で600円で販売しているのですが、いまは「広めること第一」と、チームで判断しました。

ちなみに、今回の話で対象となるのは、これまで「地域サロンなどの集まる場に出てきていた高齢者」です。
この自粛期間で「家から出れなくなってしまった」方や、もともと「家からは出れない」方には、短時間でも訪問したり、窓越しでも「誰かが会いにきてくれる」という安心感を提供できるといいと思います。

それから、テレビ電話や定期的な電話なども、効果があると思います。
ただ、現場で声を聞いていると相性はあるかなと、思うので、基本的には目の前の人に合わせて、といった形になります。


いや〜。
とはいえ、ベンチ買って、周知して、多少なりともリスクを背負ってつながりを作るって、結構勇気入りますよね。

最後に、ここ最近「コロナ禍で高齢者のつながりをどう作るか」についての講演をよくいただくのですが、そのスライドを共有します。

最新スライド.001

一昨年の夏、コロナが騒がれる前の写真です。
この写真にいる人のうち何人かは来れなくなってしまって、この出前ラーメンも食べられなくなってしまいました。

でもそれは、人生に起こり得る自然なことです。
高齢者と関わっている僕らに大切なことは、その誰にでも起こることに対して、「これでよかった」と思ってもらえるような時間になるように自分の人生に納得してもらえるように、1日を積み重ねていくことだと思います。

そしてそれは、コロナがあっても無くても変わらないはずです。

僕たち一般社団法人えんがおも、人一倍葛藤します。
まちづくりに関わっている皆様。
高齢者福祉に関わっている皆様。
高齢者の孤立に関心を持っている皆様。

一緒に葛藤しましょう。

たぶん、いまは「葛藤すること」が、一つの正解なのだと思います。


文章なが!!笑

長文のお付き合い、ありがとうございました〜。

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https://twitter.com/engao2525

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