#24 ケリアン・コンウェイ上級顧問

共和党全国大会、RNCでも水曜日にスピーチしたケリアン・コンウェイ上級顧問が、辞任を表明しています。家族、とくにお嬢さんとの時間をもっと過ごしたい、というのが理由とのこと。

ケリアン氏といえば、「オルタナティブ・ファクト」発言で、世界を唖然させた人物。どう転んでも、必ず自分の主張を通し、トランプ大統領を擁護しまくる姿勢は、「見事」の一言です。ここ最近は、ニュースで取り上げられるような言動はありませんが。

ケリアンと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、SNLが、2017年2月に放送した、ケリアン氏とCNNキャスターのジェイク・タッパー氏とのスキット。『危険な情事』仕立てで、非常に話題になりました。今見ても、飽きません。当時、ケリアン氏は架空の「ボウリング・グリーン虐殺」を実際に起こったこと、として発言していました。ケリアン役のケイト・マッキノンは本当に芸達者。

訳をつけてみました。

ジェイク：みんな、お疲れさま～。
ディレクター：良かったよ。何より、ケリアンを呼ばなかったのは正解さ。
ジェイク：ありがとう。ホワイトハウスとしては彼女を発言させたがっていたけど、彼女は事実をねじ曲げるからね。
ディレクター：線引きをしてくれて助かったよ。

自宅にもどったジェイク。

ケリアン：何か飲む？
ジェイク：ここで何をしているんだ！
ケリアン：ニュースに出たいのよ、ジェイク。
ジェイク：だから家に侵入するってわけか。
ケリアン：仕方ないじゃない、電話にも出てくれないし。私を無視するなんて許さない！
ジェイク：分かってないな、君は大虐殺をでっち上げたんだぞ、番組には出せない。
ケリアン：ニュースに出たいの・・・。マイクが欲しいの・・・。あなたはニュースに出てたわ。あなた、ニュースの匂いがする・・・。
ジェイク：ケリアン、止めろっ！嘘をつき続ける限り、番組には出せない！
ケリアン：あらそう。じゃあ、こうするまでよ。

ナイフを取り出すケリアン。

ケリアン：すごくクレイジーなことしちゃうから。イヴァンカ・ブランドの靴のフリーコマーシャルをやるっていうのはどう？生放送で。そういうの、好きでしょ？
ジェイク：それは違法だ。
ケリアン：だから何っ！（ナイフを投げる）倫理規定に抵触するぐらいでしょ。クリックしてもらえるわよ。クリックベイトよ。私、自分のためにこういう事をやっているわけじゃないの。あなたのためなのよ。あなたは私が必要なの。私に、やらせないとダメ。私の中にある真実を引きだすのよ。ジェイク！

ジェイクを壁に押し付けるケリアン。

ジェイク：ここまでだ！もう終わった。君はビョーキだ。毒だ。君はもうおしまいだ。
ケリアン：そうかしら？テレビがダメなら、他があるわ。ハフィントン・ポストでライブ出演するわ。
ジェイク：無理だ。あれは誰も見ていない！

ケリアン、ハフィントン・ポスト・ライブに電話するが、電話機を床に叩きつけ、泣き崩れる。

ケリアン：カメラの前でポーズをとりたいのよ～。（再びジェイクの喉元にナイフを突きつける。）
ジェイク：わかった、わかった。後番組のファリード・ザカリアに出ればいい。
ケリアン：ファリード・ザカリアですって！？私のオフィスはホワイトハウスの中にあるのよ！あなたは私のことをケイリー・マケナニーだと思っているわけ～！？（注：トランプ政権の現報道官。当時ＣＮＮで政治コメンテーターとしてトランプ大統領を擁護し続けていた）
ジェイク：ちがう！！！
ケリアン：じゃあ、どうして私のことをケイリー・マケナニーみたいにあしらうの？
ジェイク：わかった、わかった、好きにしたらいい、彼女の番組に出ればいい。
ケリアン：ありがと、ジェイク。
ジェイク：君はバケモノだ。
ケリアン：ちがうわ。ケリアン・コンウェイなだけ。そしていつでも私はケリアン・コンウェイとして・・・

（ケリアンがもたれかかった窓ガラスが外れ、階下に真っ逆さま。窓から身を乗り出し、ケリアンに向かって叫ぶジェイク）

ジェイク：ケリアン！！！大変だ！！！！！

だが、復活し、立ち上がるケリアン。

ジェイク：大丈夫かい？
ケリアン：大丈夫よ。でも、残りの人生あと3回になっちゃったわ。ニュースでお会いしましょ。

RNCでのスピーチは、とても穏やかで拍子抜けしましたが、もう彼女のお騒がせ発言には、お目にかかれなくなるのでしょうね。

よい週末をお過ごしください！

いがらしじゅんこ：通訳者

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