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#46 アメリカ大統領選:もうすぐ第1回テレビ討論会

3回あるうちの1回目のテレビ討論会。NPRは以下の6点に注目しているとのこと。

注目点その1. 現職大統領は1回目のテレビ討論会で苦戦する傾向にある

Presidential Debates: Fifty Years of High-Risk TV の作者であるアラン・シュレーダー氏曰く、

What happens with an incumbent president is they spend four years in office being deferred to and agreed with (中略) they're not used to being spoken to forcefully and directly and being criticized.
(現職大統領は、4年間の執務中には基本的に尊敬され、イエスと言われてきたので、強い口調で面と向かって批判されることに慣れていない)


注目点その2. バイデン候補は、大統領職を遂行できるという印象を与えられるか

トランプ陣営は事あるごとにバイデン候補を”無能な年寄り”呼ばわりしている。
だが逆に、これによって人々のバイデン氏に対する期待値が下がっており、バイデン候補にとって、有利な状況になっているかもしれない。


注目点その3. トランプ大統領、バイデン候補ともに感情と口調をコントロールできるか

トランプ大統領はバイデン候補を個人攻撃すると予想され、バイデン候補はトランプ大統領が行ってきたことを批判するとされる。

だが、シュレーダー氏曰く、

sometimes a debate is more about tone than substance because it indicates control and likeability.
(テレビ討論会で重視されるのは発言の中身ではなく、語り口調。なぜなら、それが自己抑制力を示唆し、好感度に影響を及ぼすからだ)

とはいえ、トランプ大統領に関しては、

Trump is Trump. There's never a great deal of variation in how he presents himself,
(トランプはトランプ。自分の見せ方についてのバリエーションは、殆ど持っていない)


注目点その4. トランプ大統領はこの4年間の活動をどう擁護するか

新型コロナの大流行、人種差別問題の激化、ギンズバーグ判事の後任判事の任命プロセス、納税問題など、トランプ大統領には守りに入らなくてはいけない要素が沢山。

2016年の本選挙で、トランプ大統領は選挙人団制度では勝ったものの、一般投票数では300万票の差をつけられた。今回も、選挙人団制度では勝てるかもしれないが、一般投票数では前回よりも更に大きく負けるかもしれない。

というのも、特に新型コロナへの対応について多くが批判しており、前回彼に投票した浮動層と非都市部の有権者は、今年は票を投じないと予想されるため。


注目点その5. バイデン候補は個人攻撃にどう対応するか

トランプ大統領の作戦は、バイデン候補が選択肢としてありえない、と示すこと。極力、自分への信任投票のようにならないようにしたい。

トランプ大統領が持ち出すとされているのが、ウクライナ疑惑で名前の挙がったバイデン候補の長男、ハンター氏

ただ、バイデン候補の政策はトランプ大統領と比べて、中道派の有権者の希望と一致している。バイデン候補としては、個人攻撃に振り回されず、政策を語り続けたいところ。


注目点その6. モデレーターはどのように進行をコントロールするか

抜群のコントロール力を持つのが、今回の司会、FOX News Sundayのクリス・ウォレス氏。今年の7月に彼が行ったインタビューでは、トランプ大統領が誤った発言をしたその場ですかさず、間違いを指摘し、正確に答えるよう求め続けた。

ウォレス氏は、トランプ大統領・バイデン候補ともに公平に、厳しく接するだろう。バイデン候補はトランプ大統領と違い、政治の世界で半世紀を過ごしているので、ここ一日の長があるだろう。

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いがらしじゅんこ:会議通訳者

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