#87 キンメル家のハラスメント講習会
コロナ禍に入り、2020年の春から自宅から放送を行ってきたジミー・キンメル・ライブも、1月26日からスタジオ放送を再開しました。
再開にあたり、キンメル家で行われた「ハラスメント講座」が紹介されました。末っ子のビリーくんが、可愛すぎます。
ビリーくんといえば、『ジミー・キンメル・テスト』。
オバマケア廃止の議論がなされていた真っただ中に、ジミー・キンメルはビリーくんが生後3日で心臓手術を受け、無事に手術が終わったことを番組内で明かしました。
その上で、もしオバマケアがなくなれば、お金がないというだけで子供に必要な治療を受けさせてあげられなくなる家族が増える、と断固抗議しました。
そのビリーくんが、こんなにやんちゃな男の子に成長しています!
Terrible Two, Horrible Three, Wonderful Four (魔の2歳児、恐怖の3歳児、素晴らしい4歳児、というフレーズを思い出しました・・・(笑))
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では、キンメル家で行われた、ほのぼの?『ハラスメント講習会』。
まず、ジミーが実施理由を説明します。
毎年1月、この番組に携わる同僚たちと一緒に、私は全社ハラスメント講習に参加してきました。
ですが、今日まで、私の同僚はたった3名—妻と幼い2人の子どもたちだけでした。私は会社の方針を守る人間です。私をよく知る人は、みなそう言うでしょう。
今年も例年通り、ハラスメント講習会に参加した実績を作るため、家族会議を開きました。ご覧ください。
以下、ジミーが父。母はモリーさん。お姉ちゃんがジェーン。弟がビリーです。
【父】
Hello everyone, good afternoon. As you know, our house has become a workplace and so I'm required to go through some rules with you when it comes to harassment.
(みんな、今日は集まってくれてありがとう。
知っての通り、この家はパパの職場になったので、ハラスメントについての規則をこれからみんなで確認していくよ)
Do you know what harassment is?
(ハラスメントって、何だか分かるかな?)
【姉】No.(知らない)
【父】Billy, do you know?(ビリーは分かるかな?)
【弟】No.(知らない)
【父】Molly, do you know what harassment is?
(ママはハラスメントって何だか分かりますか?)
【母】Yeah.(知ってるわ)
【父】Okay.(オッケー)
Lesson 1: Appropriate Behavior(適切な行動)
【父】Jane, I'm going to start with you here while Billy licks his juice off the table.(じゃあ、お姉ちゃんからいこう。ビリーはテーブルにこぼしたジュースを舐めてるからね)
じゅるじゅるじゅる
【父】Billy? Billy's enjoying his table juice.
(ビリーはこぼれたジュースがおいしいんだって)
【父】Okay, now he's dripping juice onto the table and licking it off.
(おっと、今度はわざとテーブルにジュースを垂らして、舐めてるよ)
Is that appropriate behavior in the workplace, Jane?
(ジェーン、これって職場における適切な行動かな?)
【姉】No.
【父】No. Mommy?(違うね。ママはどう思う?)
【母】No.(違うわね)
【父】No. Billy?(その通り。ビリーは?)
【弟】Nah!(ダメー!)
【父】No. No, it’s not. You’re right. Okay.
(そうそう、ダメなんだよ。合ってる。オーケー)
Lesson 2: Age-based Harrassment(年齢によるハラスメント)
【父】Age-based harassment is when you harass somebody based on how old they are. (年齢によるハラスメントとは、その人の年齢に基づいて嫌がらせをすることです)
Do you know how old I am?(パパが何歳だか知っているかな?)
【姉】No.(知らない)
【父】Billy, do you know how old I am?(ビリー、パパは何歳?)
【弟】No.(知らない)
【父】What would you guess?(何歳だと思う?)
【姉】32.(32歳)
【父】That’s right, exactly right.(そうだよ、その通り)
And how old is mommy?(じゃあ、ママは何歳?)
【姉】Is it something in the twenties?(20代?)
【母】Yes. It's something in the twenties.(そうよ、20代のどこかよ)
【父】Mommy's 21 twice.(ママは21歳を2回やってるよ)
【母】Thanks.(ありがと)
【父】You're welcome.(どういたしまして)
Lesson 3: Religious Harassment(宗教によるハラスメント)
【父】Religious harassment is not permitted in the workplace. (宗教によるハラスメントを職場で行ってはいけません)
Do you know what our religion is?(うちはどの宗教を信じているか知ってる?)
【姉】I don't even know what that means.(言ってる意味が分かんない)
【父】Do you believe in God?(神様は信じる?)
【姉】Yes.(信じる)
【父】Billy, do you believe in God?(ビリーは神様を信じる?)
じゅるじゅるじゅる
【父】Yeah, God's the one who created disgusting habit of yours.(そう、キミのこの汚らしいクセを創造したのが神様だよ)
Lesson 4: Weight-based Harassment(体重によるハラスメント)
【父】Do you know what weight is?(体重って何だか分かる?)
【姉】Yes, it's something that is heavy or light.(重いとか軽いってことでしょ)
【父】Right, am I heavy or light?(そう。パパは重い?軽い?)
【姉】Heavy.(重い)
【父】See, now that's harassment, right, Bill?
(これこそハラスメントだ。そうだね、ビリー?)
手を挙げるビリー
【父】Yeah, am I heavy or light, Billy?
(そう。ビリー、パパは重いかな、軽いかな?)
(ジェーンお姉ちゃんがビリーに耳打ち)
【弟】Heavy.(重い)
【父】Did Jane tell you to say that?
(お姉ちゃんがそう言えって言ったの?)
【弟】Yes.(そう)
【父】I'm going to sue you if you do that again.
(次に同じことをやったら、訴えるからね)
Do you know what it is to sue somebody?
(訴えるってどういう事か分かる?)
【姉】No.(分からない)
【父】You're going to find out.(すぐに分かるよ)
【姉】How?(どうやって?)
【父】When my lawyers contact you.(パパの弁護士が連絡するから)
真面目にビビるジェーン姉ちゃん
Lesson 5: Name Calling(相手が嫌がる呼び方をする)
【父】Name calling. Molly, is it appropriate to call people names?(相手が嫌がる呼び方。モリー、人が嫌がる名前でその人を呼んでもいいかな?)
【姉】No.(ダメ)
【弟】No.(ダメ)
【父】Can you think of any bad names that you might call somebody?(人が嫌がる呼び方には、どんなのがあるかな?)
【母】Well, like, when you tell the kids that I toot. And then they call me tootie head.(あなたが子どもたちに私がオナラをしたって言うじゃない?そうしたら、この子たちは私のことをオナラ人間って呼んだわ)
That would be a name.(そういうのが、人が嫌がる呼び方よ)
【弟】No, you're cute, mama.(そんなことない、ママはカワイイもん)
【姉】I don’t call mom that.(私ママにそんなこと言わないもん)
【母】What do you call me?(じゃあ、私のことは何て呼ぶ?)
【姉】I call daddy toot. I just think daddy toots.(パパのこと、オナラって言うわ。だってオナラするもん)
【弟】Daddy toots.(パパ、オナラする)
【母】Definitely.(間違いないわ)
【父】Not true at all.(それは嘘だ)
【母】A lot more than me.(私より、たくさんするわ)
【父】That never happened.(あり得ない)
【母】Actually he’s tooting right now.(今だって、してるもん)
【姉】Toot.(オナラ)
Lesson 6: Physical Contact(身体に触れる)
【父】Let's talk about physical contact. Is it appropriate to touch your co-workers, Billy?(身体に触れることについて話をしよう。一緒に働いている人の身体に触れてもいいかな、ビリー?)
唐突に、父の鼻をつまみに来たビリー
【父】See, is it appropriate to do that?(見た?今のはやっていいのかな?)
【姉】No.(ダメ)
【母】Not without consent.(合意がなければ、ダメね)
【弟】No.(ダメ)
Lesson 7: Gray Areas(灰色の領域)
【父】Not all harassment is physical. Sometimes your mother gives me the eye, you know what I mean? Makes me feel like a piece of meat.
(ハラスメントは、必ずしも肉体に触れることだけではありません。時々、ママはパパのことをいやらしい目付きで見ます。”いやらしい目付き”の意味、わかるかな?自分が性の対象としてしか見られていない気持ちになっちゃうんだ)
娘に向かって首を横に振る母。
【父】All right, Jane.
I'm going to just need you to sign this right here, showing that you understand everything we discussed, and agreeing to the terms, okay?
(じゃあ、ジェーン。ここで話をした内容は全て理解して、ここに書かれている条件にも合意した、ということの印に、ここにサインしてくれるかな?)
Very good, that's good.(ありがと、助かるよ)
Billy, do you want to go ahead and sign this?(ビリー。君もサインする?)
紙にペンを3回突き立てるビリー
【父】Perfect. Molly?(完璧。ママも、お願い)
【母】This was very helpful.(とてもためになったわ)
【父】And I think we’re done. Oh, somebody's biting me. Okay.
Aw! (これで終了だ。あれ、誰かに噛まれたぞ。痛っ!)
Bill, there's no biting in the workplace.(ビル、職場で人を噛んじゃダメだ)
本当に痛そう・・・(笑)
最後の締めくくりには
『McGruff says, “Take a bite out of harassment.”(マクグラフも、ハラスメントをなくしましょう)』と言っています。
マクグラフという犬のキャラクターは、日本でいうところの『ピーポくん』みたいな存在のようです。
いがらしじゅんこ:会議通訳者