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#89 トランプ元大統領 弾劾裁判3日目

トランプ元大統領、2回目の弾劾裁判

史上初の、2回目の弾劾裁判にかけられているトランプ元大統領。

「既に大統領職に就いていない人物を弾劾裁判にかけるのは違憲ではないのか?」というトランプ弁護団の訴えは、連邦最高裁によりすでに合憲との判決が下されています。

ただ、弾劾裁判長を務めるのは民主党バーモント州選出のリーヒー上院議員です。トランプ氏は現職大統領ではない、という理由から最高裁判事ロバーツ長官が自分はこの法廷を主宰しない、と言ったためです。

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お粗末なトランプ弁護団

弾劾裁判における実質的な審理が、2月10日に始まりました。
トランプ側弁護団の出来栄えは非常にお粗末で、マール・ア・ラーゴにいるトランプ氏はTVに向かって激怒していた、と言われています。

元大統領の有罪評決に必要なのは、上院議員出席者の2/3の賛成票

その翌日、2月11日、検察官役をつとめる民主党下院議員から成る弾劾管理人 (House impeachment managers)たちは、トランプ元大統領(共和党)弾劾のために必要な上院議員出席者2/3の票を獲得するため、共和党議員たちに向けて”1月6日の悪夢”を再び呼び起こすことも厭わない、必死の説得を試みました。17人以上の共和党上院議員が、民主党に同調する必要があります。

スティーヴン・コルベアは彼の番組で以下のように弾劾裁判3日目をまとめています。7分42秒からです。

And the one thing all the house managers seem to have in common today, especially when they were closing, is they weren't grandstanding for their own ego.
(弾劾管理者たちに共通して見られたのは、特に最終弁論において、彼らは自分のエゴを満たすために目立つ振る舞いをしていたのではない、という事でした。)

They were clearly, deeply, sincerely, desperately trying to make any human connection as fellow citizens to the Republican senators in that gallery, and convince them to put country before party.
(彼らはハッキリと、心の底から、誠実さをもって、必死に議会場にいた同僚である共和党上院議員たちに向かって、人としてのつながりを構築しようと試みました。共和党ではなく、国のことを優先するよう、説得を試みました。)

So, doomed from the start.
(つまり、初っ端から先行きは真っ暗だったわけです。)

Because after watching the horrific images and damning timeline from yesterday's presentation, Senate Republicans are doing exactly what they did on January 6th—running away from what they helped create.
(なぜなら、昨日、弾劾管理者(民主党)が恐ろしい映像や、決定的とも言える、時系列での出来事の推移をプレゼンテーションしたにも関わらず、共和党上院議員たちは1月6日と全く同じ行動をとったからです—彼らは、自らが事態発生に一役買ったにも関わらず、そこから逃げ出そうとしました。)

民主党の弾劾管理者たちが証拠としての映像を投影している間、数名の共和党議員たちはデスクに脚を上げたり、別の要件の書類を見ていたり、中にはいたずら書きをしていた人もいたそうです。CNNによると、15名の議員がこの日は席をはずしていたとのこと。


暴徒たちの標的はペンス副大統領・ペロシ下院議長だった

全ての弾劾裁判を聞いている、全米公共ラジオ放送のNPR Politics Podcast の記者たちは、この日の弁論内容について「はらわたを掴まれるような」 (visceral) という表現をしています。スコット・デトロウ記者が4分03秒から5分09秒まで、このように語っています。

There were moments in the first impeachment trial, a little more than a year ago, where you know, sometimes your mind wandered. It was a lot of technical stuff, a lot of names people weren't familiar with, a lot of stuff about phone calls and foreign policy—not today.
(1年ほど前の、第1回目の弾劾裁判では、専門的な内容だったし、よく知らない人の名前も出てきて、国際電話や外交の話が出てきて、正直言って途中で集中力が途切れる時もあった—でも、今日はそんな事はなかった。)

Today was visceral. Today was emotional. Today was not a day where you lost your focus at all if you were watching this all day like we were.
今日は、はらわたを掴まれるような感じで、感情を揺さぶられた。1日中この裁判を見ていたとしても、注意力が低下するような場面は一瞬たりともなかった。)

暴徒たちの行動とトランプ元大統領の発言とのつながりを明らかにしようとする弾劾管理者の試みの中で、強く印象に残った点を、同じくスコット記者が3分26秒から語っています。

One moment of evidence on this that really stayed in my mind was, you know, as they were connecting things that the president was saying during the attack, before the attack, and how the people attacking the Capitol were responding to the president, video of a man yelling the president's latest tweet through a megaphone outside on the west front of the Capitol.
(「乱入事件が起こっている最中」と「乱入事件前」の元大統領の発言に対して、連邦議事堂を攻撃する人々がどう反応したかの関連性を、弾劾管理者が示そうとしていた。それらの証拠の中で、強烈に印象に残ったものがある。
元大統領による最新ツイートを、連邦議事堂西側の外でメガホンを使って叫んでいる男性の動画だ。

“Mike Pence didn’t have the courage to do what should’ve been done
to protect our country and our Constitution.”

『ペンス副大統領は、我々の国と憲法を守るために必要な行動をとる勇気を持ち合わせていなかった』

The insurgents amplified President Trump's tweet attacking the vice president with a bullhorn. They were paying attention and they also followed instructions.
(暴徒たちは、ペンス副大統領を攻撃するトランプ元大統領のツイートを、拡声器を使って叫んでいた。彼らは、元大統領の発言に注意を払い、かつ指示に従っていた。)

弾劾裁判の模様を生中継していたNPRでは、キャスターたちが何度も以下のような「おことわり」を入れる必要があったそうです。

“You are hearing language that we would not normally air, but this is evidence in an impeachment trial, and so you are going to hear this language--this language that is not suitable for children; visuals that were not suitable for children, heck not suitable for adults."
(今みなさんが聞いている音声は、通常であれば放送しません。ですが、これらは弾劾裁判における証拠品なので、こういった内容でも放送を行っています。
これらの音声はお子さんにはふさわしくありません。映像もお子さんにはふさわしくありません。そもそも、大人にすら、聞かせるべきものではありません。)

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いがらしじゅんこ:会議通訳者

#英語学習 #トランプ弾劾 #米議会乱入 #スティーヴン・コルベア #Colbert #Impeachment #NPRPoliticsPodcast #NPR

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