2020年 → 2021年。
年末年始に2020年を振り返ったので、近況報告も兼ねて書いてみます。
(最近ますます自己紹介がややこしいし…)
【仕事編①】 IT企業の人事責任者
2019年の始めから2020年6月までABEJAの人事の責任者をしていました。AI(と最近は言わなくなったな…)というテクノロジーの社会実装の先端で、「どうやって事業の成長と組織の成長を両立させるか?」を経営陣のすぐそばで経験しました。
私自身としては良い経験をさせてもらったものの、この期間で果たしてどこまで貢献できたのか、、、という問いは残ります。きっとずっと先までこの問いに答えは出ませんが。
【仕事編②】 30→100人の成長フェーズの組織戦略立案
ここからは、ABEJAを退職後(7月以降)で印象的なお仕事を少しだけ。
まずはシリーズA→Bくらいのフェーズのスタートアップにて、中期(3-4年)の組織戦略立案を色々とご一緒したこと。
「事業の成長」と「組織の成長」は、相互に有機的に絡み合いながら進む必要があります。その中で、
● 「中期の事業成長を実現するための組織施策」と「短期(というか目の前)の組織課題の解決」にどのように一貫性を持たせるのか?
● 時間軸を伴った組織の成長(変容)をどこまで織り込んでおくか?
● 事業の方針転換の可能性がある中、手を付ける組織施策の優先度は?
● メンバーの成長をどこまで待てるのか?そこに対する経営陣の意思は?
● 会社としての根本的な「人材観」は?
などなど、答えのない問いに経営陣と一緒に「スタンスを決める」ような議論に行き着きます。自分が実践したいことのど真ん中にあるテーマであり、やり甲斐のある内容でした。
【仕事編③】 人材紹介→組織課題のパートナーへの変容
7-8年のご縁の人材紹介会社(エイトシークエンスさん)にて、どうやって「組織課題のパートナー」へと変容できるか?というチャレンジをご一緒しています。
どんな規模・業種であれ、経営者/経営陣は組織に対する課題感があります。一方、適切な打ち手がなかったり、そもそも「課題」が定義できていないことも少なくありません。
経営者/経営陣の目指すことは何か? そのための課題は何か? 手を打つべきは何か? などを整理しつつ、その解決の一つの手段としての人材紹介「も」できる、という状態をいかに作れるのか、という挑戦だと思っています。
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【新しい組織①】 自然経営研究会の運営
ここからは「新しい組織作り」に関する色々な取り組み。
2020年で4期目が始まった一般社団法人 自然(じねん)経営研究会。団体の運営という観点では、代表理事が8名→17名に増えたことが大きな転換点でした。
(そしてwebサイトもリニューアルできた…!)
組織とは「複数の人が協力して目的を達成するための共同幻想」であり、その境界線は「当事者だと本人が思っている範囲」で決まる、と思っています。
代表理事という肩書は、その「当事者」の境界線を拡張する一つのアプローチになります。
ただし、「理事」(≒取締役)であることで報酬の柔軟性が乏しいのが悩ましく、これが最適な形とは限らないとも思っています。これは継続検討したいテーマ。
【新しい組織②】 自然経営塾 第0期の実施
自然経営を具体的に実践する人/組織を増やす、ということを目指して、自然経営塾という講座をスタートしました。
連続した講座(全4日程)を通じて、組織の捉え方を機械的→生命的に転換する、さらにはそれを自組織での実践のイメージを持ってもらいたい、というモリモリな想いを持っていましたが、企画メンバー&参加者が全員で作り上げていくような形で、とても良い形でスタートができました。大変だったけど。
2021年からは「会計編」や、個人によりシフトしたものなど、色んなバリエーションに発展していきます。
【新しい組織③】 自然経営のPodcast
かれこれ2年くらい「自然経営の本を書く」って言ってるけど進まない、、、という現実に直面し、「喋ってから、書いてみる」というアプローチに変えてみました。
「ゲストと対話する」という方式にしたことで、一人では出てこない切り口の話ができてとても良かったです。
・・・そしてこれも撮ったけど書けてないものが溜まっている、という悲しい実態。早くやろう。。。
【新しい組織④】 英語のPodcastへの出演
ご縁を頂き、英語のPodcastにゲスト出演をさせて頂きました。収録済み、公開は間もなく(のはず)。
過去のゲストが
・フレデリック・ラルー(「ティール組織」の著者)
・ゲイリー・ハメル(「経営の未来」などの著者)
・エイミー・エドモントソン(HBS教授、心理的安全性の提唱者)
・ピーター・カーニング(Source Principleの提唱者)
など、錚々たる顔ぶれ…。
「日本の新しい組織のムーブメントを語って欲しい」と依頼を受け、私の目から見たこの3年の変化を語らせてもらいました。
個人的にはホストのLisaに"JINEN"と言ってもらったことで、「自然経営を英語で発信したい」という3年越しの念願が1つ叶いました。
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【プロジェクト①】 Guri-Gura Cast & きんかんDAY
冒頭の「1周=12年」はここから来ています。
年始から「12年後に向けた活動」を始めたい、と思い、共感してくれたメンバーと一緒にあれこれ議論をはじめました。
「メディア作りたい」と「イベントやりたい」がどちらも出てきて、前者はGuri-Gura CastというPodcast(年間58本の公開…!)に、後者はきんかんDAYというイベントとして実を結びました。
この営みを通じて、「12年という時間軸で考える」ことが当たり前になったことは、2020年の最も大きな収穫の一つかもしれません。
【プロジェクト②】 PRT(Playful Research Talk)
Teal Journey Campusの派生で「どうやってティール組織のムーブメントを広げるか?」という対話から始まったもの。
ここで「ティールの最先端の探究活動を続ける」という意図を込めて生まれた学びのフォーマットが、「大人の自由研究」ともいえるようなとても面白い進化を遂げていきました。
改めて振り返ると、PRTという名前を付けたときに、
「アルファベット順だとP,Q,R,S,Tのうち、QとSが抜け落ちてるよね」
「そうか、Quality と Solutionを手放す、ということか…!」
と決められたことが全てだった気もする。
【プロジェクト③】 マルチジェネレーションに関するStudy Group
ATD Japanにて取り組まれているStudy Groupに加えていただき、マルチジェンレーションというテーマについて1年間研究しました。150名のアンケート→12名のインタビュー、を経ての考察を行い、Japan Summitで報告のプレゼンも。そのうち資料も公開されるはず(?)。
academicな領域ではないからこそ、アンケートやインタビューを「実施しながら、仮説をブラッシュアップする」というアプローチで研究できたのも面白い体験でした。
【プロジェクト④】 コーチングのCertificate
人生で初めてコーチングのCertificateを取得しました。一般的なコーチングとは少し異なり、自分のPurposeを「自分以外の存在が知っている」という前提に立ち、体系化されたプロセスを通じてそのPurposeを言葉に洗練させていく、という流れになっています。詳細はこちら(英語です)。
Purposeとは何か?また自分にとってはどういうものか?を考える良いきっかけにもなりました。
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【印象的だったこと】
その他に印象的だったことをいくつか上げると、
● 人生で初めてコーチングを受ける
● 発達段階のアセスメントを受け、フィードバックもしてもらう
● 「問い」を扱うスタートアップで色々とディープな議論をする
● 熊野のイノベーションハブのスタートに少しだけ関わる
● 大学の共同研究員となる(今春(?)に大学の研究紀要の文章が出る)
● 「ギフトに生きる」の構造化を始める
● 全力でマニアックな組織論を語る研究会のパイロットを立ち上げる
などなど。色々書きたいけど既にそこそこ長いので一旦割愛…。
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総じて振り返ってみると、2020年は「次の1周(=12年)のための準備の1年」だったのかなという気がします。
色々あった気もするし、大したこともしてない気もする…。
【では、2021年は?】
2020年を振り返った中で、自分自身の根源に近い熱量として、3つのキーワードが出てきました。
● 研究と実践(もしくは研究の実装)
● 選択肢を提示する
● 「何を」ではなく「どうやって」
特にいま大切なのは3つ目の「どうやって」に真摯に向き合うことだと思っています。
研究し深める→それを自分でも実践する→それを通じてさらに深める、というサイクルが好きなのは変わりません。
また、その根源的な意図は「選択肢を提示したい」、言い換えれば「一人一人が自分で選んでほしい」であることも変わらない。
この2つの熱量に対して素直に(ある意味でワガママに)なり、この熱量が発揮されることを自分のエゴや外の尺度に邪魔させない。そういう意味での「どうやって」振る舞うか?に純度高く向き合うことになるのだと思います。
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ちなみに研究したいテーマはこの3年くらい変わっておらず、
● 「日本的」な次の組織の姿
● 組織作りの「リテラシー」の向上
などに、少なくとも2021年は変わらず取り組むはずです。
「実践」は放っておいても自然に進みそうな気配があるので、どちらも「体系化」に熱量を込めていくのが今年は良さそう。
【おまけ:Podcastにも撮りました】
2020年振り返りと2021年の展望を年末に撮っています。
(具体的な話はバッサリと飛ばしてますが)
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