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#7 「熱量」を大切にする / JINENコトハジメ

・ Podcast「JINENコトハジメ」の文字起こしを中心としたpostです
・【文字起こし】の部分は無料でお読みいただけます
・【解説】【参考文献】の追記後は、その部分は有料公開にする予定です
・ コメントや質問用のFacebookページを用意しています
 (どなたでもお気軽にご参加ください)

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【Podcast #7】

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【文字起こし #7】

山田:
皆さんこんにちは。JINENコトハジメのポッドキャスト第7回を始めたいと思います。
このポッドキャストは「自然経営ってなに?」というのを、自然経営研究会の発起人の1人である山田の立場から語っていくというシリーズです。
前からそうですが今日の聞き役は良子さんをお呼びしております。よろしくお願いします。

良子:
よろしくお願いします。

遠藤良子(えんどう よしこ)

ライフ&キャリアコーチ/オンラインファシリテーター
カラー&ファッションアドバイザー/ワークショップデザイナー
irodori代表/中国在住

大手出版社他エンタテインメント業界に17年ほど勤務。
職場を愛し、目の前のことに日々のやりがいを見つけて過ごしていたものの、遠距離結婚の限界を感じてコーチをはじめとする副業キャリアの構築を2012年よりスタート。
2014年パートナーの転勤で中国へ転居。
会社の肩書きがなくなって改めて、自分自身が熱を持って生きることがキャリアの構築につながることを体験。
2019年自然経営研究会のマンスリーカンファレンスに参加。
組織で働くダイナミズムや新しい組織体への可能性を感じてやっぱり仲間と働くのが好き!と自然経営研究会の活動にジョイン。
2020年7月自然経営研究会代表理事に就任。

note: コーチのあたまん中ーYoshiko from irodori
https://note.com/irodori_closet

山田:
今日は何の話をしたいかというと、自然経営って僕なりの理解では大きく三つに分けて捉えています。

一つ目が「概念」を理解すること、二つ目が「姿勢」を体現すること、三つ目が「方法」を実際に実践すること。今日はこの二つ目、「姿勢」を体現するっていうことに関して話したいと思っています。
この姿勢の中にも三つ切り口があると思っていて、今日はその一つ目に関して話をしたいと思っています。

この姿勢の一つ目って何かっていうと、1人1人の「熱量を大切にする」っていうことが自然経営が実際に実践される上ではすごく大事だなと思っているので、ぜひその話をしたいと思います。

良子
いやあ、熱、大好きです。

山田:
はい、きっとこの話はよしこさんとしたいなと思ってお呼びしました(笑)
熱量を大切にするって何かっていったときに、あえてその組織の仕組みとかメカニズムみたいな視点から考えてみると、自然経営ってそもそも組織を「生き物」として扱いたいっていうことをずっと言っています。それって組織を動かすとかっていうよりは、組織そのものがおのずから、みずから動いていくことだし、自然経営塾というのを最近始めた中でも、組織を「変える」んじゃなくて組織が「変わる」んだと言っているように、組織そのものが自ら動くということをすごく大事に捉えています。

それは組織から見たときで、組織がおのずから動くって何かっていったときに、それを構成している一人一人が主体性とか自律性を最大限に発揮して動く、結果的にその積み重ね全部で組織全体が動いていくことで、組織が「おのずから動く」ことが達成されると思っています。その意味でも熱量を大事にするっていうことは、組織が自律的に「おのずから」動くために必要なとすごく思っています。

熱量って、外から無理やり増やしたりとかできないじゃないですか。なので、組織運営するに当たって、捉え方によっては一番希少な資源として1人1人の熱量をどれだけ大事にするかっていうことは、自然経営っていう組織の運営の仕方ではすごく大事だなと思っています。

良子:
本当そうですね。今の話を聞きながら思い返していたのは、私が会社員のときに、私は熱が好きなんですっていうぐらいなので、熱を感じやすいタイプなんですよね。何かやりたいとか素敵とかって当時よく言われてたのが、いや、気持ちはわかるんだけど何がしたいのかわからないんだよってことがよくあって。
そのときたまたま周囲にそれを助けてくれる人が現れてくれたら、それは何か形になるんだけど、熱を外に出すこと自体を空気が読めない奴だと思われるリスクがあったり、全体を乱すような存在だというレッテルを貼られたり、もしくはそう貼られてるっていう自覚で黙っちゃうっていうことが本当によく起きてて、麻痺してる人がとても多かったなっていう印象がありますね。

山田:
すごくわかります。それって実際に熱量を大切にするっていう組織において何かって考えていくと、いくつかの切り口があるなと思っていて、まさに今みたいなお話で、組織に属してて、組織のやらなきゃいけないことが強い中だと、それに熱量を阻害されるというか、それに合わせにいくと、「やりたい」とか「自分の熱」じゃなくって、「べき」「ねばならない」に合わせにいくっていうことが、ともすると「それが仕事だ」みたいな価値感もあったりするじゃないですか。

良子:
そうですよね。

山田:
それはそれで、悪いことでも間違ってるわけでもないですし、それだからこそ実現する世界とか組織として達成できることもすごくあるので、それは価値観としてあることはわかります。
一方で、自律的にとか組織全部が生き物みたいに動いて欲しいって言ってるときに、1人1人の熱量をなるべく邪魔しないっていう状態をどう作るかっていうことはすごく大事だと思うので、個人の姿勢だけじゃなくって組織運営全体でも、熱量って大事だよっていう前提を持ってみんなで組織を作るっていうのはすごく大事だなと思っています。

良子:
そうですね。
あとよくあるのが、会議に出たときに誰も話さないとか、これは何のための会議ですかね?みたいな会議って本当によくあるじゃないですか。
「目的か熱か」っていうと、また色々と話すポイントが増えるとは思うんですけど、その会議の場に「この会議をここに持ってきたいんだよ、だってこうだもん」みたいな熱のある人が入るだけで、そういう人に対して、回りがどう熱を会議を有効に前に進めるために使うのかっていう、会議をやるにしても何段階かの知っといて欲しいワンツースリーみたいのがありそうだなって気がいつもしてました。

山田:
ありそうですね。そのスタート地点って、やっぱりそこの会議の場で自分がこうやりたいとか、自分の熱量をちゃんと知ってる人がいることもまず大事ですよね。
仕事の役割だからとかっていうのも、もちろんプロフェッショナルリティとして責任を果たすっていうことの大事さは当然あった上で、その中でも自分はこれがやりたいとか、こっちに進んで欲しいとか、組織がこうなったらいいとか、自分の熱量を素直に察知するみたいなことも、そうじゃない世界に生きてると、ある種鍛えられてないというか感度が低くなってたりするので、素直にそこを感じるっていうことから始めること自体が最初難しかったりしますよね。

良子:
そうですね。あの空気なんとかならないんですかね、本当に(笑)
それはその組織の土壌とか文化とか受け継がれてきた、良くも悪くもって言い方を敢えてしますけど、習慣がそうさせている感じが歯がゆいですね。
私は熱があるので、何度か会議を壊して、自分も痛い目にあったり、その場を大事にした人の気持ちもないがしろにして二重でつらかったってことも思い出してて。
別に壊したくて壊したかったわけじゃないし、この会議の形式を大切にして人からしたら、そこにお互いの片思いがこうあったなってことがあって。こっちはこう革新したい、前に進みたい、守ってる人はみんなの意見を大事にしたいとか。
言ってくれればいいのにみたいなことが、割と隠れて起きて陰口になっちゃったり、目に見えない諍いが静かに起きちゃったり、っていうのは本当に組織あるあるっていうか、プロジェクトあるあるとかだなっていう気がします。

山田:
そうですね。そのときにもちろん熱量をそれぞれが持っていて、それが違う方向を向いてるっていう場面に直面することはもちろん中にもあると思うので、その時はある健全に、と言っていいかわかんないんだけど、摩擦が起きて、そこで意見を闘わせるとかはときとしてあってもいいと思うんです。
それが熱量から発露されてるやりとりじゃなくって、「べきであるとか」「正しさ」みたいなことのぶつかり合いとかって疲れますよねっていうのもあるし、結果良いものは生まれないんですよね。

良子:
もう本当に、屍しか起こらない(笑)
誰も悪くないっていう言葉って、諸刃だなと思っていて、確かにそうなんだけど、半分正しくて半分正しくないというか。そこに責任とか熱がないと、誰も悪くないしって、熱もないからそうそりゃそうだよねみたいに。何かやり合った後で、結果としてでも、そのプロセスがあったかなかったかで、その言葉の良し悪しが左右される感じもありますかね。

山田:
ありますね。
そこのプロセスの中で、熱量をすごい希少な資源だって捉えたときって、その周りの人の熱量を育んであげるとか、邪魔しないとかっていう観点もすごく大事だなと思っていて。
たとえ自分に熱量がなかったとしても、その人の熱量がいいなと思ったら、一声掛けてあげるとかだけでも本人にとってはすごい嬉しかったりとか、熱量をちょっと燃やしやすくなるとかっていう環境を作るとかってすごく大事だと思うので、そういう観点で周りに関わるとかっていうのも、本当すごく大事なんだろうなっていうのは、自然経営研究会とかの活動をしててすごく思いますね。

良子:
希少な熱っていうとどうしても「熱がなければいけないのか?」みたいなっていう視点も出てきそうな気がするんだけど、今の山田さんの話から、何が熱かってあんまり言葉遊びにはしたくないんだけれど、例えば見守ることとか応援することに熱があるって人もいる。
その態度としては、熱があるこのコメントに対して、その熱意はすごく場を照らしてると思うよってフィードバックに熱があるとか。その人が光る場所というか、生かされることを本人が自覚してるってことも結構大事なんだよなあなんて思いますとかね。

山田:
そうですよね。よく、Slackのやりとりとかでも、一番熱量上がらないとか、阻害されるのって、反応がないことじゃないですか。

良子:
そうだね。確かにそうですね。

山田:
一言でもいいし、スタンプ1個でもいいし、何かリアクトされてるって思うことが、やる側からすると大したことないことであったとしても、やってる側にとっては、見てもらってるとか、アクセプトしてもらってるというのかな、なんか背中を押してもらってる感、みたいなことがあるだけでも、その熱量が育ちやすくなっていったりとか、消えにくくなっていったりする。
そういうことをやるっていうこと自体でも、自分に熱量があるかないかとかだけじゃなくって、そうやって周りの人が、よりこう動きやすくなるみたいなこととかをしてあげることも大事なところだなって思いますね。

良子:
フィードバックをやっぱり欲して当然というか。こないだ賢州さんがお話されてる場をたまたま拝見したときに、人はやっぱフィードバックが欲しいものなんです、って。そんな言い方してないんですけどね。
フィードバックっていうのがすごく私の中でも残ってて、それは承認欲求とか、面倒くさい方だってそうフィードバックで欲しいそれだけでいいじゃないかっていうのはすごく染みました。

山田:
本当に承認欲求っていうと、何か言葉にしちゃうと欲しがってるというか、ネガティブなものっぽい言葉遣いに若干なってしまってるんですけど(笑)
やっぱり一緒にやるじゃなくても、「それいいね」って一言あるだけでも熱量が育まれたりとか、それによって自分もやっぱりそれは本当にやりたいんだって確認をしたりとかするとか。
自然経営とか自律的に動くって、別に1人1人が勝手に頑張るとか、自分の熱量だけで突っ走るとかっていうことじゃなくて、その相互のやりとりで互いに熱量を育みあったりとか、伸ばし合ったりするっていう活動があってこそすごく進みやすくなると思うので、そういう観点があった上で、組織として体現されていくといいなって考えてますね。

良子:
私も熱についてはすごく思いがあるんですけれど、今の話ながらああそう、熱は希少だし、この場に起きた熱をみんなで育むって視点に立ったときに、一気にこう場が照らされるというか、大事に育ててこの熱をっていう気持ちになると、おのずと役割が勝手に任命されるというか、そういう優しさがあるなっていう表現だと今すごくいい気持ちになってます。素敵だなあと思って。

山田:
ありがとうございます。今日の回じゃないですけど、熱量を持っておのおの動きまくると、ときとしてぶつかったりもしますよねっていうときに、どうやってそれに対処していくのがいいんだろうみたいなことも大事なことだと思って、自然経営をどんな方法で体現するのかなっていうところとかもまた違う回とかで触れたいなと思っています。

良子:
はい、ありがとうございます。

山田:
ということで、今日は自然経営を体現する姿勢の中で、「熱量」を大切にしましょうということについてお話をさせていただきました。
良子さん今日はありがとうございました。

良子:
ありがとうございました。

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