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唯識の思想 (講談社学術文庫)

先日のレンマ学に続いて、どう表現するか迷う。それでも、「唯識思想」というものに触れる入り口をもらったとてもありがたい一冊。

私達は、世界を「科学」というパラダイムを通じて解釈することに慣れきっている。「人間」という生き物は60兆個の細胞から構成され、細胞は「原子」から出来ていて、その中には原子核と電子がある。

「物理的に要素還元することによって世界は理解できる」
という前提のもとに世界を認識している。

唯識思想は、その「世界の認識の仕方」が違う。八識と呼ばれる「識」によって成り立ち、感覚器官と、egoと、深層心理、にそれぞれ「なんとなく近い」ものによって構成される。ただし、そこにある世界観では、「見るもの」と「見られるもの」の区別が存在しない。それは同時に阿頼耶識から立ち現れるもの、とされる。

西洋と東洋の比較をしたときに、
西洋は世界は静的であり、名詞によって認識され、
東洋は世界は動的であり、動詞によって認識される、
という違いがある。

「世界をどのように認識するか」を問い直すことは、また一つ自分の世界の捉え方を相対化することに近づいていく。

#唯識思想 #西洋と東洋 #宗教

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