営業の不向き

 今日久しぶりに自分がしんどいと思った。
久しぶりに検索欄が「INFP」でいっぱいになった。
自分探しの旅にまた出始めてしまった。別に自分の性格のせいにしたくは無いが、自分の性格のせいだと思い込み、社会を否定する以外に自我を保つことができないのだ。

 そもそもこうなったのは、ここ最近仕事がうまく行かないからだ。まあもともと営業なんて自分に向いてないと思っていたが、一年目は特に大きな仕事や難しい仕事をしていなかったので、そのことを忘れかけていた。しかし、2年目に入り、仕事も引き継ぎ、本格的に「社会人」となったあたりで、メッキが剥がれ始めた。「向いてない」というよりも「しんどい」と思うようになった。お客さんに怒られることよりも、そのことによってお客さんや会社の人に「役に立たない」と思われるのが、自分を否定されるのがとても怖いのだ。そして、それを考えてしまうのがしんどいのだ。

 ことの発端は電話だ。仕事ではよく電話がかかってくる。しかし、私はこの電話が苦手だ。緊急の事ならまだしも、電話でやり取りしてくる輩にうんざりする。
 電話というのはその場で対応しなければならない。つまりアドリブだ。おまけに相手の顔も見れないし全て言葉で説明しなければならない。これがすごい苦手だ。ただでさえ口で説明することが苦手なのに、相手の顔を想像しながら話すとパニくって突拍子も無いことを言ってしまう。陰キャは予め喋る内容考えないと喋れないんだよ!!って思っても、容赦なく掛かってくる。そして、その場で説明したことが、後々間違っていたことにも良く気づく。そしてまた電話して謝る。その繰り返しがとてもしんどいのだ。
 もう全てメールでやり取りして欲しい。メールなら文章を見て、ゆっくり確実に質問に答えたり、説明できたりする。わからないことがあれば、上司に質問することができる。資料を添付してよりわかりやすく説明できたりする。圧倒的にメールの方がわかりやすいし、確実なのに何故昭和の人間はこうも電話というものが好きなのだろうか。社内携帯を川へぶん投げてやろうかと思った。

 また、こないだ営業先で「もし競合他社が僅かな金額で安かったら、どうしますか」と聞かれた時、すぐに答える事が出来なかった。その日持って行った金額が会社としては精一杯だったし、それ以上下げる事はできなくも無いが難しかった。それを考えるとすぐに答える事が出来なかった。できる営業マンはそこで「それでも頑張りますので」とか言うのだろう。結局その時は私は相手に言わされてるような形でそれを言った。
 多分、私はいい意味でも悪い意味でも正直過ぎるのだろう。やりたく無い事、できない事に対して正直にやりたくないとか、できないとか思ってしまうのだろう。これは営業にとっては致命的な気がした。結局、営業に向いてる人は根っから営業気質な人か、嘘や演技が得意な人なんだろう。

 最近思う。自分は営業なのに、事務処理している時が1番気楽で楽しいのだ。誰とも関わらなくていいし、自分のペースで仕事ができる。特に、プレゼン資料などを使っている時が1番楽しい。改めてそういう類の仕事の方がいいんだろうなと思ってしまった。そして、それが正しいと思うためにまた「INFP」と検索し、自分は営業が向いてない性格なんだと自覚して、じゃあ仕方がないと自分に言い聞かせるのだ。

 私の大変敬愛するバンドであるandymori の『クレイジークレーマー』という曲にこんな歌詞がある。

病名でもついたら病名でもついたら いじめられないし もう少しは楽なのかな

andymori/クレイジークレーマー


 なんだかいま思っていることはまさにこんな気がする。本当にそのような人には申し訳ないが、一時期自分がADHDやHSPなど、そういった類の人間であってくれと思った。しかし、ネットで診断を受けてみれば、特に何も無い健常者だった。だから余計にしんどかった。ただ単に自分はダメなやつじゃ無いかと思った。まあ、唯一自分を正当化できそうなのは、自分の性格であるINFPであっただけで、しかしそれを理解してくれる人は周りに居ない。


 多分今書いたことは、しばらく寝たら忘れてしまうのだろうが、心のどこかでまとわりつき、そしてまた顔を出すのだろう。

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