先の記事で、宮城の色麻町議会で採択に至った風力発電事業計画の白紙撤回を迫る「荒唐無稽」な請願内容と、それには触れずに結果のみを報じるメディアの問題について書いた。より分かるように、請願に異議を唱えた議員の一人の昨年末の議会での発言も、ここに記しておく:
13-18ページより抜粋:
最初の方の「風力が駄目だよと言っている先生の話もですね、昔の話を出して今の話はしていないと、そういう現状が私の中では分かりました」とか、最後の方の「町民の方もですね、結構勘違いしてる方もいる、勘違いというか、間違いというか、あるかもしれないんですが、風力が全部悪いんだというふうに思ってる方もいるよう」というのは、過去10数年程の間に国内外で起きた「風車病」騒動の影響を端的に示している。実際、昨年に隣の加美町でおこなわれた複数の集会では他所から来た同じ面子が、ただ同じ話、国内外のデマを繰り返していた中、この議員は自らその場に出向き、質疑応答の際に「風力が駄目だよと言っている先生」本人に対し、主催者によるYouTubeの動画で確認出来るが、戸惑いながらも問い質していた。そして、そこで引き下がらなかった。
この議員や先の記事で引用した他の議員の発言が仮にTVや新聞などで大きく取り上げられていたら、再エネに対する地域住民の受け止め方も変わったかもしれない。反対運動の主張のおかしさに有権者も気づかないはずがない。その意味で、この問題を追及しないメディアが長年の足かせであり、社会は前にも先にも進めない。地方でも国でも政治に新しい風が吹かないのは、反科学やNIMBY、無関心が阻んでいるから。日本人の「知る権利」は、どこに?
参考:
令和4年色麻町議会定例会12月会議会議録(第1号)
https://www.town.shikama.miyagi.jp/material/files/group/15/12kaigi.pdf
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