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「生誕100年 清水九兵衞/六兵衞」展@千葉市美術館


陶芸家であり、彫刻家でもある清水きよみず九兵衞/六兵衞展を、千葉市美術館で見てきた。元々清水姓でもなく、創作活動の途中で名前を次々と変えていっている。姓名を超越しているというか、名前を変えては自分の在り方とか芸術活動への向き合い方を自由に変えていっている作品群を展望して、面白かった。
最初に陶芸作品が沢山並んでいて、作風とか風合いとか一つずつ全然違って、どれも存在感はあるのだが、本人はそんなに納得していなかったと。彫刻家になると決意した時に、当時あった完成品の多くを割ってしまい、彫刻作品を多く手掛けるようになった。
屋内作品が数々あった後、屋外作品の紹介があり、そこで、あ、この人の作品知ってる...とようやく気付く。東京・大手町の逓信総合博物館前に展示されていた「陽甲」(今は同じ場所に杉本博司「SUNDIAL」という針みたいな作品が展示されていて、清水作品はビルの反対側に移転してるらしい)とか、我が家では「カミソリ彫刻」と呼ばれていた、不思議なカーブのある面を立ててある作品の数々が、清水九兵衛の作品だったと、今日知った。

美術館での展示、ということもあり、もっと小ぶりな作品が多かったが、カミソリ彫刻、写真での紹介でもよかったのでもっと見たかったな。


アルミとクリスタルを組み合わせてある作品。
美術館ニュースの表紙になっている「FIGURE 16」。結構大きい。

陶芸作品は写真不可だったので、写真はないが、独自の存在感でキレッキレッな印象。作品に大きな裂け目が入っていて、初期の作品はルチオ・フォンタナの「空間概念」の影響を受けていたらしい、と書いてあって、膝を打つ。

作品の数々を見ていて、たぶん、湧き出る創作欲に身体が付いて行かず、もどかしい思いでどんどん作品を作っていたんじゃないかな、と思った。なんて幸せなことだろう、と羨ましい思いにさせられる、そんな展覧会だった。

美術館のある建物の1階のさや堂ホールでも、「インクルーシブ・サイト 陶表現の現在」という展覧会をやっていて(展示作家は藤原彩人、北林加奈子、桑名紗衣子、土屋裕介)、清水作品も3点展示されていた。必見。

5階常設展は、田中一村の新収蔵品を中心とした展示で、これも興味深かった。

1階ミュージアムショップも、展覧会に合わせた商品を沢山置いていて、必見。

千葉市美術館はいつも空調の温度設定が低めなので、薄着の人は上着必須。

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