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ウルトラマラソン完走記:サロマ湖ウルトラマラソン(2017年6月)(2)

サロマ湖100㎞ウルトラマラソン完走記(2)スタート~55㎞
6月25日(日)。2時起床。雨は音をたてて降っている。参ったね。ジップアップの半袖シャツ、アームカバー、ランスカ、タイツ。アンダーウェアはなし。ブラジャーの下にワセリンがわりのメンソレータム塗る。野辺山をGEL DS TRAINERで走って肉刺がひどかったので、今回はGT-2000 New Yorkで(ドロップバッグにはGEL DS TRAINER入れた)手荷物にウィンブレ一つ入れ、スタート時点で寒ければ着ることに(結局着なかった)、上述の服装の上に100円ショップのレインコート。あんまり意味はなさそうだが、首と腕には日焼け止め。
雨降る中3時出発。きちきち1台で乗ったので、中腰になり、なんか腰が痛いよ。そして昨日から肩こりもひどい。こんなんで100キロ走れるんかい。暗闇の中、昨日も通ったコースのおさらい。
湧別総合体育館に着いて、サロマンブルーのメンバーは別の控室に行き、平民は体育館でぎゅうぎゅうと待機。ここで再度MちんとYしーに会えた。よかった。傘をさして外の仮設トイレへ。結構並んだ。前の人は傘さしてなくて、既にしとどに濡れていた(この人とはコース上で2回すれ違った)。無事出産できたので、コース上では心配なし(野辺山は稲子湯まで我慢することになってきつかった)。体育館に戻り、みんなで記念写真撮り、使わないものをゴール用ドロップバッグに入れ、スペシャルを用意し(30キロはアミノなんとかのジェル、63.5㎞は経口補水液のペットボトルにパワージェルをマステで貼り付けたもの、80キロはカロリーメイトのジェル)荷物を預けに行こうと思ったら、体育館の屋根を打つ豪雨。これまで参加したレースで雨が一番ひどかったのが2010年の山中湖ロードレース、これに匹敵。2015年の金沢マラソンもスタート前の雨はひどかったが、こんなに終日続く感じではなかったよ。近くに知り合いいなかったので淡々とスタートを待つ。
スタートは割と前の方に割り込み(登録の部ゾーンなので、別に問題はなし)結果的にスタートロス35秒。
雨降る中、湧別町スポーツセンターを出て、体育館を囲むように四角形に走る(大田原のスタートと似ている)。途中で、朝車を停めた床屋さんの前でステップワゴンのハッチを屋根に、バニーさんの応援。四辺走って、スタート直後に見た5㎞ポストを通過。ほぼキロ6分ペース。勿論現時点では苦しくないペースだが、100㎞このスピードで走り続けるのは無理だよね(サブ10出来てしまうがな)、今日もまた前半突っ込み、後半減速の黄金パターンか。雨は降り続ける。足元見て、水たまりに突っ込まないよう突っ込まないよう気を付けて走っても、既に靴底からずぶずぶに水が浸入している。水たまりを避けるように左右に振れながら走るのは、体力を消耗させることもあきらか。そして寒い。ビニールレインコートを着ていても全然蒸し暑くないのだ。モンベルのゴアテックスのキャップをかぶってみたが、頭も蒸れない。
最初の5キロは1キロずつポストがあったが、その後は5キロ毎のポストになるので、5~10キロの直線は、単調な道を、水たまりを見ながらもくもく走る。昨日この道は車で通っているので、10キロポストを通り過ぎたら、左にそれて、三里番屋という、突堤への折り返しに入るとわかっている。そこまで行けばサロマ湖が見えてくるのだが、そこまでは、牧場と畑、道端には蕗が生えていて、この下にコロポックルの一人や二人、三人や四人いてもおかしくないね、と思いながら走る。応援してくれよ! ふと気づくと、レインコートの左袖の肘のところに水がたまっている。後ろに手を回したら袖の付け根がもう破れている。100円ショップクオリティ、低すぎだろ。前のスナップも留まらなくなったやつの方が多く、裾のところで両側のあわせを結んで少しでも浸水を防ぐことに(効果は0ではない、たぶん)。
三里番屋折り返しは10.5キロあたりで入り、28キロ位で出る長い折り返し。折り返し入ってすぐの給水で最初のポカリスエット。そこまでの間にも仮設トイレ結構あったが、どこも大行列。寒いからトイレに行きたい人が多い模様。わたしもなんとなくトイレ行きたいよ。今日は寒いから、発汗少な目でトイレの回数はそりゃ増えるよね。12キロ過ぎで、道の右側の駐車場の中に公衆トイレ発見。公衆トイレなら男女別になっているからすいているかも、と道をそれて、行ってみると正解! 女子は待ち時間なしで入れた! おかげで、トイレ行った時間入れても、まだキロ6キロを切るスピードで走り続けられた。前方を走っている人の、レインコートの下のシャツはちばっくまでは?、と思ったら、予想通りYしーでした。Yしーと15キロ前で会うのって早くない?、と思ったら、既に3回トイレに行ったとのこと!! その後ちょっとYしー先行したが、14キロ位のトイレでまたトイレに行ってしまった...。13キロ位で、対向車を大会車両が通って(パトカーだったかも)、これより折り返し選手が来ますので、応援よろしくお願いします、と呼ばわっていたが(呼ばわられても、沿道にはそんなに人は出ていない...雨だし。往路の選手への呼びかけ?)実際に選手とすれ違ったのは15キロ位だったか。最初の数人はレインコートなども着ず、ランシャツランパンの正装。覚悟が違う! Mちんが9時間切り狙っている筈なので、女子としてはごく早い時期に来るはず、と対向車線をガン見していたら、おお、これってもしや女子の2人目では? すごくない? 実際に加納選手を追うようにかなり突っ込んでいたそうだ。それにしても往路長い。いつになっても先に道があるよ(あんまり厳密にマップ研究してこなかったので、折り返しが何キロかわからず走っていた)。途中で、陸の幅がぐっと狭くなり、たぶんこの道路の左側の高くなっているところのすぐ向こうはオホーツク海だよね、という風情を醸し出してきたが、結局ここではオホーツク海は見られず。そして、一番先端にはICチップリーダーあり、やはり性善説ではいかない? 折り返して少し来たところで20キロのポスト。1時間56分。おお、20キロを2時間で来たということは、残り80キロに11時間かけられるってこと? たぶん、たぶん、不測の事態さえなかったら「ここまで来たら勝ったも同然」ステージに入っているような気がする! いや、雨はちょっと小降りになったと思ったらまた激しくなり、いつになっても身体は温まらないんだけどさ。でも、コート着ていてむしむししないので、靴の不快感を別にすれば、決して走るのが辛いという感じではない? 靴下は完全に水浸しだが、幸い肉刺が出来そうな予感はなく、気になるのは、腰に違和感があるのと、肩こりがひどいこと程度。21キロ位で、Yしーが追い付いてきた(やはり速い!)が、一瞬で、「またトイレ行ってくる~」と離脱。何回目だ?? そして、結局その後Yしーに会うことはなかった...。
復路も長い。往路に世話になったトイレを横目に眺め、しばらく行くと往路の10キロ関門が終わったようで、サロマンブルーの女性がゆっくり走る後ろを「最後尾」の車が走ってきた。そして、10キロの飲み物エイドの人たちが撤収に入り始めていた。たぶん寒いので、予想より飲み物の需要は少なかった模様。サロマ湖は、飲み物エイドが5キロ毎、そしてその中間の2.5キロ毎に水だけのエイドがあるのだが、この水だけエイドは、飲用にもなるかぶり水。バケツとひしゃくが置いてある。かぶり水...それは今日は全くいらないものだよ。ふだんからかぶり水なんてしないけど、すでに100キロ分のかぶり水をしたくらいのびしょ濡れ具合である。配置されたボランティアさんも、やることなくて、ひしゃくを2つもって合わせて鳴らして応援していた、後半なんて、人の配置すらなくなっていた(笑)。まぁジェルを摂取してべたべたになった手を洗ったり、という効能はあったけど。20キロエイドでバナナ食べる。止まってる人なんて誰もいない。わたしも皮剥いて口に入れて、すぐスタート。それから、前日スーツケースの中で破裂して、やや量の減っているパワージェルも飲んだ。25キロのエイドでは梅干し。ようやく折り返しの終わりが見えてきた。一旦湖を離れ、湧別方面に戻る道、ここは前日に通ったのでなんとなくイメージあり。まっすぐ走っている途中で30㎞ポスト。まだ10キロ1時間かかってない。大丈夫? 残り70キロを10時間。1時間に7キロ=キロ8分を超えてもゴールはできる計算(但しわたしは後半エイドで休みまくるので、それも考慮に入れる必要あり)。勝ったも同然、勝ったも同然、と唱えつつ、すぐにエイド。最初のスペシャルドリンク。大田原みたいにモールとかつけて目立たせている人は少ないが、番号順にデスクを見ていると、わたしの番号のところにいる男の子が、わたしが近寄るより先にゼッケンを見て(レインコートで隠れていて番号読みにくいだろうに)、前に来たらすぐ手渡してくれた、大感動。アミノバイタルかなんかのジェルを置いていたのを一気に飲む。一般エイドには黒砂糖が出ていたが、皿の上で雨水に打たれ、黒いえたいの知れない物質になっていた...。エイド過ぎて、割とすぐに畑の中の狭い道に左折。淡々と走る。蕗を見てはコロポックルは? コロポックルは? と思う。この辺で、野辺山なら稲子湯過ぎたあたりだね、と全く違う光景を見ながら思う。
33キロでオホーツク国道に出て(左折)歩道・路肩走行になる。車もそこそこ通るので、水たまりをよけたり、車に気をつけたり大変。道路の脇に金属の謎のフェンスがあり、用途がわからない。浸水防止にはならないし、同じプレートが何重にも置かれていて、どう展開するのかもわからない(翌日人と話していて、どうも縦に伸びて風よけになるものらしい)。徐々にサロマ湖の近くに戻ってきているが、なかなか湖水見えず。芭露(ばろう、と読むらしい)の集落の中を通る。40キロポストまで来たら、とうとうこの10キロは1時間を超えていた。それでもまだ残り60キロを9時間、つまり20キロを3時間で走っていい計算。なんとなく右足の甲が靴に当たって痛いのだが、足でもむくんでいるのかな? 左脚はふくらはぎが張っている感じ。バニーさんが42.195㎞ポイント辺りで応援する、と言っていたのだが、なるほど、40キロポストの脇の駐車場に乗ってきたステップワゴンが停まっていた。この駐車場から42.195㎞ポイントの少し先までの4キロ位(月見浜)は、内側にもう1本国道があって並行しているので、ここでいったん車両通行止めになって、車道を走り、42.195㎞ポイントへ。フルマラソンの距離を4時間13分38秒。ウルトラとは思えないスピードである(当社比)。海沿いで少しだけアップダウンあったとはいえ、フラットだし、水浸しだけどロードだし。八峰の湯だよ、と思いながら(下り坂ではないけど)走っていくと、バニーさんがカウベル振って応援してくれていた。他にも応援の人多数。40キロのエイドでは4つに切ったあんパンとスイカを食べる。少し進んでポケットのパワージェル摂取。少し進み、国道に戻り、また歩道走行。45キロエイドでバナナと梅干(だったと思うが記憶不確か)。この辺から上り坂になってくる。50キロあたりからはそこそこ傾斜もあり、歩いている人も出てきたが、いい意味で野辺山が予行練習になった? 特に辛くもなく、走り続ける。50キロポストのちょっと手前で湧別町と分かれ、佐呂間町に入る。ちょっと高台。そして、50キロ過ぎたら、距離表示が1キロ毎に出てくるようになった。えーと、ドロップバッグのエイドは51.4だっけ、54.1だっけ、と思ったら54キロ過ぎでした。普通のエイドでスポドリ飲む(パワージェルの後だったのでここは補給はお休み)入り江の向こう側に赤いレンガの建物が見え、前日にそこがドロップバッグのエイド、と聞いていたので、あとどの位でたどり着けるかイメージしやすい。そして、ここに、高校時代の同級生K太郎が来ている筈。もう少し上り坂。エイドの始まりの部分に応援の男性が立っていて、K太郎かと思って満面の笑みで近づいてしまったら無反応でした。しまった。期待しすぎ。もう少し進むとまずトイレ、仮設だけど個数が多く、1分も並ばず順番が来た。2回目のトイレ(結果的に、終盤で葛藤があったのはゴールまで持ち越し、トイレは2回しか行かずに済んだ)。それからドロップバッグの受け取り。ゼッケン番号順で、番号の若いサロマンブルーのドロップバッグ(わたしたちのドロップバッグは赤かったが、サロマンブルーのドロップバッグは白地に赤いプリントで目立つ)はテントからはみ出ていて、かえって不遇? わたしがエイドに来たときは幸い雨は降ってなかった。ここまでずっと、エイドで靴下と靴を履き替えようか迷っていたのだが、肉刺のできる気配もなく、下手に履き替える方が足が驚いてよくないかも、と見送り(結果的に後半更に靴が水没する大雨と大水たまりに波状攻撃されたので、交換する意味はなかった、替えなくて結果オーライ)、エイドで配布していたアミノバイタルのジェルを飲み、2種類のおにぎりを食べる。あれっK太郎いないではないか、と思ったら、おにぎり食べ終わってドロップバッグを再度預けるポイントの前で遭遇。確かにわたしは伝えてあった想定ペースよりかなり早くここまで来てしまったからね...。ドロップバッグからは後半のワッカ原生花園が寒そうなので、耐寒用に小さく畳んであるウィンブレを出して、スカートのポケットに突っ込み、着替えはしないがアームカバーだけ交換。K太郎に脱いだレインコートを一瞬持っていてもらう。何か欲しいものあれば調達してくるよ、と言ってくれたので、可能ならレインコートを着替えたい、とリクエスト、穴あいているんだもん。でも昨日湧別のコンビニではレインコート売り切れていたし、あまり期待はしない方がいいよな、とも思う。結局、エイドに20分以上滞在。エイドを出てすぐの55キロポストでラップ見たらそこまで5キロ30分前後で来ていたのが、一気に52分50秒になっていたからね。そして、身体が冷えてしまったのはマイナス、でも、座らなかったけれど休息できたのでエイドを出てすぐの急坂(本日比)も歩かずに上れた。K太郎にはわたしをタグ付けして、FBに写真アップしておいて、と依頼。あまりの雨で全然携帯を使う気力なく、ここのエイドでK太郎との写真だけ撮ってもらったが(ドロップバッグのエイドのおじさんありがとう)、FBは最後まで更新せず。しばらく走っていると、車が一台私の脇で減速、K太郎が一声かけて走り去っていった。現在住んでいる道東某市のナンバーではなく、前前前任地のナンバーだった。転勤多いな! ものもちいいな! K太郎の車が通過する前に道の駅サロマ湖を右手に眺める(ここには翌日買い物に来ました。幌岩山にはサロマを一望できる展望台もあるそうだが、翌日も天気今一つだったので登らず)。

写真は完走メダル。


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