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ピーター・ドイグ展(2020年)
会期どころか開催の可否まで大混乱だった2020年の夏の展覧会の数々。前年までは通勤帰りとかに気軽に行けた展覧会も、行くだけで気合がいる時代だった。そんな一昨年の夏のピーター・ドイグ展(国立近代美術館)の鑑賞メモ。
会期2020年2月26日から6月14日だったのが、2月29日から閉館になり、本来の会期末6月14日だったのだが、再開が6月12日(つまり本来の会期だったら6営業日しか開催出来なかった)、延長会期が10月11日まで(巡回のない展覧会だったので、作品の貸し出しだけ延長して貰って対応できたのかな)。
職場の出勤規制が厳しく、半日しか出勤してはいけない、ということになったので、午前中は休みにして、国立近代美術館でピーター・ドイグ展を見てきた。日時指定チケットを買っておいたが、そんなに混んでいなかったので、当日券でも大丈夫だったと思われる。親子連れの姿が目に付いた。しかしコロナ対策で、人との間隔をとる、マスクを付ける、話をしない、と放送入りまくり。子どもたちも静かに見ていて驚いた。
ドイグはスコットランド生まれ、トリニダード・トバゴとカナダで育ち、美術教育はイギリスで受けて、現在の拠点はトリニダード・トバゴ。作品に付された解説に、彼が影響を受けてきた画家たちの名前が色々上がっていて、エドワード・ホッパーとか、マティスとか、うんうんその通り、と思わせる言及も多かったが、漂う不安感にフランシス・ベーコンの影響も感じたのだが、ベーコンの名前はなかったな。若いときの作品は絵の具を濃く塗りつけたビビッドな作品が多く、トリニダード・トバゴ移住辺りから、キャンバスが透ける位薄く、かすれた感じの画風に移行。若いときの方がキラキラして幻想的、最近の方が不安感が強いか。いずれも心をざわつかせるのだが。
作品は巨大なものが多く、撮影も自由。静かなので、シャッター音は結構響く。自宅スタジオで開催していた映画鑑賞会のポスターが最後に40点ほど展示されていて、彼がその映画にどういう印象を持ったか、というのが伝わってきたのも面白かった。
その後駆け足で常設展を見る。バウハウス展(東京ステーションギャラリーで開催されてる)のスピンオフ的展示とか、北脇昇展とか、テーマ展示が丁寧で面白かった。
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