2018-2019年フェルメール展
上野の森美術館で2018年10月~2019年2月にかけて開催され、その後大阪に巡回したフェルメール展の記録。
このころは日時指定チケットなんて殆ど実施されていなかったのに、今や常識に。コロナ禍は辛いことが多いが、美術展鑑賞に関しては、快適になった(ふらっと行けないというデメリットもあるし、開催者はかなり利益が落ちているだろうと懸念もあるが)。
今日は、フェルメール展に行ってきた! 先週金曜日に始まって、4営業日目。完全日時指定チケット、サイトで見ると、売り切れている日とかないし、値段高いし(前売り2500円)、そんなに盛り上がっている気配がないが(単にわたしがフジテレビを見ないから、宣伝が目に付いてなかっただけか)、始まってみるとそれなりに混んでいるようで、うーん、やはり早目行動だね。
買ったチケットが9:30-10:30入場、という時間指定で、その時刻の間に入ったらあとは終日いてもいいのだが、朝一で入って、すいているうちにフェルメールルーム(一番最後の部屋にフェルメール8点まとめて展示してある)を見なくちゃね、ということで早めに家を出て、美術館の前に来たのが9:05くらい。はい、既に行列しています。そして勿論どんどん行列伸びていきます。行列に並ぶところで既にチケットの確認あり。今日は昨日のように暑くなく、幸い雨も降らず、30分弱くらい並ぶのは全く問題なし。
9:30ちょっと前に入り口のドアが開き、順調に入場、5分も待たずに中に入る。入る手前にコインロッカーあったが、預ける時間が勿体なく、今日は珍しく荷物少なくしてみた。もぎりのすぐ脇で、全点解説冊子と、最初の10日間の入場者に渡されるブックマークを渡される。その先で音声ガイド(日本語と英語のみ)を配られる。イヤホンは耳にかけるタイプでちょっとわかりにくい&会場内でそこそこ音もれがあるな、と思ったが、まぁ音声ガイドの付いた作品は全部で10点だけだったから。
予定通り、まずは一番最後のフェルメールルームへ。紺色の壁、LEDライト(一昨日のホキ美術館もLEDライトだった。これからそういう美術館が増えるのでは)で、色とかが今までよりはっきり見える感じ? 絵画の解説はすべて冊子に入っているので、絵の上にタイトルだけ書いてあって、説明は移動しながら目を通して、壁面を見るときは絵だけみる(細かい解説が書いてあると、それを読むのに夢中になって、絵をちゃんと見られないときってあるので、これはいい)。初めて見るワシントンナショナルギャラリーの「赤い帽子の娘」、あ、こんなに小さい絵だったのね。背景の壁紙とか、獅子の飾りのついた椅子とか、小物にも目が行く。もう一つ、ベルリン国立美術館の「ワイングラス」も初来日。ステンドグラスの窓から入る光、ワイングラスをかたむけ、顔の見えない女、椅子の上にのっているのはリュート、と解説に書いてあるけど、なんだか板のように平板に見える。どういう角度で置いてある? あとの6点は、以前の来日時や外国で見たことのある作品だが、どれも光をもって、豊潤に輝いている。モデルとなった人物のたたずまいも美しいし、背景とか周囲の小物とかも興味深い。藤田嗣治展で出てきた布は更紗だから薄い布だが、フェルメールの絵の中の布はゴブラン織りのような、厚手でぎっちりした模様の入った布。
満足するまでフェルメール眺めてから、入り口に戻る。それなりに入場してきているので、さっき通過した時より人は増えているが、混んでいるうちには入らない。肖像画→宗教画神話画→風景画→静物画→風俗画、と、テーマ別に同時代の絵が並ぶ。主にオランダの美術館から来ている、レベルの高い絵画の数々。静物画はちょっぴりだったが、おとといのホキ美術館に並んでいてもおかしくないような細密な絵が興味深かった。そして、面白かったのはアブラハム・ストルク「捕鯨をするオランダ船」という絵。これって画家が実際に北洋に行って様子を見て描いたのか?(当時の風景画は外でスケッチしてきて絵は室内で描いていた) シロクマとか、顔が全然シロクマっぽくなく(普通のクマの絵、それもデフォルメされたような、を白くしただけ)、セイウチも変な顔、会場に何頭も浮かんだクジラも最近のイラストレーションに出ているクジラのイメージをそのまま描いたような、あまりリアルさのない絵で、捕鯨をしている人や船はリアル、というアンバランスさ。
レンブラントはなかったが、レンブラントの弟子とか、レンブラント周辺の画家とかの作品があり、あとはヤン・ステーン、デ・ホーホ、フランス・ハルスあたりのメジャーどころ、そして、フェルメールに影響された、というハブリエル・メツーの肖像画は寓意が絵の中に散りばめられ、描かれた少女は、今回来ているフェルメールのうち3点のモデルが着ているのと同じ上着(黄色い光沢のある生地の上着に毛皮の縁取りがついている)を着ている! いろいろ目の付けどころが多く、フェルメール含めて50点もない絵を1時間半以上かけて見た。今回来ているフェルメールが現地の美術館でどう展示されているか、という映像を見て、再度フェルメールをじっくり眺め、最後にミュージアムショップをだーっと流したら2時間以上たっていました。
外に出たら11:00-12:00入場の人がまだ行列していたけれど、そんなにひどい感じはしなかった。今後、どのくらいの人出になるんだろう? 1月になったら「取り持ち女」(日本初公開)が来るので、また来るのか…。
(2019年1月に「取り持ち女」見るために再度2500円払ってフェルメール展行ったさ。きちんとした感想は残していなかったが、フェルメールの出入りがあった以外は同じラインナップの展覧会に3ヶ月あけて再訪したら、結構忘れていることなどもあったのでおさらいになってよかった、とメモが残っていた)
(2018/10/8)
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