マガジンのカバー画像

美術展鑑賞記録

111
過去に訪れた美術館や美術展の記録を残しておこうと思ってマガジンにしました。
運営しているクリエイター

#美術館

HAPPYな日本美術 伊東若冲から横山大観、川端龍子へ(山種美術館)

HAPPYな日本美術 伊東若冲から横山大観、川端龍子へ(山種美術館)

10月に福田平八郎展に一緒に行った友達と、再び山種美術館訪問、「HAPPYな日本美術 伊東若冲から横山大観、川端龍子へ」は2024年12月14日~2025年2月24日。会期あと約2週間だが、そんなに大混雑でもなく、日本画の名品を「めでたさ」でくくったキュレーションを楽しめる、楽しい展覧会である。
前回広尾駅から歩いたら、細い道を何回も曲がって、地図ガン見状態になったので、今回は恵比寿駅から。ゆるい

もっとみる
宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った(東京ステーションギャラリー)

宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った(東京ステーションギャラリー)

東京ステーションギャラリーで開催中の「宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」(2025/1/25-2025/3/16)を見てきた。開催前からこれは楽しそう、と思っていたが、予想以上に楽しくて大満足。

会場内は写真全面禁止。いさぎよく、携帯はバッグにしまってひたすらじっと作品と向き合う。ディテールまで面白くて、とにかくじっと見てしまう。大体の作品が、布の上に、布で作った対象物をアップリケしてあるの

もっとみる
そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ恵(東京都庭園美術館)

そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ恵(東京都庭園美術館)

東京都庭園美術館で開催中の「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ恵」展に、行ってきた。2024/11/30-2025/2/16
いつもながら、旧朝香宮邸の美しい建物と、展示作品の美しいコラボレーションを成し遂げた、素敵な展覧会だった。

2022年の瀬戸内国際芸術祭の際に小豆島で見た「空の玉」にノックアウトされた青木野枝の作品が見たくてやってきたのだが、今回初めて見た三嶋りつ恵のガラス作品も

もっとみる
三菱一号館美術館・再開館記念「不在 トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」

三菱一号館美術館・再開館記念「不在 トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」

昨年春から設備メンテナンスのために長期休館していた、東京・丸の内の三菱一号館美術館が、再開館記念で「不在 トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展を開催中。2024/11/23-2025/1/26

不在とはなんぞや?、というのは美術館のウェブサイトのあいさつ文を読んでもらうのが一番わかりやすそう。ちょっと長いけど。

ロートレックは久々、ソフィ・カルは名前を聞くのすら今回初めて。
美術館に入

もっとみる
八幡垣睦子 古裂のメタモルフォーゼ(丸紅ギャラリー 東京・竹橋)

八幡垣睦子 古裂のメタモルフォーゼ(丸紅ギャラリー 東京・竹橋)

竹橋(大手町からも至近)の丸紅ギャラリーで開催中の「八幡垣睦子 古裂のメタモルフォーゼ」展を見てきた。2024/11/26-2024/12/21。主催:丸紅ギャラリー、共催:出雲キルト美術館。

使われている材料が、着物や帯など、日本古来の繊維商品なので、伝統工芸品的風情を漂わせているが、パッチワークの手法は、欧米の伝統的キルト技法を土台にしている。

会期中の展示替えはなく、上記「丸」を含め、2

もっとみる
カナレットとヴェネツィアの輝き(SOMPO美術館)

カナレットとヴェネツィアの輝き(SOMPO美術館)

ヨーロッパの大きな美術館に行くと、どこでも大体、数点はカナレットのヴェネツィアの風景画が展示されていて、カナレットいいよなぁ、と思っていたのだが、とうとう、日本でもカナレットの展覧会が開催されることに!
カナレットが描いたような絵は、景観画(ヴェドゥータ)というらしい。
2024年10月12日~12月28日 SOMPO美術館(新宿) 「カナレットとヴェネツィアの輝き」展、キャッチコピーは「18世紀

もっとみる
Nerhol 水平線を捲る(千葉市美術館)

Nerhol 水平線を捲る(千葉市美術館)

Nerholというアーティストユニット、今回の千葉市美術館での展示で名前を知ったのだが、行ってみたらとても面白かった。
田中義久さん(1980年生まれ)と飯田竜太さん(1981年生まれ)の2人で、「時間を封入したハン立体の作品」を製作している。田中さんが紙と平面的構成によるグラフィックデザイン、飯田さんが紙や文字を素材とする彫刻を担当。トップ画像は2011年の「Circle」という作品で、真ん中に

もっとみる
福田平八郎×琳派(山種美術館)

福田平八郎×琳派(山種美術館)

恵比寿の山種美術館で開催している【特別展】没後50年記念 福田平八郎×琳派 展を見てきた。2024年9月29日~12月8日。山種美術館所蔵作品中心に、福田平八郎と、彼が影響を受けたと思われる琳派の名品(これも所属品)を紹介し、更に、福田平八郎にインスパイアされたと思われる日本画の近作(といっても昭和の作品なので、福田とほぼ同時代から少しあと位)の展示もあり面白かった。
本年3-5月に大阪、5-7月

もっとみる
越後妻有大地の芸術祭2024

越後妻有大地の芸術祭2024

失意のえちご・くびき野100kmマラソンを終え、次の日は、十日町に移動して、大地の芸術祭のバスツアーに参加。一昨年のえちご・くびき野の後も、大地の芸術祭に行ったので、ビエンナーレのような気がしていたが、実際はトリエンナーレ、本来は2021年開催予定だった回を1年順延していたので一昨年見られて、それから2年でまた大地の芸術祭に参加出来たのだった。
一昨年の記録 
1清津峡渓谷トンネル
2磯辺行久記念

もっとみる
舟越桂 森へ行く日(箱根 彫刻の森美術館)

舟越桂 森へ行く日(箱根 彫刻の森美術館)

舟越桂さんの作品が見たいなー、どこかで展覧会とかやらないのかしら、と検索したら、箱根の彫刻の森美術館で「舟越桂 森へ行く日」展を開催しているではないか! 2024年7月26日ー11月4日。
舟越桂展やっているとは全然気づいておらず、ちょうど家族と箱根に行く計画を立てていたのであった。箱根で何するか決めていなかったが、いきなり彫刻の森一択になった。
チラシと入り口表示で、「樹の水の音」という作品が屋

もっとみる
空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン(東京ステーションギャラリー)

空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン(東京ステーションギャラリー)

東京ステーションギャラリーで開催中の「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展に行った。
2024年7月13日~9月23日東京ステーションギャラリー、その後2025年1月11日~3月23日名古屋市美術館、2025年4月5日~6月22日大阪・あべのハルカス美術館に巡回。
フォロン、って、不思議大好きだった時代の西武百貨店のイメージ。だったので、なんとなく、西武百貨店の宣伝広告にフォロンの作品

もっとみる
COMICO ART MUSEUM YUFUIN

COMICO ART MUSEUM YUFUIN

福田平八郎展目当ての大分旅行、ついでに何を見ようかな、と試しに「隈研吾 大分」で検索したら、湯布院にCOMICO ART MUSEUM YUFUINという美術館があることを知る。COMICOってのは、コミックの縦読みをするアプリを作っている会社らしい。
湯布院温泉に泊まって、翌朝町中を散歩していたが、宿で配っている町内マップにも記載がないし、至近距離まで来てようやく看板が一つあったが、それ以外、全

もっとみる
没後50年 福田平八郎展@大分県立美術館

没後50年 福田平八郎展@大分県立美術館

大阪中之島美術館で2024/3/9-2024/5/6、大分県立美術館で2024/5/18-2024/7/15開催の「没後50年 福田平八郎」展を見に、大分までやってきたよ。生涯2度目の大分訪問が福田平八郎推し活とは。
平は本当は中のちょんちょんが八のように開いている字なのだが、「平」で書きます、ごめんなさい。
福田平八郎は、明治25(1892)年に生まれ、昭和49(1974)年に亡くなった、日本画

もっとみる
板倉鼎・須美子展(千葉市美術館)

板倉鼎・須美子展(千葉市美術館)

先日、千葉市美術館で「板倉鼎・須美子」展を見てきた。会期2024/4/6-2024/6/16。名前を知らない画家だったので、情報があまり入ってきていなかったのだが、チラシで作品を幾つか見て驚いた。不思議な風合いで、鮮やかな色を多用した明るい絵。見に行かなくては!、と時間を作って行ってみたら、予想以上によかった。
そして、感想書かなくちゃ、と思っていたら、昨日の朝日新聞の書評欄に、山内マリコさんが、

もっとみる