モノクロフィルム自家現像についての覚書・雑感

はじめに

いくつかフィルムカメラを所有している。
一眼レフはニコンFM, ペンタックスME
コンパクトはオリンパスPEN S, 同XA1, 同XA2
(あとは135のレンジファインダーとブローニーが欲しいところ)

はてさて、こんなにカメラがあるとアホみたいにフィルを使うので、フィルムと現像代が積算で結構な額になってしまう。

フィルム浪費使用量が多いので少しでも節約すべく、フィルムは1000円前後の激安モノクロフィルムを詰めて、コスト縮減のため自家現像&デジタルデュープだ。

とはいえ旅行時は、とっておきの旅行時はリバーサルのイルフォクローム100なんですけどね…

コスト縮減のため自家現像を始めたが案外手順に従ってガチャガチャやるのが楽しく、ハマってしまった。
コーヒー抽出や革靴磨きと似た感じだ。
無心で目の前の作業に没頭せざるを得ないところが妙に心地よい。
あとはかなりのスノッブ感。

初めてやってみるまではかなりハードルが高かった。
それぞれの具体的な手順はyoutubeを見た方がイメージしやすいと思うのでそっちも見てもらって、ここにはちょっと知っておいた方が良さそうなところをメインに書いていくね。

河野さんの動画はとてもわかりやすく参考になったので、皆さんにも見てほしい。

色々書くけど、最後はYOUR OWN LISKSでお願い
失敗できないものはお店にお願いしよう。
最悪失敗しても笑えるネガを自家現像だ。

自家現像に必要な機材

  • 現像タンク、リール 135フィルムを2本現像可能なものを使用中。1本用もあるけど、1本も2本も同じ手間だから、同時にやったほうが良いね。あと2本の方が、系が大きいので反応が緩慢になるから失敗しにくいと思う。私の2本用タンクはそれぞれの液体の必要量が700mLなので、いつも1L分の液体を作って保管と使用してる。

  • ダークバッグ この中で露光済みフィルムを引き出しリールに巻き付け、タンクに収納するよ。気持ち大きいかな?ってくらいがちょうどよし。

  • フィルムピッカー 巻き取ったフィルムのパトローネ(フィルムが入った缶)からちょこっとフィルムを出す道具。ピッカーを使わない方法もあるけど、あった方が良い

  • ろうと 再利用可能な液体(現像液と定着液等用。詳細は後述)を回収するのに使うよ

  • デジタル液温計 液温管理に使う。反応速度が早いデジタルのものが圧倒的おすすめ

  • PET製の密閉可能な保存容器 私は乳白色の塗料用品売り場にあった保存容器で冷暗所に保管してる。135フィルム2本用のタンクなら1Lのものが2個あればいいんじゃない?(後述する現像液と定着液用)あとクイックウォッシュ(後述)用に2Lを一つ持ってる

  • 1Lビーカー 現像前は現像液と定着液の作成に、現像中は停止液(後述)のハンドリングに使うよ

  • 50mLビーカー 停止液(後述)作成のために使うよ

  • 10mLスポイト ドライウェル(後述)のハンドリングに使うよ

  • クソデカ容器 現像時に使う液体を20±2℃くらいに合わせたいんだ。容器内の現像液と定着液の液温を測って20±2℃からずれていたら、クソデカ容器に水かお湯を入れて、その中に蓋をしたまま容器を突っ込んで良い感じになるようにあっためたり冷そう。

  • フィルムクリップ 現像作業で濡れたフィルムを挟んで吊るして乾かすよ。普通のクリップも代用できるような気もするけどそんなに高いものでもないので買った方が良い。

必要な薬剤

  • 現像液 富士フイルムスーパープロドールが入手性、コスト的におすすめ。私は現像前日に50℃くらいの水(室温でいい気がするけどおまじない)で溶かして、前述の1L容器に保管してる。現像が終わったらタンクから容器に戻して再使用。135フィルム10本分くらい使ったら、カタログ能力的にはまだまだ現像できるけど一新してる。

  • 停止液 こちらも富士フイルムの富士酢酸30mLを水970mLで希釈して使ってる。1Lビーカーに50mLビーカーで30mLに測った酢酸を入れて、そこに水道水で希釈してる。ここで希釈前の酢酸が跳ねてしまうことが工程で一番危ないかな?これは一回使ったら捨てよう。

  • 定着液 こちらはまだ液体を希釈するタイプがあるから、それが便利かも。富士フイルムのスーパーフジフィックスかシルバークロームのラピッドフィクサーを使ってる。こちらも希釈後1Lになるように50℃のぬるま湯(室温でいい気がするけどおまじない)で割って、上述の1L容器で保管。定着が終わったらタンクから容器に戻して再使用。やっぱり現像液と同じタイミングで新調してる。

  • 水洗促進剤 定着後、10分くらい水洗して、促進剤につけて、また10分くらい水洗する。水洗時間が大幅に短縮できるから、使わなくても良いけど、使った方が良いよ。私は富士フイルムのクイックウォッシュを使ってる。2L希釈用粉袋しか売ってないので、一度に2L作って現像タンクに注ぎ込み、漏斗を使って回収、再利用してる。

  • 水切り剤 これも使わなくても良いけど、使った方が良い。富士フイルムのドライウェルを規定濃度の1Lになるように希釈するときに、前述のスポイトがあると捗るよ。

  • ネガアルバム ネガを保存するファイルだ。なんでもいいよ。

忘れがちだけど絶対必要

  • 安全メガネ これ無しではやっちゃダメ。絶対必要。酸性やアルカリ性の液体を注いだりするので、液滴が目に入ったら大変。目が重要な趣味だからね。慎重に行きましょう。

  • ボロい長袖シャツとボロいエプロン 同上。保護です

  • ゴム手袋 同上。手にキズがあると痛いよ。

  • 家族の理解 ちょっと匂う危ない液体を使ったり水回りや風呂場を占拠するので、こちらも絶対必要。


自家現像の手順

上記の機材や薬剤は揃ったかな?
それじゃ早速現像していこう!

  1. 薬剤の準備
    前日に現像液と定着液をぬるま湯で希釈しておこう。正直にいうと、現像直前に希釈しても室温の水で希釈しても、大丈夫だとは思うけど24時間ぐらい置いたらなんか良さげな感じがしない?

  2. フィルムのベロだし
    カメラからフィルムを取り出すとき、多分フィルムは完全にパトローネに入ってると思うんだ。フィルムの端をピッカーで取り出そう。
    ここで出しすぎると、最初の方の写真が台無しになるので注意。ベロだしができたら、フィルムの少し細くなっているところを全部直角に切り落として、繋がっているフィルムの幅がどこでも同じ長さにしよう。最後にフィルムの端を2-3mmほど斜めに切って、リールに撒きやすくしよう。

  3. ダークバッグ内でリールにフィルムを巻き付け
    ここから具体的な手順はyoutube見てね。タンクの中に確実にリールを入れてからバッグを開けること。

  4. タンクに現像液投入。攪拌。
    私はどんなモノクロフィルムでも、規定希釈のスーパープロドールで7分30秒現像してる。

  5. タンクから現像液を排出&容器に回収

  6. タンクに停止液投入。
    私はどんなモノクロフィルムでも、規定希釈の富士酢酸で1分攪拌しつつ待ってる。酢酸は一回で使い捨て

  7. タンクに定着液投入
    私はどんなモノクロフィルムでも、規定希釈のラピッドフィクサーorフジフィックスで7分30秒定着してる。ここまできたらタンクのフタを開けても大丈夫だけど、念のため7分30秒経った後にタンクを開けてる。慣れたけど今でもこのタンクのフタを瞬間は現像できてるかドキドキだね。

  8. タンクから定着液を排出&容器に回収

  9. タンクに水道水を連続で注ぎ込み10分ほど水洗
    このとき一緒にビーカーなどを洗おう

  10. タンクの水を捨てて規定希釈のクイックウォッシュを投入し90秒ほど攪拌。

  11. クイックウォッシュを保存容器に回収。再び水洗10分

  12. 規定希釈のドライウェルにフィルムを1分ほど漬け込む

  13. フィルムクリップをフィルムの両端につけて、ホコリの少ない浴室で乾かす。フィルムを挟む部分に爪がついているので、それをフィルムに貫通させるように最後押し込もう。フィルムを挟んだ上側は何かに引っ掛けて、フィルムの下側にもつけてクリップそれ自体をウエイトにして真っ直ぐに乾かすんだ。露光していない部分が長い方を下側にしよう。上から液体が落ちてくるので、下側は水跡がつきやすい。どうせ汚れるなら「写真」がない所に汚れてもらおう。

  14. フィルムが乾燥したら(うちの環境だと訳12時間は吊るしたままだ)ホコリ、ゴミ、皮脂がつかないように手袋をつけて、ネガアルバムに保存だ!

全体を通して、それぞれの薬品が混ざり合わないように注意しよう!

お疲れ様!これで無事現像が終わったはずだよ!


この後ネガをデジカメで撮影してパソコンで編集していくけど、これは事後に説明するよ
(スマホで書くのは疲れちゃったし、挙動が安定しないね)

少しでもキミの自家現像に対するハードルが小さくなると嬉しいな。

それじゃまた

いいなと思ったら応援しよう!