#004 容量市場とは?どんな目的でつくられたの?わかりやすく紹介!
みなさん、こんにちは。
ENECHANGE株式会社、新規事業開発室の中村です。
今回のテーマは「容量市場」です。
容量市場とは
電力量(kWh)ではなく、将来の供給力(kW、発電できる能力)を価値として、取り引きする市場です。買い手は広域機関(※1、※2)、売り手は発電事業者等となります。
※1 正式名称は電力広域的運営推進機関です。
2013年の改正電気事業法により設置された機関で、全国で1つだけ設置が認められ、公平中立な運営を行う組織です。OCCTOとも言われます。
※2 国全体で必要な供給力(kW価値)を市場管理者(広域機関)がオークションによって一括して確保するのですが、売り手への対価の原資は小売電気事業者と一般送配電事業者が費用負担することになっています(容量供出金)。
容量市場、導入の目的
広域機関による「「容量市場の概要について(2019年10月)」では、下記のように記載されています。
容量市場導入の目的(P7)
・電源投資が適切なタイミングで行われ、予め必要な供給を確保すること(※1)
・卸電力市場価格の安定化を実現することで、電気事業者の安定した事業運営を可能とするとともに、電気料金の安定化により需要家にもメリットをもたらすこと(※2)
※1 これにより再生可能エネルギーの大量導入に必要な調整力の確保という効果も期待されます。
※2 容量市場の導入は中長期的にはkWh価格等の安定化が期待できるため、導入しない場合と比較して、小売電気事業者の負担になりません。
電力量(kWh)を価値として取引をする卸電力市場では、あまった分の電気を売ったり、足りない分の電気を買ったりすることができます。
発電所は卸電力市場で得た売電収入をもとに、中長期的な電源への投資(メンテナンスや建設などの発電設備への投資)を計画しますが、卸電力市場の売電価格が安定しない、もしくは低下してしまうと、将来の計画が立てづらくなり、適切な投資ができず、必要な電力量の安定的な確保が難しくなってしまいます。
容量市場はそういった状況を回避すべく、将来の供給力を価値として取引をすることで、日本全体の電力の安定供給を維持し続けるための取り組みなのです。
容量市場は将来の供給力を確保するための取り組み
今回は容量市場の概要をお届けしました。
次回は、容量市場へのスケジュールと参加要件をご紹介します!