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Values編 - 幹部合宿を開催しenechainのMission/Valuesをアップデートしました!

※2021年2月15日にWantedlyに書いた記事を転記しています

株式会社enechainというエネルギースタートアップの代表をやっている野澤です。

トップ写真が沖縄続きですが、実は沖縄の会社ではありません。
先日ポストしたMission編の通り、昨年10月に沖縄で幹部合宿を開催し、enechainのMission / Valuesをアップデートしました (ここでの議論を経て “Building energy markets coloring your life“ をenechainの新たなMissionとして掲げることにしました)。

さて、今日はValuesについてです。
Missionが会社の存在意義だとすると、Valuesはenechainが大切にしている「価値観」です。1日の大半を過ごす会社が大切にしている価値観に共感できるかって、会社を選ぶ上で本当に大切だと思います。

このValuesについても創業から1年半が経ち、enechainの成長に合わせてこれまでのValuesを以下の4つにアップデートしました。

  • "Social good" -大切な人たちに胸を張れる仕事をしよう。その積み重ねが社会を前進させる。

  • "Thrilled with unknown?" -未知への一歩を楽しもう。成功も失敗もすべてが次の挑戦への糧となる。

  • "No pain no gain" -うまくやるより全力でやってみよう。その先にあなたの成長が、仲間の笑顔が、社会への貢献がある。

  • "余白 。" -ときには思いきって立ち止まろう。遊び心を忘れずにいよう。そこからしか生まれない閃きや発見、出会いがある。

僕たちがどのような議論をしたのか過程も含めてシェアすることで、enechainが大切にしている価値観に興味をもって頂ければとても嬉しいです (思いが溢れており、またまた長文です。すいません)。

Valuesを設計する上で重視したこと

これまでのValuesとその課題

2019年10月のenechain創業時のenechain Valuesは「お客さまを熱狂させよう」、「大胆な道を突き進もう」、「ワクワクを追い求めよう」、「あなたの仲間を信じよう」の4つでした。これは、創業時に創業メンバー5名であーだこーだ言いながら議論して掲げたものです。当時、僕たちがこれまでのキャリアの中で大切にしてきたことを言語化するとこの4つだったのだと思います。

当時は社員も少なく、また過去一緒に働いたことがあるメンバーが多く価値観が似ていたこともあり、Valuesを掲げてはみたものの...僕たち自身が日々これらのValuesを意識したり声がけし合うこともほぼありませんでした。今考えると、そもそもValuesを導入する段階に至っていなかったのだと思います。

会社の成長とValuesの重要性

一方で、enechainという会社が少しずつ成長し、社員数は30名へと近付いており、ジェンダーや国籍、バックグラウンドも多様化しています。また、その活動拠点も東京からシンガポールへと広がっています。

当然ながら、その過程では、メンバーが日々の業務の中で判断に悩むポイントも多様化しています。また、社員経由のリファーラル採用も増えている中で、enechainのメンバーが自分の言葉でenechainという会社を語ることも極めて大切になってきています。要は「何をやって何をやらないのか」というenechainとしての物差しを明確にし、浸透させていくことの重要性にようやく気付き始めた訳です。

そこで、僕たちが今回Valuesを見直す上で強烈に心掛けたのは「何をやって何をやらないのかを明確にし、意思決定に迷った時に道しるべになるようなValuesを掲げる」ことです。意思決定とはCXOレイヤーでの大きい意思決定だけでなく、当然、メンバーレベルでの日々のオペレーションの中での小さな意思決定も含みます。

実は、今回、Mission, Valuesをアップデートし組織創りをしていく上で、僕たちが尊敬するとある社外アドバイザーの方に壁打ちに付き合って頂いているのですが、議論の中で彼から口を酸っぱくして言われたのはスタンスを取ることの大切さです。

いずれも「ポジションを取ってない」ワーディングになっている。何かを選ぶということは何かを捨てるということなので、特に創業期や小さいときは強い言葉を選ぶと良い

「何をやらない」を明確にすると良い

何かを言ってそうでふわっとした内容になっているのでポジションを取ると良い

僕自身、BCG時代は、自分のプロジェクトで「いやーもっとスタンス取りましょうよ」とか言っていたと思うとだいぶ恥ずかしくなります笑

新しいValues - 何をやって何をやらないのか

本題です。沖縄合宿での議論を経て策定したenechainの新たなValuesは"Social good", "Thrilled with unknown?", "No pain, no gain", "余白 。" の4つです。

  • "Social good" -大切な人たちに胸を張れる仕事をしよう。その積み重ねが社会を前進させる。

  • "Thrilled with unknown?" -未知への一歩を楽しもう。成功も失敗もすべてが次の挑戦への糧となる。

  • "No pain no gain" -うまくやるより全力でやってみよう。その先にあなたの成長が、仲間の笑顔が、社会への貢献がある。

  • "余白 。" -ときには思いきって立ち止まろう。遊び心を忘れずにいよう。そこからしか生まれない閃きや発見、出会いがある。

前段落で「何をやって何をやらないのかを明確にし、意思決定に迷った時に道しるべになるようなValuesを掲げる」ことを意識したと書きましたので、この4つのValuesで、僕たちが何をやって何をやらないと決めたか、解像度を上げて説明しようと思います。


"Social good"

"Social good" - 大切な人たちに胸を張れる仕事をしよう。その積み重ねが社会を前進させる。

Social goodというValueは、"Building energy markets coloring your life" という壮大なMissionそのものなのですが、「じゃあ日々、どういう姿勢で仕事をするのか」という問いに対してかみ砕いた言葉で言うと「要は半径5m以内の人に誇れる仕事をしよう、ということなのかな」いう議論がありました。

やる (Do's)

このSocial goodというValueで僕たちが「やる」と明確化したのは、「何はさておき社会のためになる仕事をしよう」という姿勢です。

このSocial goodというValueが体現されたのが、この1月に電力のスポット価格が急騰した時です (電力のスポット価格急騰については既に多くのメディアで取り上げられておりここでは多くは語りません。下部の記事 (※) 等を参考にして頂ければと思います)。

多くの事業者がスポット価格急騰によって厳しい局面に追い込まれる中、何か出来ることがないかSlackで自然と議論が始まりました。また、国内最大のマーケットプレイス運営者として、1月は休日もMarketを開けて多くのレスキューディールを実施しました。

全社員が全力でこのひと月をやり切ってくれたことを誇りを感じていますし、後日、本件の振返り時にメンバーから出た以下のコメントを見ても同じように考えてくれるメンバーが多かったのだと思います。

1月の市場高騰時に売主探しに奔走していたとき。日本の電力マーケットの参加者をなんとか助けたいという気迫を感じました。

ピンチの際でも冷静に情報を集め、顧客それぞれの目線にたって動き切った。スタートアップならではの柔軟性でお客様が求めていることにコミットし続ける姿勢を全員が持っていると思う。

※参考記事

やらない (Don'ts)

逆に、このValuesで僕たちが「やらない」と明確化したのは「社会にとってあまり意味のない仕事をする」ことや「お金のためだけに仕事をすること」です。

例えば「お金儲けをしたい人」や「なんとなく伸びているスタートアップに乗っかりたい人」はenechain向きではない思います。正直、お金を稼ぐだけであれば、enechainよりも効率的な職場はたくさんあると思います。

"Thrilled with unknown?"

"Thrilled with unknown?" - 未知への一歩を楽しもう。成功も失敗もすべてが次の挑戦への糧となる。

"Thrilled with unknown?" はフレーズがちょっと長いのですが、enechainでは「スリルしてる?」「それってスリルする?」とか言われています。要は見たことのないこと、やったことのないことにスリルを感じますか、ワクワクしますか? というやつです。

やる (Do's)

ここで僕たちが「やる」と明確化したのは、「みんながワクワクするのであれば、誰よりもはやくダイブしよう!」ということです。

enechainはまだ1年半という社歴ですが、既に過去2回、"Thrilled with unknown?" というValueを軸に大きな未知の領域に出ていく意思決定をしました。それは昨年の10月のシンガポールに出ていく判断と、11月の博報堂さんや物産さんとの協業で進めているB2C事業への参入判断です。いずれもヒト、モノ、カネを大きく張っていく判断でしたので震える思いもありましたが、「それワクワクする!」という想いから数日で決断しました。

また、"Thrilled with unknown?" のカルチャーを浸透させるために「スリル合宿」なる全社員が参加する合宿 (いわゆるオフサイト、慰安旅行) を実施します (以下は社内資料からの抜粋)。

未知への一歩を踏み出すことで、積極的に失敗してみる。使い慣れてない脳や筋肉を使って、気持ちいい成長痛を味わう機会を提供します。

大人になるとやったことのないことをイチから始める機会がどうしても少なくなりますので、スリル合宿の中で未知への一歩を踏み出し積極的に失敗をすることで来る日の意思決定に備えよう、というわけです。

やらない (Don'ts)

逆にこのValuesで僕たちが「やらない」と明確化したのは「リスクを取らず挑戦しないことや、変化を恐れて保守的になること」です。

enechainはこれからも業界のFirst Penguinとして、ワクワクすることに対してはリスクを取って全力、全速力でチャレンジし続けます。その過程ではきっと多くの失敗を経験するでしょうし、enechainという会社も変化していくと思います。

ですので、「できない理由を探す人」や「失敗を恐れてチャレンジしない人」はenechainという会社には合わないと思います。

"No pain, no gain"

うまくやるより全力でやってみよう。その先にあなたの成長が、仲間の笑顔が、社会への貢献がある。

"No pain, no gain" は4つのValuesの中でも敢えて尖った言葉を選んだValueになります。"No pain, no gain" は、日本語に直すと「苦労なくして得られるものはない」といった感じになるかと思いますが、まさにその言葉の通りの価値観です。

やる (Do's)

"No pain, no gain" というValueで僕たちが「やる」と明確化したのは「痛みを伴ってでもやる時はやり切ろう。でないと成長もできないし、ましてや社会に対するインパクトなんて出るはずないよね」というアスリート的、プロフェッショナル的な考え方です。

前提として、enechainは、"Building energy markets coloring your life" というMission実現のために集まったプロフェッショナル集団です。ビジネスチームも、エンジニアチームも極めてプロ意識の高い社員が多いです。

プロですので、基本的には個人の意向を信用・リスペクトしていますし、評価も事前にコミットしたOKRに対する結果を基にコミュニケーションをしますので「何時間働きました」といった表面的な概念はあまり意味を持ちません (もちろんプロセスはちゃんと見ています)。プロなので当然道具にも拘りますし、そういう意味でのストレスとは無縁の会社です (PCはWin / Mac共に最新・最高級のものをご提供しますし、モニターは4K大型デュアルです。机もOkamuraの最高級のものを、椅子はアーロンチェアを提供しています)。

加えて、プロとして成長したいという意欲のある人間を組織として「全力で」応援する風土があります。
小さいところでは必要な書籍の購入費用は全額補助していますし、大きいところではBCG出身者が多いこともありロジカルシンキングや論点思考、仮説思考といったスキルセットを習得するための社内向けの独自研修プログラムを提供したり、最近では "No pain, no gain研修" なるシンガポールでの語学研修プログラム (以下は社内資料からの抜粋) を導入して英語がうまくなりたいという社員を応援したりもしています。

コロナ禍が沈静化し渡航が可能になり次第、シンガポール語学研修を導入します。
enechain Singaporeのサポートをして頂きつつ現地の語学学校に通って頂きます。
渡航前後にTOEFLを受験頂き、現地でどれだけのgainを得たかを定量評価します。

[enechain Singapore Pte. Ltd.が入るCapita Green Building]

やらない (Don'ts)

逆に、このValuesで僕たちが「やらない」と明確化したのは「現状に満足すること」です。

「成長を求めていない人」、「口だけで行動しない人」、「人のせいにしがちな他責思考型の人」は、enechain向きではないと思います。

"余白 。"

ときには思いきって立ち止まろう。遊び心を忘れずにいよう。そこからしか生まれない閃きや発見、出会いがある。

"余白 。" というValueは、HR Headの清水が "No pain, no gain" へのカウンター的に提唱した概念ですが、僕もenechainの社員もとても気に入っているValueです。「余白」と「。」の間に半角のスペースがあって、このスペースが余白を表現しておりとても大事です。

やる (Do's)

「余白」というValueを掲げることで僕たちが「やる」と明確化したのは「サステイナブルな働き方を大切にする」、「閃きや違う視点を忘れないために遊び心を大事にする」という2つの考え方です。

"No pain, no gain" で語ったように、enechainにはプロ意識の高い人間が多い故に、ちょっと自分を追い込み過ぎる傾向があります。例えば、プロフェッショナルファーム出身者はちょっと気を抜くと「今晩はちょっとがっつりやってもいいですか、インサイトが出せそうなので」と言っていたりしますし、エンジニアチームのプロダクトの磨きこみ方も鬼気迫るものがあります。僕は彼らのこういったOwnershipを本当に尊敬していますし、僕自身も相当にOwnershipの高い人間だとも思います。

一方で、僕たちの壮大なMissionを一朝一夕に実現できるわけでもなく、5年、10年というスパンで走り続ける必要があると思うと、全力疾走し続けると息切れしてしまいます。なので、1日の中で、1ヶ月の中で、1年の中でうまく余白を取ってバイオリズムをコントロールすることも大切だと思うのです。

また、意外と深呼吸して視点を変えてみるだけで、「あれ、今のやり方って、こうした方が面白いんじゃない?」という閃くこともありますし、普段は話さない人と話す時間を持つことで視野がググっと広がる経験って誰しもあると思います。

このValueを組織に浸透させるための取組み第一弾として、「余白休暇」という、1年の内に夏季休暇以外で連続5日 (土日を合わせると9日) の休暇を取得しなければいけないという制度を導入しました。細切れNG/繰越しNGです。

体を休めることももちろん大切なのですが、どちらかというと遊び心を持って余白をエンジョイして、閃きや発見、出会いに繋げることが目的ですので、余白休暇明けのOffice Fridayやシェアリングランチ等の機会では、余白休暇を通じて、どのような内省をしたのか、出会いがあったのかをシェアしてもらう機会を設けています。僕も、4月か5月に初余白休暇を取るのを楽しみにしているところです。

[シェアリングランチの様子]

やらない (Don'ts)

このValuesで僕たちが「やらない」と明確化したのは「短期的な視点でサステイナブルではない働き方をする」ことや「既存のやり方に固執する」ことです。

僕たちはMission実現のために集まった事業会社ですので、「キャリアアップのための経験 (長くいるつもりはないが、短期的に負荷を掛けて成長を求めるなど) を求めている人」はおそらくコンサルやIBDといったプロフェッショナルファームの門戸を叩いた方が良いのだと思います。
また、僕たちが大切にしている閃きや違う視点を忘れないために遊び心を大事にするを裏返すと「変化が苦手な人」はenechain向きではないかも知れません。

最後に

最後に採用の話です。

繰り返しになりますが、僕たちenechainは誰もが参加でき、あらゆるエネルギーの価値を交換できるフェアなマーケットプレイスを創ることで、社会が秘めたる可能性を掘り起こし、人々の豊かさと世界の平和に貢献する、という壮大なMissionに挑戦し続けます。

これは決して簡単な道のりではなく、僕たちと一緒に、このMissionの実現に挑戦してくれる仲間の力が必要です。複数ポジションで仲間を募集しており、今日のストーリーを読んで少しでも気になった方はご連絡をお待ちしています。ぜひお話しさせてください!

※前半のMission編はこちらから

株式会社enechainでは一緒に働く仲間を募集していますhttps://enechain.co.jp/recruit

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