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北海道電力様の2023年度年間物標準メニュー電力卸販売にeSquareをご活用いただくこととなりました!

北海道電力株式会社様が10月、2023年度電力卸取引の概要を発表し(プレスリリース)、2023年度受け渡しの年間物の卸標準メニューでの電力卸販売を、enechainのオンライン卸マーケットプレイスeSquareにて一括で実施することを公表しました。

これに前後して、その他の大手電力会社も2023年度の電力卸販売の概要を発表し、北海道電力様は卸マーケットプレイスを利用、他は入札方式や相対方式を採用したことが明らかになりました。卸マーケットプレイスの活用は、経済産業省の制度設計専門会合において、「非常に透明性の高いスキーム」で「内外無差別性の観点から評価できるのではないか」とコメントを頂きました。本記事では、北海道電力様がeSquareを採用された背景をご説明するとともに、テックカンパニーを目指すenechainがどのようにプロダクトを磨き、企業価値を高めようとしているのかを共有できればと思います。

1. 2023年度電力卸取引をeSquareで実施するということ

今回の発表は、噛み砕いていえば、北海道電力様を売主とする2023年度年間物の電力取引を、弊社のエネルギーの卸取引マーケットプレイスであるeSquareにて実施するというものです。これは、注文〜交渉〜約定まで全て、第三者の弊社が小売電気事業者様と北海道電力様の間に入って行うことを意味しています。

大手電力各社は、行政の方針の下、2023年度年間物の電力卸販売契約の交渉機会は特に確りと内外無差別を監視されることとなりました。内外無差別とは、「電力事業者の発電部門と小売部門間の社内取引に比べて、新電力など社外への卸取引を不利に扱わないこと」を指します。その対応策のひとつとしてenechainより提案したのが、電力卸取引のオンラインマーケットプレイスの利用でした。卸取引マーケットプレイスの利点は、前述した内外無差別的な取引の実効性が高まることだけではありません。公平な競争を担保するにあたっては、取引の公平性の証明が欠かせませんが、これを証明するのは簡単なことではなく、行政も電力各社も、膨大な量の報告を捌く必要が出てきます。eSquareを使えば、必然的に取引が無差別になるだけでなく、報告に必要なデータが全て記録され、ログを取る事ができるため、報告にかかる膨大な時間を節約することもできます。

参考:  2022年11月7日 電気新聞「大手電力、卸販売交渉で進む透明化 / 『内外無差別』に対応」

2. 公平性、公共性、信頼性が揃ったエネルギーマーケットを目指して

enechainでは、日本において健全な市場を運営するには「公平性」「公共性」「信頼性」の全てを満たす必要があると考えています。相応の取引ボリュームに対応できる組織規模を持ち、取引機会が公平に提供できる「公平性」、日本市場を最優先に考え責任を全うできる「公共性」、そして全データが保管され監視が可能で、システム化により安定した市場を運営できる「信頼性」という観点です。

enechainは、100名体制の組織規模によって公平性を担保し、群を抜く取引実績で日本企業として国内電力市場の健全な成長に貢献しながら、テクノロジーによって信頼性の高い卸取引システムを提供しています。市場の流動性を高めてきた社内ブローカーチームと、市場の持つ信頼性を高めてきたテックチームの両輪でこれらを実現しています。

今回の内外無差別に向けた大手電力各社の電力卸販売の情報開示は、エネルギー業界にとって大きなマイルストーンであり、北海道電力様を通して日本の電力卸販売交渉の透明化に貢献できたことを、社員一同嬉しく思っています。

3. なぜテクノロジーに投資し続けるのか

2016年に電力自由化がされたものの、これまでは取引を行うマーケットが存在せず、発電事業者や小売電気事業者は毎回個別に交渉したりするという膨大なコストがかかっていた中で、enechainは参加企業150社を超える国内最大の取引市場として電力取引のマッチングを推進してきました。

多様なエネルギー商品を売り買いできるオンライントレーディングプラットフォーム “eSquare” をはじめとして、トレードに必要不可欠な情報を提供するデータプラットフォーム “eCompass”、損保ジャパン様と協業して実現した、与信リスクへの対応ツールである “eClear”、市場リスクを正しく把握・マネジメントする “eScan”β版と、矢継ぎ早にプロダクトローンチし、マーケットプレイスとしての付加価値を磨いてきました。

私たちがテクノロジーに投資し続ける理由は、エネルギーというドデカい業界において、テクノロジーによって解決しうる課題やそのインパクトがとてつもなく大きいためです。これからenechainが、「誰もがもっと自由にエネルギーの価値を交換できるマーケット」を築くためには、最適なマッチングの仕組みや売買の自動化など、テクノロジーの力が必要不可欠です。そのため創業当初からテックカンパニーを目指し、プロダクトを磨き上げることによって企業価値を高める意図をぶらすことなく持ち続けてきました。

今回、北海道電力様に採用いただいたのも、データ事後検証性の高いシステムがあったからこそ達成できました。アナログな取引では難しかったログデータの蓄積や一元化がテクノロジーの力で可能になり、データの持つ安全性やトレーサビリティが認められ、取引の信頼度が上がりました。これからもテックカンパニーとして、テクノロジーを最大限に活用し、ユーザー様に喜んでいただけるマーケットプレイスを目指し続けます。

4. 最後に

enechainのビジネスの面白さは、「エネルギー業界というとてつもなく大きな産業において、エネルギーの価値そのものを取引したいというど真ん中のペインに、マーケットを創るというド直球のソリューションを提供している点にある」と考えています。
潜在的に100兆円規模が期待されるマーケットにおいて、テクノロジーの力で解決できる課題は山ほどあり、単なる効率化や仕組み化にとどまらず、業界そのものを変革しうるチャンスを秘めている数少ない分野です。

しかしながら、まだまだenechainも創業3年の小さなベンチャー。これからが本番です。
ミッションである “Building energy markets coloring your life” を目指して、一人ではできない大きな産業変革を担いませんか。

https://enechain.co.jp/


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