成果を最大化し、理想のライフスタイルに妥協しない。パパエンジニアたちの仕事と育児の両立の形
enechainは、国内最大のエネルギーのマーケットプレイスを運営するスタートアップです。“Building energy markets coloring your life” をミッションに掲げ、テクノロジーの力で子どもたちの未来を支えるインフラサービスを創出することを目指しています。
今回は、小さいお子さんを持つパパエンジニア代表としてeSquareデスクの関本と新規プロダクト開発デスクの小沢から、仕事と育児を両立するために行っている個々の取り組みと組織的な支援の仕組みについて伺いました。
読者の皆様には、enechainは理想のライフスタイルを妥協せず仕事の成果を最大化できる環境であることを知っていただけたらと思っています。
自己紹介
家族が増えたことで加わった「これからの子どもたちが生きていく社会の役に立ちたい」という軸
—これまでのキャリアで大切にしてきた軸は何ですか?
関本: 2つあるんですが、1つ目に組織規模がまだ小さいアーリーフェーズの会社を見ていましたね。これは新卒の頃から変わらずにある軸です。より大きな責任を担いやすい環境で、野心的な目標に向けてチャレンジできる働き方を求めていました。実際、前職では創業メンバーとしてジョインし、リーダーとしてチームを率いる経験もあったため、今後の転職においても早くから組織づくりを担えるフェーズ・規模感で考えていました。
2つ目は、これからの子どもたちが生きていく社会の役に立つ事業に携わることです。前回の転職活動をしている時に、妻が妊娠中だったからこそ追加された軸ですね。当時はインフラや社会貢献性の高い事業に取り組んでいる企業に話を聞きにいっていました。
小沢: エンジニアとして10年程度やってきましたが、ライフステージや置かれた状況によって、企業を見る視点は少しずつ変わってきています。新卒当時はエンジニアリングとしての楽しさ、次にプロダクトや会社のミッション・ビジョンへの共感と変化していきました。前職にいる間に子どもがうまれ、育児との両立をする中で、世の中の役に立ちたい意志が強くなったように感じます。子どもがこれから生きていく社会にいかに良いインパクトを残せるか、どうすれば社会が快適になるか、を考えるようになりました。転職時には保育や医療など社会貢献性の高い企業にカジュアル面談に行く中で、enechainに出会いました。
—お二人とも社会貢献性の高い事業に興味を持たれていますが、社会の役に立っていると感じる瞬間は実際にありますか?
関本: サービスそのものが使われていることが社会貢献につながっているので、約定のリストを見たりすると、役に立つことができたんだなと感じられます。また、新電力が受付停止するニュースなどを目の当たりにすると、自分たちの事業の成長を加速させ解決していかなくてはと身の引き締まる思いになります。
小沢: 新規プロダクトの開発に携わる中で、目指している理想の未来につながっていく感覚は日々仕事しながら感じますね。ただ、カーボンニュートラルや電気代が結果的に下がっていくなど見据える目標が大きく長期的なので、今はベースのベースを作っている段階です。
プライベートも理解してくれる安心感から仕事の踏ん張り時でも前向きになれた
—enechainに入る上での懸念はありましたか?また、その懸念は払拭されましたか?
関本: 妻が出産を控えていたので、リモートワーク中心になってしまうことです。また、転職と出産というそれぞれ劇的に状況が変わるイベントが重なっていたので、両立できるのかという漠然とした不安がありました。入社後は娘の誕生で育休に入るタイミングがチーム内で大きいプロジェクトをスタートさせる時期と重なったので、当時は申し訳なさもありました。
でも結果的に懸念は払拭できました。まず自分からもやったこととしてはリモートワークでの働き方を確立したことです。enechainではリモートワークが推奨されていて、僕の場合は家庭のことに使える時間をしっかり確保できたことが本当に助かりました。また、チームのメンバーも非同期コミュニケーションをしっかり行うなどリモート前提のコミュニケーションをとってくれるため、社内メンバーのスタンスにも助けられています。
また、スタートアップとしては相当手厚い育休制度のある環境で育休取得を理解してくれる社内メンバーがいることも不安解消につながりました。代表の野澤さんをはじめ積極的に育休取得するメンバーがいたことや、育休に入ることを受け入れてくれるメンバーの雰囲気から、入社して5カ月だった僕も安心して育休を取ることができました。実は、enechainの育児休暇取得率は男女ともに100%です。育休期間中の給与補填制度があるのでお金の心配もせずに育児に専念できたのも大きかったですね。
小沢: 正直ほとんどなかったのですが、強いて挙げるならアーリーフェーズのスタートアップなので業務がハードになることで両立が難しくなる懸念を最初は持っていました。しかし、前職と同じくリモート前提の働き方をさせてくれる環境なので、懸念はなくなりました。以前凄く忙しかった時期に妻と話し合いながら家事育児を両立できた経験があったのでリモートワークできるのであれば乗り越えられる確信がありました。
—ご家族の理解を得るために取り組んだことはありますか?
関本: 家族は、転職について特に反対せず応援してくれました。育児を分担することはこれまでと変わりませんし、また、社内メンバーに事前に出産が控えていることを伝え、状況を理解してくれていることを妻にも共有しました。妻にも社内メンバーにもオープンに状況を事前共有してきた結果、どちらからも理解を得ることができました。
小沢: 以前からリモート勤務をしているので、保育園の送り迎えや呼び出しの対応も基本僕が行っています。転職した後もスタンスは変わらないと妻に共有していたので、後ろ向きに捉えられたりはしませんでした。
—enechainのどんな部分が育児との両立しやすさに繋がっていますか?
関本: 2つあります。1つ目は、働き方に裁量がある所です。平日は妻、土日は僕で子供が夜寝ている間の見守りを分担していたのですが、子供がなかなか寝付かず夜中に起きてしまうことが多々あり、妻が睡眠時間が確保できず負担を抱える状態が続きました。そこで妻と相談し、平日もどこか1日、夜から午前中まで僕が子供を見て、その間妻にはしっかり寝てもらい、午後から勤務開始するというワークスタイルに変えた結果、ワークライフバランスを改善することが出来ました。もちろんしっかり結果を出すという前提ではありますが、enechainではこういった働き方も自分の裁量で柔軟に決めることができるので、育児と仕事の両立が出来ています。また、独自のワークスタイルの中で成果を上げてきたことで社内のValue Award (社内投票で受賞者を決め、半年ごとに最もValueを体現したメンバーを讃える賞) の余白。大賞 (限りある時間の中で最も効率化を極め余白を生みだしていた人に与えられる) として表彰してもらえたのも、enechainらしいかも知れません。
2つ目は、評価制度が整っていることです。今年の7月にマネジャーになったのですが、育児がありながらも仕事を疎かにせず結果を出せたことを昇進という形でしっかり評価してくれたことが嬉しかったです。初めての育児との両立に奮闘しながら独自のワークスタイルを追求してきた日々が報われた気がしました。
小沢: 制度だけでなく、社内メンバーにも仕事一辺倒ではなくプライベートも大事にするスタンスがある所だと思います。現在妻は第2子を妊娠中なのですが、つわりがひどく1か月間娘をワンオペで育児しつつ仕事をしていた時期がありました。ワンオペが始まって1週目で挫折しそうになり、まず上司であるCTOの須藤さんとの1on1で現状を共有し、勤務が変則的になってしまうことを伝えました。すると、すぐに須藤さんから人事メンバー含めコミュニケーションする場を設けてくれ、人事メンバーも変則的な勤務に対して柔軟に受け入れてくれました。また、採用面接等が入らないよう採用メンバーに掛け合いタスクの整理をしてくれたり、心身共にきつくなり急遽有給を取るときには須藤さん含め一緒に働いているビジネスサイドのメンバーも理解してくれました。リリースしないといけない時期でもあったので大変ではありましたが、周囲がプライベートを理解してくれる安心感から仕事の踏ん張り時でも前向きになれました。
—裁量がある環境で生産性をあげセルフコントロールするために行ってきた工夫があれば教えていただきたいです。
小沢: 娘のワンオペをしていた時期にはマインドシェアのマネジメントを行い、生産性を上げられる部分とそうでない部分の切り分けと期待値を設定していく工夫はしていました。朝5時から夜9時まで家事ありきの仕事となる上に今携わっている新規プロダクトのリリースの期限もあるという状況だったので、まず持っているタスクを見直してやることとやらないことを調整し、周りとの認識を揃えに行きました。また、「8月までにサービスをさわれる状態にする」という目標に対して時間的に踏ん張らないといけないタイミングはありましたが、その中でも他のメンバーにお願いしてタスクを分担することも意識していました。
関本: 僕は起こりうる出来事は事前に管理する工夫をしています。予定表には「休憩枠」を毎日事前に入れています。日々の育児に充てる時間を固定して決めることで、仕事と育児それぞれに集中する時間のメリハリをつけるようにしています。また、育児を理由に生産性を下げたくないと思っているので、メンバーに稼働時間を合わせてもらいつつ対応してきました。
“ No pain, no gain” の姿勢で、困難な壁も楽しみながら乗り切れる人と働きたい
—enechainでパパエンジニアがより活躍するにあたって、課題に感じていることはありますか
関本: 育児があると仕事のスケジュールが変則的になったり、まとまった時間を抑えづらいことがあるため、、チーム内でのクイックな情報共有やスムーズな業務連携、タスク進捗の徹底した見える化は、いずれも最低限として必要と考えています。工夫している取り組みを挙げるなら、結論に行き着くまでのコミュニケーション量を極力抑えるようにしています。たとえば、enechainには「メリパキ!ルール」というカルチャーがあり、 ミーティングの際にゴールとアジェンダを明確にし、限られた時間の中で無駄なくアジェンダを進めるよう取り組んでいます。ミーティング前に内容を整理したページを共有して、目的さえ果たせたらMTGは早めに切り上げる、自分たちで余白をつくるためにも生産性を高めるMTGスタイルにしていますね。
別の観点だと、まだ成長し始めたフェーズの組織であることから、チームでお互いをカバーできる体制づくりは心掛けていきたいですね。たとえば、家族の都合で仕事の時間が取り切れないとき、個人の踏ん張りによって耐えしのぐのはサステナブルじゃないですから、マネジャーとして予防的に解決すべきだと考えています。日常からメンバーの仕事量を適切に調整しつつ、お互いをしっかりサポートしあえる体制とカルチャーをつくり、起きうるリスクに柔軟に乗り越えられるしなやかなチームを目指しています。最近取り組んでいることとしては、どのチームに今どういった人が必要か、体制面の弱点をマネージャー陣やHRと定期的にモニタリングし、採用や育成計画を都度アップデートしています。目の前の課題を場当たり的に対処していくというよりは、採用や育成、体制、制度などの仕組みによって、課題発生する手前で予防的に解決することをチーム全体でも強く意識していますね。
小沢: せっちゃんの言うように、家族の都合で業務時間が変則的になりやすいので、日ごろからコミュニケーションとタスク共有、業務の型化やドキュメンテーションは重んじられていますね。
ほかにも、個人のライフスタイルの変化によってチームの成長や事業進捗が遅れないよう、いくつか気にかけていることはあります。まず、誰にでもできる当たり前なことかもしれませんが、、気軽に話しかけやすい雰囲気づくりや、相談から解決までの時間短縮ができるよう「協力したいと思っている」というスタンスはしっかり発信するようにしています。enechainでは「Gather Town」というバーチャルオフィスツールを使っているのですが、常にメンバーが同じルームにいることで互いに話しかけやすい仕組みを作っています。ルームでの会話は、他のメンバーの耳にも届くため、そこからちょっとした雑談が生まれたり、ちょうど困っていることを他メンバーに知ってもらうきっかけとなり、チーム内での課題認識・解決プロセスの共有につながっています。同じ部屋で一緒に働いている感覚で仕事できていることから、オンライン特有のコミュニケーションの難しさは解消できています。
タスクの属人化に対しては自分だけしか知らない・できないという状況を作らないことは徹底していますね。具体的には、タスク内容の詳細や得られた学び、難しかったポイントなどを雑談形式で共有したり、ドキュメントに起こしています。また、チーム内のタスクは、種類ごとに担当者を割り振るのではなく、どのメンバーも多様なタスクに関わる機会を持てる設計しています。「Thrilled with unknown?」 のバリューにもあるように、未知の領域に新しいチャレンジをしてみることで、得られるインサイトや開花する才能もあると考えています。最初はコードレビューに参加する形で担当するタスクに携わってもらったり、レトロスペクティブで第三者視点から意見をもらうなどして、個人の成長に繋げつつ、タスクの見える化や型化、チーム内外の情報透明化を図っていますね。
—今後どんな人と働いていきたいですか?
関本: 自分から解決に向けて働きかけられるような、チームの一員としてより良い動きを模索できる人と働きたいです。育児と仕事の両立もそうですが、いくら環境や制度が良くても、自分でやりきる意思が無ければ中途半端で終わってしまうと思います。弊社には「No pain, no gain」というバリューがありますが、成果を出すことに貪欲さを持って、困難な壁も楽しんで乗り切れる人が良いですね。
小沢: 失敗したときに物事の本質に向き合える人です。まだアーリーフェーズで難しいドメインであるため失敗はつきものだと思います。例えばバグなどを発生させてしまったり、運用でミスを犯したりしたときに課題の本質を把握しにいき解決していくマインドのある人と働きたいです。弊社のバリューの1つに「Rainbow is beautiful」といって、建設的批判を良しとする文化があります。課題解決のために建設的批判をし合う雰囲気に共感できる方だと合うと思います。
一方で、エンジニアという職種なのでWebやモバイルなど多岐にわたるエンジニアリングを楽しむことも大事だと思っています。ユーザーが快適に使えるサービスをつくるための努力を楽しみながら、時に痛みを伴いながらも技術と向き合っていける人と働いていきたいですね。
最後になりましたが、enechainは、この1月にシリーズAラウンドでの資金調達を終えたばかりでまだアーリーフェーズのスタートアップです。
レガシーで巨大なエネルギー業界にある「エネルギーの価値そのものを取引したい」というど真ん中のペインに対して、「マーケットをつくる」というド直球なソリューションを提供することで、100兆円規模のビジネスとエネルギー産業の変革にチャレンジしています。
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