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誹謗中傷を錦の御旗にする連中

はるかぜが誹謗中傷相手と裁判をして損賠を勝ち取りニュースになった。

わたしは、はるかぜというタレントがどういうものかいまいちしっかりと把握していない。子どもの頃にtwitterで大人のような発言をして持ち上げられていた子、という認識だ。それが合っているのか間違っているのかも知らないし、知ろうとも思わない。どうでもいい存在である。

しかし、そのはるかぜの損賠請求でやたらと「誹謗中傷」についてメディアで議論されるようになった。
これをテレビやラジオでやる意味はあまりないと考えている。
なぜならタレントは基本的にどんなランクであろうと常に誹謗中傷に晒されている。だから、匿名で批判してくる奴らには日常的に腹を立てている。はるかぜの裁判を支持するのは当たり前だし、匿名で他人を批判する連中はこの世から消えろと思っているだろう。
だから議論にならない。
テレビに出る職業の人たちは全員が同じ意見なのだ。

しかし、と思う。
匿名であろうとなんだろうと、赤の他人から批判されるべき人間もネット上には確かにいる。

例えば、
カイロ大学を卒業していないのに、twitterプロフィールに「カイロ大首席卒」と書いて偉そうにモノを言っていると、馬鹿な連中が真に受けてありがたがる。カイロ大を首席卒業するくらい頭のいい人なんだ、と発言の価値が担保される。結果、それにより権威や金銭を得ている奴らというのがいる。
こんなものは詐欺と一緒で、糾弾されるべきだ。
本当にカイロ大を卒業した人がそいつを見つけて、「この程度のアラビア語しかできないのに卒業できるわけがない。こいつは嘘つきだ」なんて書いたとする。その詐欺師が「誹謗中傷です、訴えます」と反論した場合、正義はどちらだという話だ。
今の風潮だと、匿名で「嘘つき」発言をした方が悪者だろう。
わたしは詐欺師は悪者だと考えているので、匿名だろうとなんだろうと糾弾されるべきだと思っている。詐欺師のような悪人に身元を知られたくないし。

こういう遠回しなホラだけではなく、
「ニートから頑張って株で5000億円稼ぎました」みたいな嘘を書く直情型の連中も大勢いる。そうやってオンラインサロンなんかで金を集めて、運用せずに溶かすなんてことはそこら中で起こっている。こいつらは直接金銭を引っ張る気満々なので、普通に詐欺師である。
こういう奴らに「詐欺師!」と指摘しても、”誹謗中傷”を錦の御旗にしてこちら側を攻撃してくるだろう。そんな世の中が正しいのか?

誹謗中傷とされる書き込みを行う者の多くは、おそらく愉快犯というよりはある種の正義感からだと思う。詐欺師に「詐欺師!」と言いたい人たちじゃないだろうか。
自身の頭の中にある物語が事実だと思い込んで攻撃してしまう。本当にニートから5000億稼いだ人を見ても、そんなのは嘘だと思い込んで「詐欺師!」と言ってしまう。これは明らかに誹謗中傷だし、そんなことを許してはいけない。真面目に生きている人を傷つけてはいけない。しかし自分の中では正義を行使しているにすぎないのだろう。
はるかぜも初期の頃は人格否定より、「母親が代筆している」という批判が多かったと思う。批判していた人たちはそれを本当だと思い込んでその設定で利を得る行為が許せなかったんじゃないのか。さらにメディアが大人びた少女をやたらと持ち上げるから、そのカラクリに物語を見て余計に許せなくなる。攻撃が加熱していく。結果、損害賠償請求である。

インターネットには嘘が溢れている。しかし嘘か真実かの判別は現実的に難しい。わたしが「実は東京大学卒です」とカミングアウトしたところで、嘘か本当かなんて誰にも分からない。
判断つかないなら批判せずに黙っていろという意見も分からなくはないが、今の風潮が進んでいけばネット上では嘘をつけばつくだけ得をするというおかしな世界になる。

今回の誹謗中傷撲滅ブームに乗っかって、本当に批判されるべき連中は影でにんまりしている。

どちらがいいんだ?
プロフィールに東大卒と書くぞ?

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