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消化器内視鏡専門医試験 対策、過去問、合格率【2024年版】

2023年7月までの消化器内視鏡専門医試験および過去問情報をまとめ、2024年7月21日(日)実施予定の内視鏡専門医試験対策について解説します。

専門医試験の概要、日程、受験資格や申請書類については日本消化器内視鏡学会のホームページを参照ください。

まず過去の消化器内視鏡専門医学術試験の合格率についてです。

最終更新:2024/06/21
※本記事は2022年より更新を重ね最新の試験に対応した内容へ変更しています。noteの仕様上記事の作成日が更新できないため記事上部の表示は2022年の日付のままですが、ブックマークしていただいている方の利便性を考慮し今後も過去の記事を引き続き更新していく予定です。



消化器内視鏡専門医試験の合格率推移


・2022年2月に行われた内視鏡専門医試験(公式HP上の表記は2020年度・2021年度)で、受験者1519名中合格者1143名合格率は75.2%でした。
・2022年7月に行われた内視鏡専門医試験(公式HP上の表記は2022年度)で、受験者1228名中合格者1071名合格率は87.2%でした。
・2023年7月に行われた内視鏡専門医試験(2023年度)で、受験者940名中合格者880名合格率は93.6%でした。

公式HPでの発表内容については下記画像をご参照ください。

消化器内視鏡専門医試験 合格率(2020、2021)合格率75.2%
消化器内視鏡専門医試験 合格率(2022)合格率87.2%
消化器内視鏡専門医試験 合格率(2023)合格率93.6%

筆記試験が2年延期された特殊な状況から2022/2に合格率が上がると期待していた方もいましたが、結果的に例年とほぼ同等4人に1人が不合格、そして同年行われた2022/7は過去の試験と比較して合格率が87%と高い結果でした。
医師国家試験や内科・外科・小児科関連の専門医試験などこれまで複数の試験に通過してきた医師集団の中で80%前後という合格率であり、内容も特に2022/7と2023/7の試験は過去問と異なる出題が増え難化している印象が強いです。普段から内視鏡に従事している消化器内科医だとしても、対策無しでの試験合格は厳しく一定の対策が必要です。
なお2023/7は難化した印象でしたが合格率はこれまでで最も高い93.6%でした。このことから合格基準は必ずしも完全な相対評価ではなく一定水準に達した受験者は合格となると言えそうですが、試験後に受験者様からお寄せいただいた感想やご報告から察するにやはり一定の勉強量が合否に関わる印象です。近年の合格率に惑わされず臨床に活かせるような試験準備を行うことをお勧めします。

なお書類審査については上記画像の通り、申請さえすれば99%以上通過しています。これまでの受験者の皆様からの声をきいていても申請書類の内容が合否に関わる可能性は低く、学術試験の結果により合否が決まると考えられます。

過去の消化器内視鏡専門医試験の合格率推移は下記の通りです。
 2023年度:93.6%(880/940)
 2022年7月:87.2%(1071/1228)
 2022年2月:75.2%(1143/1529)
 2019年度:74.9%(770/1028)
 2018年度:74.3%(639/859)
 2017年度:79.6%(745/936)
 2016年度:77.0%(642/834)

合格率に続き、2022年2月から導入されたCBT試験についての情報です。


【CBT試験の概要と特徴】


2020年度・2021年度の専門医試験は新型コロナウイルス感染症蔓延に伴い試験が延期され最終的に2022年2月27日(日)CBT方式で試験が行われました。

それ以降の試験もCBT方式となることが決定し、今後もCBT方式が続くと予想されます。内視鏡専門医試験におけるCBT試験の特徴について解説します。


CBTとは「Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)」の略称で、コンピュータを使った試験方式のことです。

CBT試験会場
CBT試験ブース

私は2022年2月に新宿の「新宿国際ビルディング」という会場でCBT方式の内視鏡専門医試験を受けましたが、試験会場の様子は上記画像のような状態でした。画像と異なる点として、各ブースの机上にはA4の白紙1枚とシャープペンシルがありメモ用紙として使うことができました。私はどの問題を後で見返すか、どの選択肢で迷ったか、自分で作った語呂合わせを思い出す書き込みなどのためメモ用紙がぜひ欲しかったので事前にCBT試験の運営管理を行っている委託先(当時プロメトリック)に問い合わせたところ全会場にメモ用紙の準備があるとの返答を頂き、安心して試験に臨むことができました。

<CBT方式のメリット(受験者目線)>
①試験会場が自宅から近い(住所地をもとに試験会場が決まる)
②1か所の試験会場に集まる人数が少ない(新宿で80人程度でした)
 →緊張感が少なく、感染リスクも比較的低そう
③ブースで仕切られており周囲の様子が気にならない
④不正やカンニング対策が万全(公正です)

<CBT方式のデメリット(受験者目線)>
①クリックで進めていくPC操作にストレスを感じる人はいるかも
②会場の入り口など分かりにくい場合がある(大会場との比較)

あえてメリット、デメリットを挙げるとしたら上記です。私は過去の内科系試験や消化器病専門医試験の経験からマークシート式に慣れていたので当初CBT方式に不安がありましたが、結果としてメリットの方が多く感じ(特に自宅からの近さ)CBT方式で良かった!という感想でした。

【CBTメリット④不正対策について】
専門医試験レベルで不正やカンニングを目論む人はいないと思われますが、CBT方式になったことで過去のパシフィコ横浜や東京ビッグサイトで行われていた試験と比べて不正対策はとても厳正になったと感じました。CBT会場における重要な不正対策は主に下記2点です。

①試験前にロッカーに全ての荷物を預ける
②試験を受ける各ブースの天井に大量の監視カメラが設置してある

試験前の流れとして、まず当日12:35~12:45の時間帯に試験受付を行い、受付を行った部屋で全ての荷物をロッカーに入れました。その際にスマートフォンなど全てロッカーにしまってから実際に試験を受ける隣の部屋へ移動するため、試験を行うブースやトイレにスマートフォンを持ち込むことのハードルはまずかなり高くなります。スマートフォンを持ち込んだことが判明した時点でカンニング扱いとして不合格になる旨を繰り返し説明されるため、そのリスクを冒してまで持ち込む人は少ないでしょう。なお試験ブースに持ち込み可能なものとしてティッシュ、目薬、眼鏡が挙げられていましたがティッシュは広告など入っていないものに限定し入室時にチェックする徹底ぶりでした。

さらに試験室には各ブース真上の天井にかなりたくさんの監視カメラが設置してありました。80人程度の会場で40個ほどの監視カメラがあったかと思います。監視カメラの性能までは分かりませんが、少なくとも怪しい行動をした受験者の行動は全て見返すことができそうな環境でした。東京ビッグサイトやパシフィコ横浜ではこうはいかないと思います。

上記の通り不正やカンニングを試みるくらいならまともに勉強した方が効率が良い環境となっておりましたので、受験者にとっては公正で安心な試験環境になっていると思います。
また上記環境により試験問題内容をメモして持ち帰る等の行動も難しくなっていたため、過去問の流出等も起きにくくなると思われます。


ここからは具体的な試験対策について解説します。

【内視鏡専門医試験対策 2024年版】

2023年までの試験は全100問で、試験時間は150分でした(13:00-15:30)。
2024年実施予定の内視鏡専門医試験対策として勉強すべき内容は下記の通りです。

1.日本消化器内視鏡学会専門医学術試験問題 解答と解説 第5版(2021年7月発行)
【優先順位:1位 重要度★★★】

試験対策、まずはここから始めることをお勧めします。
1周目は全体像をつかむ目的でざっと問題を解いていきましょう。私は日常業務の合間や週末など含めて7日間程度でまず本書を1周しました。ただしこちらの問題集は各選択肢の解説を丁寧に読みこむとかなり重要な情報があるので、少なくとも2周はすることを強くお勧めします。

なお下記第4版(2016年5月発行)は既に所持しているなら解くことで安心感を得られますが必須ではないと考えます。というのも第5版が発行されたのが2021年7月だったため、2020年の試験延期前から第4版を所持していた2022年2月の受験者はその半数以上が第4版も第5版も所持していたと思われますが、2022年7月以降の受験者の大半は第4版を所持していない・・・つまりわざわざ中古やAmazonでコストを払って第4版を手に入れなくても他の受験者との差はつきにくいと予想されます。私は2020年、2021年と延期前から勉強していた関係で第4版も3周ほどしましたが結果的に「第4版やってないと解けなかった」という設問はなく、時間に余裕がない方にとってはむしろ無駄に勉強時間とられてしまう可能性もあると思います。


2.消化器内視鏡ハンドブック 改訂第3版
【優先順位:2位 重要度★★★】

内視鏡専門医試験対策以外の目的で購入する方は多くないと思いますが、日本消化器内視鏡学会が監修している言わば公式教科書のような存在です。内視鏡専門医試験では該当分野の知識があっても選択肢の文章表現で迷ってしまう(運転免許試験のような)問題も多く、このハンドブック内に書いてある文章や表現がそのまま正答の選択肢になっている場合が多々あるので試験に合格するためには色んな書籍に手を出すよりもこのハンドブックを読みこむ方が得点効率は良いです。特に頻出の項は一字一句丁寧に読むことをおすすめします。

【2024年6月の追加情報】
2024年6月に改訂第3版が刊行されました。第3版は総ページ数が701ページと第2版(528ページ)から内容が増え一部試験に関わる新しい記述もありますので、まだ第2版を購入していない方はぜひ第3版を選びましょう。
ただし第2版と第3版の内容を比較すると新しい記述部分から試験に出題される問題数は1-2問程度と思われますので、既に第2版を購入済みの方は第3版必須ではないと考えます。
別の記事で第2版と第3版を比較して今後の出題傾向を予想する内容を公開する予定です。X(Twitter)をご確認ください。

結論から言うと
①「解答と解説 第5版」を解きながら
②総論でハンドブックを読みこむ
③各論でアトラスを読みこむ
のサイクルを2~3回繰り返せば試験に合格する率はかなり高い
と思います。後述の学会誌や疾患各論ももちろん大事ですが、勉強時間あたりの得点効率を考えるとハンドブックの優先度は高いと考えます。
※未確認情報ですが内視鏡専門医試験では各論問題より総論問題の配点が高い?との情報があり(過去の内視鏡学会HP情報や過去受験経験者からの推測)、総論についての解説が充実した本書の優先順位が高くなります。

ハンドブックは総論の情報がメインなので、疾患画像や各論については他の書籍で勉強する必要があります。


3.上部・下部消化管内視鏡診断アトラス(2020年10月発行)
【優先順位:3位 重要度★★☆】

「解答と解説 第5版」とセットで使うと効率的です。内視鏡学会が直接携わっている書籍ではありませんが結果的にとても有用でした。私は「胃と腸」の増刊号や内視鏡関連ガイドラインなど書籍をたくさん購入しました(後述)が、結果的にこのアトラスをみる時間が最も多かったです。臨床でも非常に有用なのでこの機会に手に入れておくことを強くお勧めします。


4.消化器内視鏡関連ガイドライン2018(2018年9月発行、東京医学社)
【優先順位:4位 重要度★★☆】

重要なガイドラインのステートメントや要点がまとまっていてとても使いやすいです。臨床での有用性は他の書籍より高いかもしれませんが、試験対策として勉強時間あたりの得点効率を考えると優先順位はやや下になると考えます。私の場合本書を通読するというよりは、他の書籍や過去問解説で疑問が生じたとき・情報の整理をするときに参照する使い方をしていました。

本書の中で特に有用だったのは
・消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン
・抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン
・GIST診療ガイドライン
・IPMN国際診療ガイドライン
・膵炎局所合併症(WON等)に対する診断・治療コンセンサス
・自己免疫性膵炎診療ガイドライン
の項目です。他の書籍で曖昧な部分を確認するために使うイメージです。また本書のなかで特に
・1266p、1269p(GISTの診断治療方針、病理鑑別診断)
・1320p(PSCとIgG4関連硬化性胆管炎の比較)
の図が分かりやすかったです。
※「消化器内視鏡」という雑誌の一部として発行されているため、本書のページ数は1112pで始まり1366pで終わります。


5.内視鏡学会雑誌(KaLibから閲覧)
【優先順位:4位 重要度★★★】

学会が発行している雑誌です。
2022年7月試験までは下記理由で優先度低めでした。

(1)巻末の最も重要なページ「専門医学術試験問題とその解説」の大半が2021年7月に発行された「解答と解説 第5版」にそのまま掲載されていた→KaLib経由での印刷に時間と手間がかかるので2022年時点では優先度↓

(2)KaLib経由での閲覧・印刷に時間がかかる
※KaLibの使用方法は内視鏡学会のホームページ参照。この電子書籍サービスKaLibには印刷機能がありません。文字や画像のコピペはできるので印刷して勉強するためにはPCでKaLibを開き画像をコピー→Word等に貼り付け→体裁を整えて印刷・・・という作業が必要です。各巻をダウンロードするのも地味に時間がかかり、最終的に必要な情報を印刷するまで数時間かかります。

(3)巻末の「専門医学術試験問題とその解説」を除くと、試験対策としてはややマニアックな内容が多い

しかしながら2023年以降の試験にあたっては最新の「専門医学術試験問題とその解説」を必ず確認しておくことをおすすめします。
上述のようにKaLib経由での閲覧・印刷に時間がかかるので余裕がある早めの段階で印刷作業をすすめておきましょう
一方で「専門医学術試験問題とその解説」以外はマニアックな内容が多いので、学会雑誌直近3年分全てに目を通す!といった作業よりは「解答と解説 第5版」を解きながらハンドブックとアトラスに目を通す作業をぜひ優先してください。

内視鏡学会雑誌は下記のような使い方がおすすめです。

A.「解答と解説 第5版」に未掲載の「専門医学術試験問題とその解説」を解く(※未掲載の巻数・号数について内視鏡専門医試験対策ノート【2022年7月版】①にまとめています)
B.移動時間、すきま時間にスマートフォン等でKaLibのアプリから学会雑誌全体に目を通す
C.雑誌各巻の巻頭「Image of the Month」の画像など出題されそうな画像に目を通す(※上記対策ノート①にまとめています)


6.各種ガイドライン
【重要度★☆☆】

ガイドラインについては、上記4に挙げた「消化器内視鏡関連ガイドライン2018」で試験に必要な範囲はほぼ網羅されており、試験勉強のために追加で購入する必要はないと考えます。
私の場合は早期胃癌、大腸ESD/EMR、IPMNなどいくつか書籍が手元にありましたが、結局ちらっと見ただけで別途参照する必要がないと判断し上記4の資料しか使いませんでした。
インターネット上から入手できるもののリンクをご紹介します。

早期胃癌の内視鏡診断ガイドライン
大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)
消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン
抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン 【直接経口抗凝固薬(DOAC)を含めた抗凝固薬に関する追補2017】
EST診療ガイドライン


7.胃と腸 増刊号
【重要度★☆☆】

2021年、2020年、2019年の増刊号を入手して試験に臨みましたが、私は結果的にほとんど使いませんでした。特に2021年のものは治療手技に関する内容が多く、臨床では使える可能性がありますが試験の得点効率は低いです。2020年のものはポリポーシスの項目で理解を深めるために少し使いましたが、やはり試験のために有用と言えるレベルではなかったです。

強いて言えば2022年5月発売の「画像診断用語集2022」は得点効率がやや高いです。2022年2月や2019年にも出題された十二指腸のridge formationに関する設問は2017年の増刊号「画像診断用語集2017」から出題されており、次回以降も100問中1-2問程度は「画像診断用語集2022」から出題される可能性があります。「絶対に合格を逃すわけにはいかない」という2回目受験者の方など向けの内容と思われます。



8.インターネット情報(掲示板サイトなど)
【重要度★★☆】

直近の過去問について1年分をまとめた資料は基本的にインターネット情報しかありません。ガイドラインや書籍よりむしろ得点に繋がる情報が多いと思います。2022年2月以降の過去問については下記noteでも詳細に考察しましたので是非使ってください。
内視鏡専門医試験対策ノート② 2022年2月過去問分析(総論+上部)
内視鏡専門医試験対策ノート③ 2022年2月過去問分析(下部+胆膵)
内視鏡専門医試験対策ノート④ 2019~2017年の過去問考察
内視鏡専門医試験対策ノート⑤ 膵胆管合流異常、感染症、予想問題など
内視鏡専門医試験対策ノート⑥ 2022年7月過去問分析(総論+上部)
内視鏡専門医試験対策ノート⑦ 2022年7月過去問分析(下部+胆膵)

5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の書き込みは参考になる情報が多々ありますが、情報を選別するのに一定の時間を要します。ちなみにスレッドのタイトルがスレッド作成者さんのミスで第1回→2回→3回→2回となっているのでご注意ください。
【消化器】消化器系専門医スレ 第4回【専門医】
【消化器】消化器系専門医スレ 第5回【専門医】
【消化器】消化器系専門医スレ 第6回【専門医】


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

さて、ここまでが優先順位の高い書籍や資料の紹介でした。
ここからは試験対策スケジュール(案)についてご説明します。


【内視鏡専門医試験対策スケジュール2024年版】

一案として、

1.まず「解答と解説 第5版」をざっと1周(約3~7日間

2.次に「ハンドブック」「アトラス」などを参照しながら「解答と解説 第5版」をもう1周(7日間程度かけてじっくりと、各選択肢の意図を読みこむ。余裕があればノートなどにまとめながら)

3.ここで試験まで2週間程度の余裕があれば内視鏡学会雑誌を順次ダウンロードして目を通す。必要そうな箇所をピックアップしてまとめる(1~3日間程度で素早く一気に!)
※「解答と解説」をじっくり読んだことにより、雑誌のどこが出題されそうか自分なりに予想ができるようになります。
※この作業は地味に時間がかかる割に得点効率が悪いので、あまり時間をかけすぎないよう意識しましょう。

4.上記でカバーできない範囲の情報収集やまとめ。例えば肝胆膵領域で頻出のIPMN・MCN・SCN・SPNの鑑別や潰瘍性大腸炎・Crohn病それぞれの保険適応治療など。インターネット情報で直近の過去問にも目を通す(3日~7日間程度)

5.最後に仕上げの「解答と解説 第5版」3周目。正答はほぼ一瞬でも、知識に厚みが増したことで2周目に気付かなかった大事な解説文などに気付けると思います(3日間程度)

上記スケジュールで約4週間あれば試験に臨めると思います。ただし臨床業務等で十分に時間がとれない可能性も考えると、2か月程度前から試験準備を始めることをお勧めします。上記3と4はどちらが先でも構いませんが、地味なPC作業を試験直前にやると精神的に疲弊しそうなので3に学会誌を持ってきました。

個人的な印象で、普段から内視鏡業務に従事していて上部・下部・ERCP・最低限の緊急処置など経験している方であれば一切勉強していない状態でも50~70%程度は正答できるかと思いますが上記の各スケジュールを経ることで

1.10%UP
2.10~20%UP
3.3~5%UP
4.5~10%UP
5.3~5%UP

程度の得点UPが期待できると考えます。私が先輩から事前に聞いたお話で「消化器病専門医試験は落ちたと思ったら受かり、 内視鏡専門医試験は受かったと思ったら落ちた人が多い」とのことで、試験後の同期の感想を聞いていても確かにその傾向がありました。これも定かな情報ではありませんが内視鏡専門医試験は相対評価と言われており、75-80点程度と比較的高い点数が合格のボーダーのようです。難易度は高くないようでも準備不足だと意外に落ちてしまう試験です。
★他の多くの受験者が正答する問題を確実に正答する
★勉強不足の受験者が誤答する問題を3~5問程度でも正答する
ことで合格に近づくと考えます。


【内視鏡専門医試験対策ノート 2024年版】

次の内視鏡専門医試験にむけて、昨年度までの試験で有用だった情報をまとめて記事にしました。

内視鏡専門医試験対策ノート① 【2024年版】
1.膵嚢胞性病変:膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性嚢胞腫瘍(MCN)、漿液性嚢胞腫瘍(SCN)、充実性偽乳頭状腫瘍 (SPN)について(実際の症例画像などから抜粋)
2.潰瘍性大腸炎・Crohn病それぞれの保険適用治療
3.内視鏡学会雑誌の必要箇所まとめ
 3-1.「解答と解説 第5版」未掲載の過去問
 3-2.内視鏡学会雑誌抜粋(過去問以外)
★こちらの記事内でご紹介する内容でKaLib経由の印刷作業が軽減されす。詳細は記事をご参照ください。

内視鏡専門医試験対策ノート② 2022年2月過去問考察(総論+上部)

内視鏡専門医試験対策ノート③ 2022年2月過去問考察(下部+胆膵)

最新の2022年2月過去問については上記2つの記事でかなり詳細に再現しています。新問も多く、2023年もそのまま出題される設問は複数あると思われます。

内視鏡専門医試験対策ノート④2019~2017年の過去問考察
2022年2月過去問復元と異なり詳細というよりは全体的な考察となります。近年の出題傾向、設問100題の配分、毎年必ず出題されている分野・疾患などを確認するためにご使用ください。


内視鏡専門医試験対策ノート⑤膵胆管合流異常、感染症、予想問題など
1.膵胆管合流異常、膵管癒合不全、輪状膵まとめ
2.遺伝子検査+免疫染色まとめ
3.マイナー感染症関連まとめ(スピロヘータ、エルシニア、寄生虫など)
4.EUS関連 ※
5.ESD関連 解き方のコツ ※
6.ポリポーシス関連 ※
7.治療薬関連 ※
8.予想問題
9.キーワード集 (約40個)
上記のような内容となっています。※印のついた4~7については情報量が少なく他の書籍をちょっとだけ補うおまけ程度の内容なので、予めご了承ください。


記事内には時間をかけて調べればわかる情報もありますが、各自で情報をまとめる時間も短縮できる資料となっています。主に前述「内視鏡専門医試験対策スケジュール」における3.4.の作業を短縮・省略できますので、是非お役立ていただければ幸いです。

上記資料を改めてまとめたところかなりの作業量になったこともあり有料の限定公開記事としています。なお一部記事は購入頂いた上で記事内に記載した簡単な条件を満たした方(1分程度の作業)へ別途印刷用のPDFファイルをダウンロードできるようになっています。

【関連ページリンク】
消化器内視鏡専門医試験【2024年版】対策と過去問 (本ページ)
内視鏡専門医試験対策ノート① 【2024年版】膵嚢胞性病変、UC/Crohn保険適用、内視鏡学会雑誌必要箇所まとめ
内視鏡専門医試験対策ノート② 2022年2月過去問考察(総論+上部)
内視鏡専門医試験対策ノート③ 2022年2月過去問考察(下部+胆膵)
内視鏡専門医試験対策ノート④ 2019~2017年の過去問考察
内視鏡専門医試験対策ノート⑤ 膵胆管合流異常、感染症、予想問題など
内視鏡専門医試験対策ノート⑥ 2022年7月過去問分析(総論+上部)
内視鏡専門医試験対策ノート⑦ 2022年7月過去問分析(下部+胆膵)


最後に

私にとって内視鏡専門医試験はこれまでの内科・消化器系試験の中で最も臨床に有用で試験勉強が楽しかった試験だったので、これからも最新の情報に触れながら知識を更新していきたいと思っています。これから試験を受ける皆様が効率よく試験勉強を進め、結果として臨床でひとりでも多くの方により良い医療を提供する一助になれば幸いです。
長くなりましたが、最後まで目を通していただきありがとうございました。


Dr Y

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