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4章 (11) '88/1月 送稿と図面

年末の多忙の時に。原稿をドサッとあなたに送りつけたのに、29日には、的確なご指摘の書きこみを入れて、送り返してくれて多謝!これでやっと『あじさい寮・1』を、29日の夜清書し始め、4日に157枚に仕上げ、5日 にコピーを取って、原文の方を大石真先生に送っておきました。K女史は7日から出勤だそうで、コピーを送るのは失礼かもと、大石先生から戻る原稿を送ることにします。

今、我が家は「図面」を巡って大にぎわいなの。急に家の建て替えの話が 進み出し、檜原の山小屋を建ててくれた工務店主と、ミスタ・Mとの話し 合いの後、トントン進んでる感じ。ちょうど次男が戻っていた時でもあり、彼が夢を織りこんでくれて、大借金を背負うことになりそうです。一家7人3世代家族と伯母ちゃん、その上、将来の長男の嫁も頭に入れて、となると、図面のやり直しは、すでに50枚を超えたみたい。

そうなると、今年は大荷物の整理と、転居先を決め、荷物移動と収納問題が起こるよ、できるかなァ、というところです。でも、こういうのは、楽しい悩みよね。あまり年取ると、エネルギーがなくなるから、今のうちに頑張った方がいいものね。今年の4月か5月には、今の家がなくなって、更地になるはず。

あなたの前回のノートのドラマの展開に、まるで神様が恩師に引き合わせてくださって、最期を見届けさせて下さったみたいだったのね。事実は小説より奇なり、の典型みたいに思えてきました。あなたが眠れなくなるのも無理ないわ。そこへ、私の『あじさい寮』の、チャカチャカした、明るすぎる文を読まされたのだから、その感覚のズレに悩まされたと思うわ、ごめんね。送る時期がまずかったと気になる。

私の作品は、きっと〈レトロ〉に受け取られて、K女史に送ったら、返事に困って、長引くだろうな、と覚悟してます。でも、一応、私の塾の中学生や高校生の女の子たちの、学校での様子など、かなり参考にしながら、書いてはいるけどね。女の子は「ボーイフレンドと、歌手とデートと結婚とか、そういうことだけ考えてるみたいな風潮は、ちょっと頷けないよ」ということも入れた、ってわけ。そう言いつつ、軽ーくなっちゃったけど。

今年は「ソウル・オリンピック」の年だから、あなたはワクワクしてるのではなくって? 韓国語の勉強が続いてるなんて、感心、尊敬、瞠目、半信半疑・・私など、専門の英語を忘れ始めてる方だもの。これから新しい言語を学ぶなんて考えられない。

今日は小寒。1月を乗り越えれば、2月はお互いに嬉しい〈わたしたちの月〉よ。お互いに元気で風邪引かないようにして、春まで辿りつきましょう。私の作品、1年以上遅れちゃったけど、とにかく「おわり」まで書けた嬉しさで、気持ちが浮き立っているお正月です。では、またね。

漢方の眠れる薬とか、教えてくださいね。私は興奮しては、ネムレナイ性で、苦労してます。よろしく。

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