(157) ひなまつり

「３日の　３じに　あそびにきて　ください。しんくん、かっちゃんへ」

５かいの　６ごうしつの　ゆりちゃんから　はなもようの　ふうとうが　　とどきました。

「きっと　おひなまつりよ。およばれなんて、はじめてね」
と、ママは　じぶんも　いきたそうな　かおをしました。

そのひ、イチゴの　おみやげをもって、信くんとかっちゃんは、かいだんを　かけのぼりました。

ドアをあけると、いいにおいと　にぎやかなこえが　ながれてきました。

「はやく　はいって」
あらわれた　ゆりちゃんの　すがたに　ふたりは　めをぱちくり。

ふわふわの　しろいセーターに　ながいスカート、あかいりぼんまで　つけています。ジーパンと　おにいちゃんゆずりの　やきゅうぼうが　すきな　ゆりちゃんが　です。

リビングのソファに　おなじマンションの　おとこのこ４にん、もじもじ　ちろちろ、おひなさまと　テーブルの　ごちそうを　みまわしています。

「わっ、ウメのはなの　おすしだ！」
かっちゃんのこえを　きっかけに、おやつタイムが　はじまりました。ウメのはなの　かたちの　おすしに、ケーキも　イチゴも　ジュースも、あっというまに　たいらげました。

ゲームをしたり、トランプで　ばばぬきや　しちならべも　しました。

ぼんぼりに　ひをともすまで　あそびました。おわかれの　さよならのあと　　　　　　　　　　　　　かいだんを　おりながら、かっちゃんが　いいました。

「ぼくんちも　ひなまつり　やりたい」

信くんは　ちょっと　かんがえて　いいました。

「きっと　らいねんには　やってもらえるよ。カヨが　いっさいに　なる　からさ。ことしは　おわったけど」

「らいねんって　いつのこと？」

どういえば　かっちゃんに　わかるかな？　信くんは　かんがえました。

「かっちゃんが　むっつに　なってるとき・・だね」