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「天気の子」感想 ※ネタバレ有
「君の名は。」では、瀧くんと三葉の2人が主人公でした。
しかし今作、私が思ったのは、主人公は帆高と須賀さんなのではないか?という事です。
というのも、この二人の視点は濃密に描かれるのに、陽菜さんの視点はどうも薄い気がしたからです。
帆高は、陽菜さんという一人の女の子のために世界を沈没させてしまいます。少年特有の「わがままさ」ゆえですね。
須賀さんは、そんな帆高とは対照的に「大人」として描かれています。
「一人が犠牲になって世界が救えるならそっちの方がいい」という、大人らしい冷静な考えの持ち主で、はじめは帆高の無鉄砲さに批判的でしたが、彼の行動にはっとして心変わりします。
帆高と同じように、須賀さんにも、何を犠牲にしても会いたい人がいたのです。
そう、娘さんですね。(と、当初は思ったのですが、今にして思うと亡き奥さんかもしれませんね)
帆高の行動に感化された須賀さんは、帆高を後押しするために、公務執行妨害をしてしまいます。娘さんに会えなくなるにも関わらずです。子供らしい無鉄砲さがここで宿ったと言えるでしょう。
つまり須賀さんはここで「型にはまった大人」からステップアップ、成長したわけですね。
そう考えると彼の姪である夏美さんも、彼の「大人」ぶりを引き立てるためのキャラクターに過ぎなかったのでしょう。
彼女は、年齢は大人ですが、精神性は子供でした。そういった人物を須賀さんの近傍に配置することで、彼の凝り固まった「大人」としての精神性が強調されていたように思います。
就活が上手くいっていなかったり、やたらとグラマラスな身体をしていたり、帆高に助力したりしていたのも、彼女の内面的な「子供らしさ」を表現するためなのだろうなと。
僕がこの映画にどうも感情移入できなかったのは悪い意味で大人としての感性が固まってしまっている証拠なのでしょう......(笑)
他に批判点をあげるならば、前作では「田舎」「都会」が対比的に描かれており、舞台のスケールが幅広くなっていたのですが、今作では都会特化だったこと。
そしてシナリオのどんでん返しがなかったことでしょうか。前作では「ただの入れ替わりと見せかけて実は三年間の隔たりがあった!」という番狂わせがあり、それが観衆の心をつかむ大きな要因の一つだったのですが、今作はありませんでした。
総合的に考えてもやはり「君の名は。」には劣ってしまうな、と思いました(あくまで個人的に、です!)。
「天気の子」の感想はこのあたりにしたいと思います。もし、要望などございましたらご遠慮なく言って頂ければ、自分としても幸いです。
それでは今日はこの辺で。おやすみなさい。
サムネイル画像出典:https://www.google.co.jp/amp/s/realsound.jp/movie/2019/07/post-393625.html/amp