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死にたさと生きる


嫌なあだ名をつけられたこと。ばい菌扱いされたこと。「死ね」と書かれた紙を筆箱に入れられたこと。椅子を蹴られたこと。給食着をゴミ箱に捨てられたこと。そんな10代(現在20代後半)を今でも思い出してしまうこと。家族を好きになれないこと。おじいちゃんからの手紙にいつも兄にまつわるメッセージしかないこと。兄だけが「優しい子」だと言われること。たぶんすべての人のことをうっすら嫌いなんだと気付いたこと。1人が好きとか言って、人と暮らせないこと。それなのに、周りの結婚や出産に焦ること。人を信じられないこと。自分なんて、と言いながら馬鹿みたいにプライドが高いこと。
きもい。きもすぎる。死にたい。
今何かあったわけじゃない。ないんだけど、もうなんか自分という存在が無理になる。
疲れた。消えたい。毛布に包まり、ひとりで泣く夜。引っ越したばかりの、1Kマンション。寒い。死にたい。


それなのに。わたしはこの世界に好きなものがありすぎる。音楽、映画、お笑い、本屋、健康センター。あの人優しかったなという記憶のかけらたち。
人前で声を出せなかったわたしが、音楽の授業で初めてみんなに紛れて歌ってみた時(とても小さな声)、「今日はなんだかいい声が聴こえる」と先生が言ってくれたこと。それは、たぶん先生の優しさだと気付いたこと。
ふらっと入ったカフェのケーキが美味しかったこと。
オダウエダがおもしろすぎて涙が出るほど笑ったこと。(見出し画像は、11/13のライブでわたしが撮ったもの。遠くからだったから、ぼけぼけだけど、宝物。)
生理が来そうでウエルシアにナプキンを買いに行ったらレジのおばちゃんが優しかったこと。
わたしがあげたハンドクリームを大切そうに塗っている職場の先輩がいること。


死ぬしかない。
なのに、なんで。なんで、生きててよかったって思ちゃうんだろう。

あーあ、買ったばかりの毛布の毛がぽろぽろ抜けて、腹立つなあ。

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