歯内療法はおもしろい
歯内療法との出会い
歯内療法(しないりょうほう)は文字通り「歯の内部の治療法」のことを言います。これには、生活歯髄療法・初回の根管治療・二回目以降の根管治療(再根管治療)・外科的歯内療法があります。
歯はヒトの身体の中で一番硬い組織で、その歯の内部には歯の神経(歯髄)という組織があり、根の先には直径約0.2mmの孔が開いていて、顎の中の神経や血管とつながっています。
むし歯になって、歯がしみたり、ひどく痛んだことありますよね? これは歯髄の尊い働きで、痛みセンサーとして重要な役割をしています。
歯髄を失うとその後の治療内容にもよりますが、歯の寿命(抜歯に至るまでの期間)は15~20年短くなるとも言われています。
このようなことを鑑み、歯内療法専門医はまず歯髄の保存・保護・温存(歯髄を取らずに残す)を何よりもファーストに考えます。これは、病的になったしまった歯髄を除去する「根管治療」・「再根管治療」・「外科的歯内療法」が非常に困難を極めるというところにもあります。
私が「歯内療法」に興味を持ったのは歯学部の学生時代です。座学以外に色々と実習が歯学部にはあるのですが、実習が好きで得意だった私を唯一苦しめたのは、この「歯内療法」の実習でした(笑)。特に歯髄を除去する「抜髄」や根管治療の再治療「再根管治療」はホンマに苦手でした!(笑)
そんなふとしたことから、私は「歯内療法」に興味を持ち、大学院卒業後はアメリカに渡り、「歯髄再生」・「歯の再生」・「バイオセラミックス」に関する研究に携わる傍ら、カリフォルニア式の「歯内療法」の臨床にも携わってきました。そして、世界中の「歯内療法」を観(診)てきました。ものすごいポテンシャルを持つのに、ものすごいニッチ(niche)な「歯髄」が大好きです(笑)!
現在は「歯内療法専門医」として自費診療をメインに、" 患者さまの「歯の寿命」を一日でも長くしたい " をモットーに日々、海外・国内で診療に従事しています。
生活歯髄療法(Vital Pulp Therapy)のススメ
前述したように、歯内療法専門医はまず歯髄の保護(歯髄を取らずに残す)を何よりもファーストに考えます。この歯髄を保護(歯髄を取らずに残す)する治療を生活歯髄療法(Vital Pulp Therapy:VPT)と言います。
このVPTには次の5つが必須です。
①科学的根拠に基づいた診査・診断(術前・術後)
②マイクロスコープ
③バイオセラミックス
④ラバーダム防湿
⑤十分な診療時間
さらに、①を的確に行う能力、②〜④を使いこなす技術が必要であることは言うまでもありません。
近年、患者さまも「歯の神経(歯髄)」の大切さを認識し、当院にも数多くの「生活歯髄療法」を希望される方が急増しています。
むし歯が大きくて、「歯の神経を取らないといけない!」と言われたら、生活歯髄療法(VPT)を積極的に治療の選択肢に入れることをおススメします!
ただ、生活歯髄療法(VPT)は保険外診療(自費診療)で、日本の相場(4~5万円)の治療費と、その後の歯冠修復処置(詰め物)に3~5万程度かかかりますが、ぜひ、一度検討して欲しいと思います。
歯内療法に強い歯科医院(歯科医師)をどう選ぶ?
皆さん、歯科医院(歯科医師)をどう選んでいますか?
通院のしやすさ? 口コミ? 有名な先生だから? 専門医だから? 大学病院は安心だから? YouTube動画を観たから? きっと、いろいろあると思います。何が正解だと思いますか?
「歯内療法専門医」の私からみた、歯内療法が得意な歯科医院(歯科医師)の選び方のポイントをご紹介します!あくまでも私見です(笑)。
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