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小屋に出会う5「壁のない小屋」

こんにちは。
小屋に魅せられて、小屋の魅力について書いています。
「小屋? なんだ、それは?」と思われるかもしれませんが、
もしよろしければ、しばしお立ち寄りください。
前回は風呂小屋の装飾について書きました。今回は、、、。

スケルトンだけの小屋に出会った

淡路島を訪れた際に、骨格だけの小屋に出会いました。
何だろう、これは?

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別の角度から見てみます。
こちら側が入り口でしょうか。いや、そもそも入り口という概念がこの小屋にはないような気もします。

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近寄ってみると、、、。

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普段は小屋の中を見たくても見ることはできませんが、今回は思う存分に見ることができます。ただし何もない空間。。。
いえ、正確に言うと何もないわけではありません。天井かと思いきや、木の棒がずらっと並んで格納されています。

壁のない小屋は淡路島のあちこちにあった

他にも同じような小屋があちらこちらにありました。
小屋好きとしては気になります。

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さらに車を走らせると、小屋の横で苗の植え付け作業をしているご夫婦がいたので、話を伺ってみました。

農家の方に話を聞いてみた。

うろ覚えですが、会話を再現してみます(お話を伺ったのは2019年1月です)。

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「こんにちは」
おかみさん「はい、こんにちは」
「お仕事中にすみません。小屋の写真を撮り歩いているのですが、この壁のない小屋は何のためにあるのですか?」
おかみさん「ああ、これはタマネギ小屋。収穫したタマネギを干すための小屋なの」
「タマネギ小屋ですか!?」
おかみさん「そう。淡路島はタマネギの産地なのよ」
「そうなんですね!お恥ずかしい。知りませんでした」
おかみさん「タマネギをひもで結んで棒にかけておくの。風通しのよいところで干してあげて順次出荷していくのよ」

うーん、世の中知らないことばかりです。
風通しをよくするために壁がないんですね。
そう言われれば、タマネギがちょっとだけ干してある小屋がありました。
下の写真です↓。
天井に架けられていた木の棒は玉ねぎを吊るすためのものだったんですね。

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私は先ほど「何もない空間」と書きましたが、正確に書くのなら、玉ねぎの乾燥と出荷が終わり、次の収穫期に向けて玉ねぎを迎え入れるための「待機中の空間」、となるのでしょうか。

「じゃぁ、収穫期には小屋がタマネギだらけなんですか。何だか想像すると圧巻です」
おかみさん「そうよ。でも最近は天日干しじゃなく、温風で一気に乾燥させる農家が増えてるの。ウチもそうしているわ。本当は天日干しの方が甘みが増して、保存も効くんだけどね。だから、今ではこうした小屋も使われなくなって減ってきているのよ」

自動化・効率化が、まさか玉ねぎの乾燥にまでおよび、味にまで関係しているとは思いもしませんでした。
そして、タマネギ小屋が徐々に追いやられているとは、小屋好きの私としては寂しい限りです。

おかみさん「それはそうと、あなた、ノウミンシャって知っている? 淡路島にしかない車、もう見た?」
「え、なんですか?」
おかみさん「農民の車で農民車。戦後に鉄工所とか町工場で作られた、タマネギを運ぶ農作業車なんだけど、淡路島の中でしか走っていないのよ。以前、ウチの農民車を撮らせてほしいって、東京から写真家が来たことがあるわよ。」

そう言われてみれば、エンジンむき出しのヘンテコな運搬車が小屋に収納されていました。
これですね。

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農家のおかみさんは通りすがりの私に丁寧に色々と教えてくれましたが、苗の植え付けをしているご主人は耕運機(というのでしょうか)を押して、黙々と作業を続けています。
長居をしてもなんだかご主人に申し訳ないので、ここで失礼することにしました。本当にありがとうございました!

今思い返してみると、ご夫婦があのときに植え付けていたのは時期的にまさにタマネギの苗だったのかもしれません。

小屋の写真を撮り歩いていると、思わぬ出会いがたくさんあります。

もし興味のある方は「タマネギ小屋」と「農民車」で画像検索してみてください。
「なにこれ!」的な楽しい写真が出てくると思います。

今回はがらんどうのタマネギ小屋の写真しかお見せできませんでしたが、いつかタマネギで膨れ上がった小屋の写真を撮る機会に恵まれたら、ここでレポートしますね。
                               2019.12.02
(つづく)

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