内視鏡クリニックNSのための 日本消化器内視鏡技師認定試験の受験申請解説
2024年3月3日に実施される日本消化器内視鏡技師認定試験の受験申請について解説します。
省略している部分もあるので、詳しくは、日本消化器内視鏡学会のホームページ「消化器内視鏡技師認定試験実施のご案内」を確認してください。
申請書類も、そこからダウンロードできます。(配信期間2023年8月28
日から2023年10月1日)
1)受験資格
日本消化器内視鏡技師になるには、認定試験試験に合格することが必要です。
受験資格として、
1.看護師(助産師・保健師含む)、准看護師、衛生検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士、臨床検査技師、薬剤師いずれかの資格を有していること
2.過去5年以内に、日本消化器内視鏡学会認定の専門医(非常勤含む)が従事する施設で、内視鏡に従事した勤続年数が満2年以上であること。
・勤続年数が満2年以上であっても、他部門に勤務している期間や専門医が不在期間は無効。
・申請書を提出する時点で満2年であることが必要。
→同じ勤務地で、2021年の9月以降から内視鏡に勤務されている方は、翌年の受験になります。
勤続年数は継続していなくても問題ありませんが、満2年以上(申請から遡って5年以内)、専門医がいる施設に限ります。勤務証明書と内視鏡講義受講・介助実績証明が各勤務地ごとに必要です。
3.申請時点で、日本消化器内視鏡技師会・技師会各支部主催の「消化器内視鏡技師学会」または「内視鏡研究会」に2回以上出席していること。
・申請する年から遡って5年以内(今回は、2018年3月以降の出席が対象)
・出席証明書紛失の場合は無効
・機器取り扱い、医学講習会、講演会、懇親会、各種セミナー、フォーラム、総会などは無効
→要は、演題発表のある学会に2回は、参加してくださいってことです。
内視鏡技師会には「日本内視鏡技師会」と「地方の内視鏡技師会」があります。
日本内視鏡技師会は遠くていけない!と言うときは、住んでいる地方の内視鏡技師会のみの参加でも大丈夫です。
日本も各地方も、年2回づつ開催されています。
コロナの影響もあり、最近はWebでも視聴できるので、参加しやすくなりました!
日本技師会、住んでいる地方の技師会の参加が間に合わないときは、住んでいる所とは、全然違う地方の技師会に参加したっていいんです!
(余談ですが、いつも行かない地方会に参加すると、その地方のノリ・・と、言うか、空気感が違って面白いです)
Webの参加証明書は、ダウンロードで入手できます。
視聴が必要な演題グループの途中で、パスワードが出てくるので、それをメモしておいて、入力画面で入力すると参加証明書をダウンロードできるようになっています。
できる期間も決まっているので、忘れないうちに、ダウンロードして、プリントアウトしておくことをお勧めします!
もう一つ、注意が必要なのは、Web配信が、現地の学会開始日の数週間後に、始まることがあります。その場合、現地で参加証明書を受け取れば、申請に間に合うけど、Webだと間に合わないことがありますので、配信期間を確認してください。
さらに、受講証明証をなくしたり、期間中にダウンロードしていないと、参加証明ができないので、無効になってしまいます。受講費の領収書では、認められません。
4.申請時点で日本消化器内視鏡学会支部長が承認した消化器内視鏡技師会・各支部主催の「機器取り扱い 基礎編」に1回以上出席していること
・申請する年から遡って5年以内(今回は、2018年3月以降の出席が対象)
・出席証明書紛失の場合は無効
・機器取り扱い実践編、トレーニングコース、支部長の承認のない勉強会は対象外
→機器取り扱い講習は基礎編と実践編の2種類があります。
試験に必要なのは基礎編です!(実践編は、内視鏡技師資格があるか、基礎編を終了していることが参加条件になります。間違って受けることは、ないと思うのですが・・)
FUJI編とOLYMPUS編がありますが、どちらでも大丈夫です。
5.日本消化器内視鏡技師会・各支部主催の医学講座に参加、または勤務先の日本消化器内視鏡学会認定専門医から、医学講座を20時間以上受講していること
①内視鏡学総論
②内視鏡検査と診断
③内視鏡的治療
上記を内視鏡基礎として、合計20時間以上
・申請する年から遡って5年以内(今回は、2018年3月以降の出席が対象)
・詳細は、「医学講座カリキュラム」を参照(医学講座カリキュラムは日本消化器内視鏡技師認定試験のホームページから見れます)
・医学講座に出席すると、受講証明書が交付される、受講証に記載時間を受講時間としてカウントできる
・医学講座参加と勤務先専門医からの受講を合算することも可能
→クリニックから受験するときは、認定専門医が在籍しているかを確認してください。
専門医が在籍していれば、普段の勤務時間中に医師に講義を受けているとみなし、医学講座への参加は不要になります。
特に、専門医にこのように受講しなければいけないという規定もないので、専門医に受講時間を確認し、サインをもらえばいいようです。
6.次の項目における申請者本人の消化器内視鏡介助症例件数の合計が年間100件以上かつ認定専門医より証明および推薦が得られること
①上部消化管(検査・処置)
②下部消化管(検査・処置)
③胆・膵(検査・処置)
・件数の申告は、原則直近1年間の介助件数
・直近1年に休職・無職・専門医不在施設に勤務のときは、過去5年以内の件数を記載
→認定専門医からの推薦状が必要になります。専門医がいない施設では、推薦状を書いてもらえないため、受験できません。
介助の件数は、年間で100件以上検査をしていることが条件になるようです。
だいたい、月に9件以上・・。
内視鏡技師免許を取得しようと思うくらいのスタッフがいる施設なら、もっと多くの件数をしていると思うので、件数は問題なくクリアできると思うのですが・・。
2)日程
(この日程は、あくまで「予定」なので、再度、ご自身で日本消化器内視鏡学会のホームページを確認してください。)
内視鏡技師試験には「書類審査」と「学術試験」があります。
書類審査は、1)の受験資格を満たしていることが条件です。
申請書の配布期間は、2023年8月28日正午ごろ〜2023年10月1日です。
内視鏡学会のホームページからダウンロードします。
申請書の受付期間は、2023年9月1日〜2023年10月1日です。
余裕を持って郵送しましょう!!
書類審査に合格後、学術試験を受けることができます。
書類審査の合否は2023年12月中旬に郵送で届きます。
書類審査に合格したら、次はいよいよ学術試験です。
学術試験は2024年3月3日に実施されるようです。
3)CBT方式
受験方法は、マークシートではなく、CBT方式で行われます。
私は、最近、英検をCBT方式で受験しました。
その時の経験から、CBT方式についてお話しします。
CBT方式のメリットは、自宅近くのCBTテストセンターで受講できるので、わざわざ東京ビックサイトに行って受験する必要がないことです。
また、パスコンでの受験になるので、小さいマークシートを塗りつぶす必要がないので、問題とマークする番号がズレちゃった!みたいなことは少なくなります。
マウス操作でポチポチと番号を選択していくだけなので、簡単です。
あとで見直ししたい問題もマークできるので、見直しもしやすいです。
また、一人ひとりのブースに区切られているので、集中して、受験することができます。カンニングなどの不正も、かなり防止されます。
デメリットとしては、パソコンを使い慣れていない方は、抵抗があるかもしれません。でも、普段、電子カルテで閲覧、記載している方は、問題ないと思います。
テスト会場で受付をすませると、全ての荷物をロッカーに入れます。
そこそこ厳重で、携帯電話やアップルウォッチのようなものは、持って入れません。持って入れるものは、指定されています。
4)合否通知
学術試験の合否通知は2024年5月頃に郵送されます
5)おすすめの教材
1.消化器内視鏡技師試験問題解説ⅴ :医学図書出版
2.消化器内視鏡技師試験 即効マスター:医学図書出版
3.病気が見える 消化器:医療情報科学研究所
この3冊があれば、まず問題ないと思います。
1冊に絞りたいときは、間違いなく、過去問題集です。
技師試験の勉強は、過去問を中心に勉強してください。過去問を勉強していると、技師試験の問題の傾向がわかってきます。
内視鏡技師会が毎年実施している「消化器内視鏡技師認定試験対策講座」を受けてみると、詳しい過去問からの問題の傾向と対策を教えてくれます。
6)まとめ
内視鏡技師試験では、ERCP、EUS、ESDなどクリニック勤務だけでは、経験できない検査、処置からも出題されます。
ハードルが高く感じるかもしれませんが、今はyoutubeなどのSNSで内視鏡治療の実際の画像も見ることができます。
試験に挑戦してみたいけど、近くに内視鏡技師試験を受けている人がいない、試験問題が難しそうで受験するのに迷っている内視鏡クリニックNSのお手伝いができるような記事を、今後も書いていこうと思っています。
クリニックで活躍できる内視鏡技師が、一人でも多く、増えて来れればいいなと思います。