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胃カメラは鎮静剤を使う方が楽なの?

こんにちは、内視鏡技師のエンドーです

私は、年間の内視鏡件数1万件以上の総合病院で看護師・内視鏡技師をしています

内視鏡の管理、スタッフの教育、患者さんに安全な検査を提供できるように環境を整えていく仕事をしています


今日は「胃カメラは鎮静剤を使う方が楽?」と言う疑問にお答えします

ズバリ、答えはYESです

胃カメラは、喉元を通るときにオエッとなりやすいです

検査前に喉元にキシロカインをスプレーして、局所麻酔をかけます

それでも、敏感な方は、やはりしんどいと思います

ただ、鎮静剤はすべての人に使用できるわけではありませんし、喉元の咽頭麻酔だけで検査も可能です

鎮静剤を使用しない場合は、力を抜いて、リラックスすることが上手に検査を受けるコツです



では、鎮静剤を使用するメリット・デメリットについてお話しします

鎮静剤の特徴を知った上で、使用を検討してください

皆さんの選択のお役に立てれば嬉しいです


鎮静剤を使う状況

胃カメラの検査すべてに鎮静剤を使用するわけではありません

主に、口からカメラを飲む経口内視鏡の時に使用します

鼻からの経鼻内視鏡には、あまり使用しません

経鼻内視鏡は、検査中、起きている状態で、医師と画面を見て会話ができることが特徴です


また、検査後に精密な仕事、運転が必要な時は鎮静剤は使用できません


高齢で転倒の危険性がある、鎮静剤を使用することで血圧が下がったり、血中の酸素濃度が下がる恐れがある、と判断するときも、使用を控えてもらうようにします


鎮静剤を使用するメリット

施設によって、使用する薬剤は異なりますが、当院では、ミダゾラムという薬を使用しています

この薬を使っている施設が多いと思います


これは、すぐに効いて、醒めるのも早いことが特徴です

鎮静剤を使用するメリットは、うとうとした状態で検査が受けられることです

いつの間にか終わっている、とおっしゃる方もたくさんいます

鎮静剤で、脱力できるので、検査する医師も、スコープ操作がしやすくなります


鎮静剤を使用するデメリット

鎮静剤は、内視鏡検査を楽にしてくれるものではありますが、100%安全ではありません

特に、高齢の方、呼吸器に基礎疾患のある方は、血圧や、血中の酸素濃度が下がったりするリスクが高いです

リスクが高いと判断される時は、鎮静剤の使用ができない場合があります


精密な仕事、運転をする場合も使用できません

薬が醒めていると思っても、一瞬の判断力は普段より劣ります

普段なら回避できることも、できないことがあるので、運転は危険です


ただ、人によっては、薬が効かない、または覚めにくいこともあります

酒豪家、強い睡眠薬を長期に内服している方は、効きが悪いかもしれません


また、健忘症状が出ることもあるので、カバンに診察券を入れたことを忘れて、受付に「返してもらっていない」と帰ってこられる方もいらっしゃいます


高齢の方や、杖を使用している方は、ふらつきが出ますので、転倒しないように、ご家族と来院されることをおすすめします



胃カメラは、鎮静剤を使用することで、楽に受けることが可能です

検査がしんどいと、定期的に検査を置けることが苦痛になります

ただ、鎮静剤は、副作用もあることを知っておいてください

この記事が、内視鏡を受ける皆さんのお役に立てば嬉しいです










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