大腸の内視鏡って痛くないの?
こんにちは、内視鏡技師エンドーです
大腸の内視鏡検査って皆さん、どんなイメージですか?
「下剤を飲むのが大変そう」
「麻酔は効くの?」「痛くないの?」
「検査って、どんな感じでするの?イメージがわかない」
これらの疑問にお答えします
検査について知っておくと、不安な気持ちが軽くなります
この記事では、
①検査前の準備 ②検査室での様子
の2つに分けて説明していきます
検査を受けてみようかな、と思っていただければ嬉しいです
内視鏡の経験年数が浅い内視鏡スタッフの方にも参考になる記事にしています
①検査前の準備
検査前日に、下剤の内服をします
当日、朝から腸管洗浄液という1.5〜2リットルの下剤の内服があります
実は、これは、しんどいです.....
たくさんの下剤を飲んで、トイレに何度も行くというのは、なかなか苦痛だと思います
コツとしては、冷たい水だけで飲むのではなく、途中でぬる目のお湯やお茶を挟んだり、体を保温してください
体が冷えるのを防げるので、寒気は少し楽になります
また、飲んでいるときに、歩いたり、家事を挟んだりして、体を動かすようにすると、便が出やすくなります
クリニックや病院によっては、前処置室で飲むこともあります
だいたい7〜8回以上の排便があり、便が透明になればOKです
問診票と検査同意書に記入します
お尻に穴の空いた検査用のズボンに履き替えます
着ていく服は、ワンピースや丈の長い服より、上下に分かれている服の方が便利です
それでは、検査室に行きましょう
②検査室での様子
内視鏡の太さは、だいたい12mm程度です
太く感じるかもしれませんが、便の方が太いので、お尻は通ります
ただ、通常は、口から肛門に向かって便が流れるのに対して、内視鏡は逆行していくので、初めは気持ち悪いです
でも、徐々に肛門の違和感は慣れてきます
検査台で横になり、鎮静剤(眠くなる注射)をします
通常は、腸の動きを抑える薬も、一緒に投与します
鎮静剤は、病院によって異なりますが、ミダゾラム、サイレースと呼ばれる薬が代表的です
「麻酔」というより「睡眠薬」を注射するイメージです
ただし、普段から飲酒量の多い人、睡眠薬を長期で内服している人は効きにくいかもしれません
体を左下にして、肛門から内視鏡を挿入します
大腸内視鏡で見れるのは、肛門から盲腸、または小腸(回腸)の入り口までです
まず、盲腸まで内視鏡を挿入し、そこから、肛門に向けて帰ってきながら、大腸を観察していきます
皆さんが、痛くないか心配しているところは、S状結腸を越えるところです
S状結腸は弯曲しているので、挿入が難しく、お腹を突き上げる感じがすることもあります
特に、婦人科の手術をしたことのある人は、「癒着(ゆちゃく)」と言って、通常は腹壁にくっつていないS状結腸が、歪んでくっついていることがあるので、挿入が難しく、痛みを感じることがあります
ウトウトしている間に検査が終わることが多いですが、もし、痛みが出てきたら、グッと力まずに、リラックスして力を抜いてください
観察中に小さなポリープがあれば、切除してくれる病院も多いです
検査後は、着替えを済ませて、休憩をして帰宅します
食事は、基本的には腹部の張りが治れば、通常の食事で大丈夫です
組織検査やポリープを取った場合は、病院の説明に準じてください
内視鏡検査は、イメージがつきにくい、または「しんどい」感じがするので、採血やCTに比べて、敷居の高い検査だと思います
でも、早期に病気を見つけることで、早く治療に移り、進行を抑えることができます
内視鏡検査を受けたことがない40歳以上の方は、一度受けてみることをお勧めします
この記事が、皆さんの参考になれば嬉しいです