胃カメラを受けるときの準備
こんにちは、内視鏡技師エンドーです
今日は、胃カメラを受けるときの注意点について
胃カメラとは、咽頭(喉元)、食道、胃、十二指腸の入口を内視鏡で観察したり、組織をとって病理診断を行う検査をいいます
初めて胃カメラを受けられる方、
「胃カメラを受けたいけど、怖い」
内視鏡に配属になった看護スタッフのみなさん、
「最近、内視鏡に配属されたけど、まだ、知らないことも多い」
と思っていませんか?
内視鏡技師が、それらの疑問にお答えします。
胃カメラを受ける際の注意点、「何で問診でこれを聞かれるの?」が、
わかり、胃カメラに対するハードルが下がります
前日からの準備
胃カメラは、その名の通り「胃」を見るので、胃の中を空っぽにしておく必要があります
胃の中にご飯が残っていると、内視鏡で見えません
また、胃の中がいっぱいだと、検査中に嘔吐してしまう恐れがあります
嘔吐物が気管に入り、肺炎を引き起こす恐れもあります
基本的には前日の21:00までには夕食を終わらせて、以降は食事は取らないでください
朝食を食べてしまった時は、日にちの変更が必要な場合が多いです
乳製品は、胃の粘膜を覆ってしまうので、取らないほうが無難です
コーヒーに入れるミルクも乳製品ですので、要注意!!!
検査当日、水分はとっていただいて大丈夫ですが、水かお茶にしてください
コーヒーはブラックでも飲まないでください
胃で出血している時の血液の色を「コーヒー残渣様」と、私たちが表現するくらい、胃内の血液は酸化されて茶色くなります
コーヒーが胃内にあると 出血かコーヒーかの鑑別が難しくなります
当日、問診に答えて頂きます
当日、検査室の受付を済ませていただくと、問診票が渡されます
細かな内容は、施設によって異なりますが、必ず聞かれることは、同じです
①昨日の21:00以降(もしくは夕食以降)食事はとっていませんか?
これは、先程の「前日からの準備」の内容です
②車、バイクで病院に来ていませんか?
病院によっては鎮静剤を使用します
鎮静剤は、「覚めている」と思っても、覚めていません 笑
「大丈夫、大丈夫」と思っていても、一瞬の判断力は落ちています
普段なら、防げていることも、検査当日は、防げないと思っていてください
検査前の説明で、「車、バイクは運転しないでください」
と説明があれば、検査当日は、公共機関でお越しください
もし、運転が必要であれば、鎮静剤なしで検査をしていただくか、
鎮静剤を使用して、車を一日置いて、取りに来ていただく
または、ご家族に取りに来てもらう
当院では、そのどれかを選択していただいています
③心臓の病気、緑内障、前立腺肥大、腸閉塞の既往はありませんか?
もしくは治療中ですか?
内視鏡では、消化管の動きを止める薬を使用します
安価で、効果が高い薬を使用したいのですが、
上記の病気がある方には使用できません
症状が、悪化してしまう恐れがあります
違う薬を使用しますが、消化管の動きを止める作用は短時間になります
④血液がサラサラになる薬は内服していませんか?
最後に内服したのは、いつですか?
これは、抗凝固剤、抗血栓剤のことを指します
コレステロールの薬とは異なります
この薬を飲み始める前に、医師から「出血が止まりにくくなるから、
手術、抜歯の時は言ってください」と説明を受けていると思います
この薬を2剤以上飲んでいるときは、組織検査ができないので、
何日から薬を止めてくださいと医師から指示が出ます
問診の時は、いつまで内服しているかの確認が必要になります
薬を止める指示がないときは、内服してください
止めることで、病気の悪化を招く恐れがありますし
薬によって止める日にちが違うので、自己判断せず、指示通りに内服してください
検査を受けるときは、必ず、「お薬手帳」をお持ちください
看護師、または薬剤師が確認します
他に、血糖降下剤、降圧剤(血圧を下げる薬)内服の確認があります
それらの内服は検査をする病院に必ず確認してください
血糖降下剤は、内服すると、食事を抜くので低血糖になる恐れがありますし、
降圧剤は、内服しないと検査中にビックリするくらい血圧が上がることもあります
まとめ
安全に内視鏡を受けていただくために、検査前の説明内容の意味(根拠)を知っていただくことが大切です
胃カメラは、ハードルの高い検査ですが、鼻から入れる経鼻内視鏡もありますし、最近は口から入れる経口内視鏡でも、鎮静剤を使うことが多いです
昔に比べると、かなり楽に受けていただけるようになっていますよ
40歳すぎたら、ぜひ、一度受診してください!!