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2021年夏の世界大会で使用されそうな端末ダービー。

皆様ご存知の通り『PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE』(PMJL)のSeason1のPhase1が無事に終了し、日本代表としてREJECTが世界大会=『PUBG MOBILE WORLD INVITATIONAL』(PMWI)に出場することが確定しています。おそらくオンライン開催となってしまうかとは思いますが、毎度恒例となっております使用端末の予想をやっていきたい。

オンライン開催だと直近では『Redbull M.E.O』がそうであったように“端末指定なし(タブレット端末は除く)”である可能性が非常に高くなってしまう為、ぶっちゃけこのnote書く意味ある??? と早速本質を否定されかねない状況ではありますがそれはそれとして。

日本大会であるPMJLはGalaxy Note20 Ultra 5Gが使用端末として大抜擢されていました。PMJL運営公式から『Note20 Ultra 5Gである』という発表があった直前にGalaxy Unpacked(SAMSUNGの発表イベント)ではGalaxy S21シリーズが発表されていたので「タイミング悪っ。在庫処分かな?」というのが正直な感想でした。

多くの方々はわざわざ夜遅くまで起きてSAMSUNGの発表会をオンタイムでなんて見ていないでしょうからXMOMENTの発表会の中での『Note20 Ultra 5Gである』という発表を受けて「できればゲーミングスマホがよかったなぁ。期待外れだなぁ」(実際タイムライン上では「残念」という意見を見かけました。どの立場で物を言っているんだ? とちょっとだけピキッとなりましたが大人なので耐えました)とだけ思ったかもしれません。まあ、公式大会に採用されているんだから『PUBG MOBILE』運営サイドの方もいち早くGalaxy Note20 Ultra 5Gにゲーム側を最適化(※詳しくは後述)させろや、と思うんですけど、その辺に大会運営サイドとゲーム運営サイドでのすれ違いを感じなくもない……。

PMJLの開幕戦が2月13日で、S21シリーズの日本国内での発売日が4月22日(docomo版)と時期的にもしょうがなかった側面は大きいので、Phase2またはSeason2からはS21シリーズになるのかなぁ、と思っています。Note21シリーズは世界的な半導体不足のために開発されないらしいので(2021年5月現在の情報)。

と、ここまでが『JAPAN LEAGUE』のお話。

2021年7月9日以前に書かれていた内容です。

このnoteは5月ぐらいに一度書いて、あまりにも公式からの情報がない(世界大会の日程も7月中というふんわりとした話しか出ていなかった頃から書いていた)ので一旦寝かせてあったものなので……。で、7月9日に公式のツイッターの方からこのようなツイートがありました。

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ここでようやく『7月22日から25日にEAST大会とWEST大会の2つに分けて全32チームが戦うよ!』というのが発表されたわけです。日本代表であるREJECTはEASTにて戦うことと相成りました。

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それはそれとして、かつての世界大会では公式で「この端末を使います!」と大々的に発表することはなかった(噂では使用端末を配布された選手たちにも外部へ情報提供しないよう釘を刺されていたらしい)んですよ。だからこそこの『公式大会使用端末予想』シリーズが成り立っていたんですよね。実際に大会が始まってから配信を一時停止して、司会者の持っている端末を見て、「これはNEX3!」って盛り上がっていたわけです。


ですが!

今回は!

前もって発表がありました!

まじか……。

ネタ潰し!!!!!!!!!!!!!!!!


えー。

気を取り直して。まずは、このnoteらしいアプローチとして世界の各リーグでの2021年上半期の『PUBG MOBILE』の公式大会での使用端末がどのメーカーの製品だったのかをまとめていきます。各チームの戦術だとか盤面コントロールだとかそういう『PUBG MOBILE』における勝ち方のコツとかクセみたいなものは他の詳しいニキがまとめてくれると思います。noteじゃなくて動画かもしれないけど。「このシーンのこのムーブがすごい!」みたいなのは動画の方がわかりやすい気はします。

発表のあった端末についてはその次に解説していくので気になりすぎて夜も眠れない人は目次からそちらに飛んでください。noteの後半は高砂氏が“最適化”についてわかりやすくまとめてくれています。「ワイのハイスペ端末がなんでいきなり動かなくなるん!?」と思う人はそちらを黙読しましょう。


・各地域での使用端末と各々の“スペック”について。

今『PUBG MOBILE』の夏の世界大会に通ずる地域予選大会(日本ではPMJLがこれに該当しますね)が各地域ごとに実施されており、地球上のどこかで熱戦が繰り広げられていました。この項では諸外国での『PUBG MOBILE』競技シーンに詳しく動物のナマケモノが大好きなsloth氏のご協力のもと、使用されていたかもしれない端末を各メーカーごとに紹介していきます。

PMJLは各チームの各選手へとGalaxy Note20 Ultra 5Gが配布されており、端末の不具合や外部ツールがインストールされていないかどうかの確認のために定期的に回収されていたようです。が、他の地域が同じような開催状況であったかどうかは不明であります(なので、かもしれないという曖昧な記述をしています)。PMJLのように各チームの全員に指定端末が渡ったのか、あるいは、大会配信でスポンサー側が売り込みたい端末を宣伝しているだけなのか。過去に世界大会でマウンテンデューがスポンサーに就いたことはありましたが、参加選手全員にマウンテンデューが配られたわけではないですしね。


◉SAMSUNG

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Galaxy S21 5GPUBG Mobile Pro League Season 3 2021:Indonesiaにて使用されていたようです。PMJLで使用されているNote20 Ultra 5GはSnapdragon 865+なのですがS21は現状最新端末で、日本で販売されているモデルはSnapdragon 888です。何度かnoteで触れているんですがGalaxy=SAMSUNGが日本で端末を販売するときのブランド名なので完全にイコールではあるんですけど、中身のSoCが国によって違います。インドネシアで販売されているモデルはどちらなのか調べたかったんですが記載が見当たらないので断念。チャットで聞こうとしたけどさすがにインドネシア語は読めなかったですわ。

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ところでインドネシアにはS21にPhantom Pinkがある! いいなァ! なんで日本にはピンクないんだよ! もしかしてOlympic Games Editionがあるから!?

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左からS21 Ultra / S21+ / S21の三兄弟。やっぱりピンクが欲しかったな。と、比較用のクレジットカードっぽいもの。

SoCに関しては過去のnoteで解説していたような気がしたんだけどなんかこういうのがあるよ〜って書いていただけだったわ。……簡単に例えるとSnapdragon 865+搭載のNote20 Ultra 5Gがプレステ4だとすればSnapdragon 888搭載のS21はプレステ5ぐらいでしょうか。どちらも高性能なことには変わりなく、888のほうがより処理速度が速くてよりぬるぬる快適に動く、ぐらいに捉えておくのがベターだと思います。

すでに「Snapdragon 898という次のSoCがGalaxy S22に搭載されるのでは?」と噂されていますが、どうせ出るのは来年の話ですしたぶんPMJL Season2には間に合わないでしょう。

◉Xiaomi

Redmi Note 10シリーズPUBG Mobile Pro League Season 3 2021:Thailand/MYSG/Vietnam……とどのつまり、インドネシア以外のSEA地域で使用されていたかもしれない端末。EMEACIS FinalsにもXiaomiがスポンサーとしてついており、多くの地域でXiaomiが『PUBG MOBILE』の競技シーンを支えてくれていることがわかります。

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Redmi Note 10 Proは日本でも販売されています。お手頃価格の多機能スマホといった雰囲気。Xiaomiは空気清浄機やスマート体組成計、ハンディクリーナーといった家電も日本に送り込んでいて、デザインがシンプルでかっこいいので気になる方は見てください

◉OPPO

PUBG Mobile Pro League - Season1 2021: South Asia Championship にてF19 Proが使用されました。F19 Proは2021年3月17日に発売されたミドルレンジ端末であり、MediatekのHelio P95を搭載しています。性能でいうと(日本の最新のミドルレンジ端末によく搭載されている)Snapdragon 765Gより高性能でハイエンド端末に搭載されるSnapdragon 888と比べるとちょっと物足りないぐらい。

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OPPOのスマートフォンは和平精英のプロリーグでも使用端末として採用されており、REJECTも参戦した『PEACEKEEPER ELITE CHAMPIONSHIP』でも使用されていました。


・今回使用される端末について。

2021年7月14日、公式ツイッターから発表がありました。

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最初の発表では右下にOnePlusのロゴがあるぐらいでしたけど、このツイートでは堂々と“OnePlus 9 Pro”の姿を写していますね。6.7インチ/Snapdragon 888 5Gのハイエンド端末です。2021年3月30日発売。eXpansysで109,868円(2021年7月21日現在)という金額で販売されています。画面サイズはiPhone 12 Pro Maxぐらい。

スウェーデンの有名カメラブランド“HASSELBLAD”と共同開発したカメラが特徴です。日本でもSHARPとLeicaがコラボした“LEITZ PHONE 1”が発売になったように、ここ数年のスマホ業界はとにかくカメラにこだわっています。というか、もうカメラぐらいしか進化させるべきところがないのかもしれません。それか冷却機構を組み込んでゲーミングさせるか。

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日本では未発売の端末になります。もちろん技適なんて通っていないので購入の際は自己責任で。「OnePlusって何? どこの国の会社?」と思っている方も多いかとは思うのでそちらの解説をしておきます。

OnePlusは中国広東省の深圳に本社を置くOPPO傘下のスマートフォンメーカーです。深圳は日本で例えるなら一昔前の秋葉原のような、電機系の会社やスマホを売っている店の多い街。自分は4年前に行ったことがありますが、ひと区画ごとに貢茶があったり有名ジブリ映画のワンシーンを無断で使用した飲食店があったり日本円換算で10円ぐらいで肉まんが食べられたりと面白かったので情勢が落ち着いたらまた訪れたい街の一つです。

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『Never Settle』(=決して落ち着くな)を合言葉にOnePlusは2013年、産声を上げました。立ち上げ当初は“招待制”というシステムを導入しており、招待状を入手した人しか手に入れられないスマホで、これがOPPOのスマホとの差異を生み出していました。現在は招待制はなくなっており、OPPOの傘下でありながらOPPOとは違う、OnePlusとしてのオリジナリティあふれる端末をこの世に送り続けています。特にNorth Americaで人気が高いブランドです。

OPPOの日本法人が『オウガ・ジャパン』に社名変更したとき「OnePlusが日本に参入する布石なのではないか!?」とざわつきましたが今のところ続報がありません。顕微鏡カメラを売り文句にしているFind X3 Proの売れ行き次第なのかなァ。

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“90fps”が『PUBG MOBILE』に実装されたとき、テスト端末として選ばれたのがOnePlus 8だったように、世界的にはSAMSUNGと同じぐらい『PUBG MOBILE』に貢献している会社と言えるでしょう。そういえばvivoちゃんどうしたんだろう。


・最新の端末だからスペックは足りているのにゲームがカクつくという話 (最適化について学ぼう!)

出たばかりの携帯電話を使って「最新だからスペックも足りている!」のに「ゲームがカクカクします」というお問い合わせをたまに受けます。今だったらSnapdragon 888にRAM 12GBみたいな端末のことです。

CPU+チップセット=SoCが最新なのになぜでしょう。これにはアプリの最適化という開発者側のプロセスが非常に強く関係してきます。結論から先に書きますと、新端末の発売直後は明らかに1世代前のハイエンドを買ったほうが、ゲーム上の体験は数レベル上です。

広義のコンピュータの演算装置(CPUやGPU, SoCなど)は、計算の際に様々な最適化処理を行っています。人間の実生活で使うような感じで簡単に言えば、買いたい商品が 9800円*2品 だったら、8*2をして 9*2 に1繰り上げて、とやるよりも 20000円-400円 したほうがわかりやすくて速いよね、という変換のロジックです。このような計算をもっと高度に、誤差なく適正に行い、計算の先読みなどを含む予測演算などを行うのが、演算装置の役割です。このような基本的な最適化処理は演算装置側で面倒を見てくれますが、より高速に処理するためにはそもそもの演算量を減らす最適化処理をアプリ側で行わねばならず、ここは開発者の苦心する部分でもあります。

現状のSnapdragon 888で〝ラグい〟とか〝固まった〟とかが起こる(Snapdragon 865では起こらないような)のは、こういった計算が最適化されておらずに量が増え、処理が詰まってしまったときに起こりうるものです。車が地面に刺さってたりするのは優先度の低いモブの演算処理を省いたりしていることが原因のひとつですが、基本的な動作で処理が詰まるのはもちろん解消しなければならず、これが最適化のプロセスと呼ばれるわけです。

コンシューマやPCのゲームに比べてスマホゲームでこういったことが起こりやすいのは、(世界的に見て)世に出回るスマートフォンが多すぎるからです。同じSnapdragon 888搭載機種でも1機種1機種中身がちょっとずつ異なり、放熱設計なども異なるわけですから、それらの機種に合わせて快適に動作するようそれぞれに最適化をしていかなければならないのですが、なにせ数が多すぎるのでまずは代表的な機種からとなり、各国ローカルのキャリアモデルなどよりはグローバルモデルが優先されるという状況にあります。Galaxy Note20 UltraのグローバルモデルではPUBGmの90Hz設定ができるのに、国内docomo/auのGalaxy Note20 Ultraではできない、というのはそういう事情です。

各国のキャリアやメーカーの現地法人なども、そういった開発のために貸出検証機などを用意して支援の体制を整えてはいますが、そのキャリアと同じ国内で開発されているわけではないグローバルなゲームなどでは、そういった支援が受けられないわけですから、対応が後回しになっていくわけです。逆に、iPhoneのように世界で同じものがリリースされている状況にあれば、対応は容易ということになります。

高いお金を出して最新のスマートフォンを買ったのに!という気持ちは分からなくはないのですが、最新であるということそのものにもリスクがあるということを覚えておいていただければ、この文章を読んでいただいた甲斐があるというものです。

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