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第三回アキノテンノウショウ(偽)

カクヨム競馬場、天候は晴れ。
馬場状態は芝ダートともに良の発表となっております。

本日のメインレースは第三回〝アキノテンノウショウ(偽)〟3歳上オープンの別定戦、今回は2000から14000文字で争われます。

テーマは『旅へ出よう。ブエナビスタを見に行こう』

カクヨムに掲載している作品(※原則)の番外編(スピンオフ、本編のifもしくは続編)で

「かわいいうちの子(※一次創作のオリジナルキャラクター)たちを見てくれ!」

を満遍なくアピールした作品を規定の文字数(カクヨムのカウント準拠で2000から14000文字)以内で書き上げて出走登録(※こちらの自主企画に参加させること)してください。

今回は『ブエナビスタ(=絶景)』ですので、自作品のキャラクターたちが旅に出て、絶景スポットを見て感動し、満喫して〝無事に〟帰還するまでの短編としてください。

風光明媚。
花鳥風月。

そうだ、旅へ出よう。

ってなわけで、第三回アキノテンノウショウ(偽)の感想文を始めたいと思います。

ブエナビスタは第142回の天皇賞・秋の勝ち馬です。クラシック戦線では桜花賞、オークスの二冠(秋華賞は降着)。翌年のドバイシーマクラシックを2着し、帰国後ヴィクトリアマイルを勝ち、宝塚記念は2着。からの天皇賞・秋1着。ダビスタかな……。その翌年にジャパンカップを制しています。ダビスタかもしれない(実在のおうまさんです)。父は日本総大将スペシャルウィーク、母は阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュベナイルフィリーズ)を勝っているビワハイジ。

企画のURLはこちらです。

今回のレギュレーションは以下の通りとなっていました。


・関連する作品のURLを必ず紹介文に入れてください(複数作品の場合は特にイチオシのものを載せてください)。長編の場合はなるべく作者のお気に入りポイントや短編に登場するキャラクターが活躍する章を明記してください。完結済、連載中問いません。

・関連作品と同一世界観である必要はございません。異世界ファンタジーの学園パロディや現代日本設定でも構いませんが、同一人物であることがわかるように特徴を書き込んでください。

・二頭出し(※同じ作者から二作品を出走登録すること)はおやめください。

・この企画の為に書き下ろされた新作のみを受け付けます。目的地は自由に設定していただいて構いません。実在の土地でも、架空の土地でもオーケーです。

・公開日が2月8日以前の作品は「出走条件を無視している」として競走除外(=主催権限で削除)いたします。ご了承ください。

・フルゲートの18作品が集まった段階で早期締切の可能性があります。ご投票はおはやめに。

・レギュレーション厳守です。企画に追加されてから24時間以内に紹介文へ関連作品が記入されていなかった場合も競走除外させていただきます。ご了承ください。

・期限内に完結済にしてください。よろしくお願いします。

・出走登録した段階で読み始めます。再度のお願いになりますが関連作品は明記してください。

・秋乃晃が作品フォローした段階で受付完了といたします。くれぐれも非公開になさらないよう、ご協力お願いします。

今回は目的地を明記するルールとなっていました。
レギュレーションにある『実在の土地』と『架空の土地』に関する注意事項は以下の通り。

『実在の土地』
令和の世のこの世界のどこかに一次創作キャラが訪問するパターン。
→観光地でも、作者自身の思い出の地でも可。心霊スポットに向かわせて肝試し、みたいなシチュエーションもありですね。ただし、風評被害につながるようなものは好ましくないです。良識の範囲内でお願いします。

『架空の土地』
その作品の世界の中にある絶景スポットへ向かうパターン。
→情景描写を楽しみにしています。

作者自身の別作品の世界を旅するパターン。
→世界と世界、あるいは時空をも超越することになりますが、移動手段はお任せします。夢オチでもかまいません。

『実在の土地』『架空の土地』共通して、現代である必要はございません。
過去にタイムスリップしてもいいですし、未来の世界に探検でもいいと思います。
おやつは300円までとさせていただきます。

主催作品も合わせまして10作品が集まりました。
みなさま、ご参加ありがとうございます!

10作品の目的地の内訳は、『実在の土地』2ヶ所『架空の土地』8ヶ所となりましたね。
この目的地にも触れつつ、関連作品を含めた参加作品の感想を出馬表風画像の内枠から順番に発表していきます。



1枠1番ゆめゆめうつつと思わない

『しろた一本書き勝負』(通称しろわん)の主催であり秋乃晃の高校時代からのリアル友人であるしろたさんが自分の自主企画に一番槍として参加してくれた件。本当にありがとうございます。この部分は私信も含むのですが、高校時代からしろたさんの書かれる作品が好きなので、最近はしろわんだったり、カクヨムだけでなくノベルアッププラスでも作品を載せるようになってくれてとても嬉しいです。しろたさんのペースでいいので、これからも続けていってくれたらと思っています。だって好きだから……。
今回の『ゆめゆめうつつと思わない』では、しろたさんの異世界ファンタジーな学園モノである『マヂア=マジーク・モンド=モーンド』のウィッシンブル魔法学園に、改造人間の千手様が迷い込んでしまったという話。千手様に関しては『しろわん別倉庫』の第15回作品を参照です。血なまぐさい戦いの世界から、夢と希望に満ちあふれた魔法の世界への転移。異形の千手様を見て硬直したり、ちょっとズレたところで恐怖を感じたりしているマイペースなシャルルが可愛い。そのマイペースに巻き込まれている千手様もなんだかかわいらしく見えてくる。話は聞いてあげてくれあっ吐いた。カルロもマイペースボーイで可愛い。千手様のいる世界は、いつか戦いのない平和な世界になるんでしょうか。でも戦いがなくなってしまったら、きっと千手様の存在意義もなくなってしまうんだろうな……。


2枠2番謡いて君の幸なれば

異世界ファンタジーからホラーまで、実体験ベースの「そんなことあるんだ……」な恋愛モノもよりどりみどりのこむらさきさんからは生贄にされてしまった不遇乙女の異類婚姻譚『廻れば棄児も神なれど』に登場するアオサギの妖怪、逢火さんと見習いの巫女さんの短編。逢火さんについては『夜離れ』のほうも読んでいただくとより理解が深まるのでこちらも紹介しておきましょう。
純粋に「歌が! 下手!」なのか、逢火さんの一族?(鳥系統の妖怪?)的には上手く聞こえているのか、どちらが正しいのか微妙なラインで落ち着くのがいいですね。正解はひとつではなく、個人の主観によって変わるものなので……(でもタキちゃんも夜刀さんも下手っていうニュアンスの反応をしているし下手のほうが正解なのかもしれない)。
最後に出てくる海の妖怪ってもしかして……? とこの見習い巫女さんのストーリーの続きがあるような匂わせがあるのもいいですね。関連作品を、読んでくれよな!


3枠3番レイデオロ市場にて

ここではない国の、どこかにあった組織の、いつかの終わり『patriot』の本編終了後の『俺』くんとマダラの暮らしぶりが関連作品の『patriotism』で描かれて、各種関連作品(バッドエンドifの『水晶の目』を含めて)自分としては『俺』くんには身近な場所で人が死なないような穏やかな余生を送ってほしいなーと切に願っているのですが、今回はマダラがレオパードゲッコーを飼う話。マダラといえばワニの兄貴がいるのです(※『scute』兄弟杯オータムハンデキャップの作品)が、今度は飼う話です。しかし名前。名前それでいいのか。マダラの中ではどういう処理になっているんだろう。そこまで深く考えていないのか……?
関連作品の『patriot』は一話が短くてテンポもよいので、そちらを読んでからこちらを読んだほうがいいかもしれない。そちらを読んでからもう一度こちらを読むと「よかったねぇ……」の気持ちが増すと思います。保護者目線で読んでいる。レオパードゲッコーってどんな子なんだろ、って調べたらヒョウモントカゲモドキと出てきました。爬虫類の目、くりっとしていて可愛いですよね。


4枠4番東尋坊兄弟ドライブ

兄弟BLないしブロマンスを得意とする惣山沙樹さんのBLサスペンス死体埋め長編『血の鏡』の異母兄弟、兄の坂口伊織と弟の福原瞬が投身自殺といえばでおなじみ(?)の断崖絶壁・東尋坊デートをする短編。この二人の兄弟に関しましては自主企画『兄弟杯オータムハンデキャップ』の『兄の発熱』では兄が熱発して弟が看病するシチュエーションが展開されていました。ふたりきりになれる鉄板シチュエーションですが鉄板は鉄板としておいしいので好きです。そのときの感想文には『どうしても兄が悪いやつに見えてしまって、』と書いていますが、今回の東尋坊ドライブでは兄がちょっと情けないところというか、かわいらしい一面があってよかったです。
『血の鏡』はアルファポリス版にせよカクヨム版にせよ、すがすがしいエンディングとはいかず、読後感は重苦しいのですが、自分は途中からカクヨム版は「瞬くん、いけー!」「キル数稼げー!」とエンタテインメントとして読んでいたので、深く考えすぎないほうがいいのかもしれません。フィクションはフィクションとして楽しんでいきましょう。


5枠5番蛍誓、学校に行く

メガネスキーであり、好きなキャラには殺されたいタイプらしい鯛谷木さんが送り出してくれた不思議系お兄さんの蛍誓さんが学校に行く短編。学校に行くのであって、学生として勉学に励むのではないのがミソ。格好だけ真似して中身が伴っていないのが人外ムーブっぽくて高得点です。もはや都市伝説のような、学校の怪談としてその後語り継がれそうなことをやらかしているのも愛らしい。というか常習犯っぽいですね。知らない生徒がいたらバレて大騒ぎになりそう……と考えない辺りも人外っぽくてよき。
悪い人外ではないのでおまじないアイテムを売りさばいてはいるけどちゃんとそのアイテムが機能するような縛りがついているし、魂を奪い取るような残酷おとぎ話にはなっていないのが本当にいいと思っています。本当にふらっときて、暇つぶしとしてやっている感じ。これからも人間の都合に巻き込まれずに、蛍誓さんのやりたいようにやっていってほしい。


6枠6番ニシノドコマデモ

わしのじゃよ。今回は自作品クロスオーバーということで、人気キャラのアンゴルモアことうちのモアちゃんを『ドラゴンのいる異世界を、じいちゃんと』のクライデ大陸にお邪魔させました。非常に腹立たしい話(※個人の見解です)ではありますが、参宮拓三視点にするとびっくりするほど書きやすいので、タクミ視点となっています。出典は『One-Sided Game』からです。ちなみにクライデ大陸はちゃんと地球上にあることにはなっています。別の星ではないんじゃよ。モアちゃんを『ドラゴンのいる異世界を、じいちゃんと』の人気キャラたちと絡ませることができたので個人的には大満足です。ありがとうございました。秋乃晃先生の次回作にご期待ください。西のどこまでも、ふたりで一生一緒にいてくれ。



7枠7番どうせみんな死ぬ。~登紋舞蘭~

大長編異世界ファンタジー『どうせみんな死ぬ。』ことんなしぬさんから3バカトリオが山登りをする短編。んなしぬさんのほうを読んでいないとイマイチわからないと思うので不肖私めが作者ではないのにしゃしゃり出て軽く説明させていただくと、マナ様(アルティメットつよつよ王女さま)とまなちゃ(魔王の娘)とあかりん(召喚された勇者)の三人を軸とした青春ものです。どうしてこの国が成り立ったのかとか、いったい誰がこんなことをとか、陰謀渦巻く世界の不条理に対して、地に足をつけて力強く戦っていきます。現在五章まであります。六章ではなく0章が鋭意制作中とのこと。
今回の短編はハイガルという盲目の留年イケメンの視点。ハイガルは魔族であり、まなちゃのことが好き――好きというか、この辺の詳しいところは五章にて――なので、最後の行動に出るのもわかる。まだ謎を残しているんなしぬワールドの、和気藹々とした平和な日常とちょっとした闇の部分が垣間見える入門編としてぴったりなので、気になったら最初の『どうせみんな死ぬ。』の灰色のを読んでください。


7枠8番サムライハート

治安の悪いパラレル日本を舞台とした世界に1/8サイズなおかつクシナダヒメの姿で顕現した八岐大蛇(※真名は天叢雲剣)こと八一さんが春の北海道・旭川で暴れる短編。知り合いから預かっている小六女児の斬島亜沙ちゃんや女装趣味以外は極めてまとも(らしい)な土御門ナオヤさんとともにまずは腹ごしらえだということで『ベストム』という聞いたことのないスーパーが登場。聞いたことのないスーパーの中の『満旬屋』という定食屋で初めて聞くスタミナかつ丼なるメニューが。とろろと黄身ののったとんかつ丼ということなのですが絶対に美味しい。
治安の悪い日本なので毒を持っている熊が出てきたり、小六女児がショゴスを召喚したり、怪人ヘビーレインがお命頂戴しに来たりする。アクションシーンがかっこいいのでおすすめです。筆開紙閉さんの作品は基本的にアクションシーンが挟まっていてこれがめちゃくちゃかっこいいのが好きです。


8枠9番カステラと温泉の相性はいい

人外キャラクターのイラストがかっこいい! 人間のキャラクターのイラストも上手い!そんなぶいさんが、死別ブロマンス企画の『カステラ』を関連作品において参加してくださいました(if続編らしいので正史ではないのかな……)。こちらの死別ブロマンス企画、自分も参加しているのですが他の参加作品に目を通せていなかったのでこの機会に『カステラ』を読んだのですがめちゃくちゃよかったです。カステラを食べるタイミングで牛乳を用意したくなるぐらいにはよかったです。
人物の関係性はここで語るより『カステラ』を読んでエモーショナルな気持ちに浸ってほしいので割愛します。簡単に触れておくと不慮の事故で幽霊になってしまった鈴原辰一とその友だち――厳密に言うと友だちではなくて。友だちか友だちでないかの判定は『カステラ』を読みましょう――の柳龍一が鈴原のおじいさんの温泉宿に泊まりに行く短編。鈴原のおじいさんが母方っぽいのに鈴原姓なのがなんとなく気になっています。その辺の謎も明かされるといいなの気持ちもあり、鈴原と柳の話、もっと読みたいです! 長編化してほしい! ずっと仲良しでいてくれ! 成仏しないで!


8枠10番月夜に染まる

本業はイラストレーターなもちうささん(カクヨムでは月餅さん)の死別ブロマンス『生のカンバス』には芸術家のツクヨ先生と画商のヒイラギくんが登場しますが、そのヒイラギくんがツクヨ先生に対面したときのエピソードからツクヨ先生に素材を上納するようになるまでのエピソードがめでたく短編になりました。やったぜ。今変換しててツクヨが月夜に変換されそうになって「ワッ」となりました。なるほどね。染まるどころか最終的には染まりきって死んでしまうが。
ペルーナちゃん、かわいいねえ。かわいいのだけど、ヒイラギくんはちっともなびかないというか、人の想いに鈍感というか。きっと好意を寄せてくれているんだろうけれど、ペルーナちゃんルートが絶対に発生しないこの感じがつらい(好き)。きっとペルーナちゃんはこの後トトゥや弟くんとこの村で暮らしていくのだろうけども、ヒイラギくんはいつまで覚えていてくれるんだろうか。できあがった作品を見て、たまにでいいからペルーナちゃんのことを思い出してくれているといいな。


・まとめ


第三回アキテンのテーマは『ブエナビスタ』で、絶景について書いて書いてーって言ったのに感想文でその点にほとんど触れてないやんけ。まあ……そういうこともある……。

みなさん素晴らしい作品をありがとうございました!
心より感謝!

アキテンは天皇賞・秋をもじった自主企画でありまして、第一回と第二回は天皇賞・秋に合わせていたのですが、今年に関しては秋の時期が私事でちょっと忙しくなりそうな気配がするので天皇賞・春に合わせています。そもそもアキテンをやらないという選択肢もあったのですが、やりたかったので開催しました。

第二回から関連作品を明記するようレギュレーションに記載しましたが、自分は自作品のスピンオフを無限にやっていきたいというか、本編も本編でやっていきたいんですけれども、それとはまた別に、他愛もない後日譚をたくさん読みたいし、書きたいので、こういったレギュレーションになっています。
ですが、人によっては『本編は本編でそこまでであって、過去も未来も存在せず、あくまで作品の世界は本編で語られるのみ』みたいな『その世界観はその作品のためにあるので使い回しは考えない』みたいな、そういった方々もツイッターを見た感じいらっしゃるようで、これは自分の考え方とは異なるものであり、面白いなと思っています(誤解を招かぬように注釈を入れておくと、これは否定でもなければ攻撃する意図もありません)。

その作品世界に生きているキャラクターたちはそのキャラクターたちのここまでの生い立ちであったり、また、本編終了後もその世界で生きている、と個人的には解釈していて、作品というのはそのキャラクターの一生の物語のうちの一部分にスポットライトを当てたものとしています。

アキテンを開催するにあたって、特に第二回以降からは「新しい作品との出会い」を意識していました。
新しい世界への扉はどこにあってもいいと思うので、もし気に入った短編があれば、関連作品のほうも読んでいただけたらと思います。

第四回の開催は未定です!
開催したいの気持ちはあります!

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