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ニキたちと待ち侘びるバス

前回の通り、我々はオレゴンの州境の区間を山火事によりギブアップした。

そして素敵な夫婦に出会い、Ashlandにて2ゼロデイを取って今後のハイキングを考え直した。

雨を待ってこのまま北上してオレゴンを歩き直すか、違うセクションを歩くかの2択になり、
我々はせっかくならクレーターレイクは綺麗な時にみたいと思い後者を選択した。

確実に火事がないエリアを見ると南カリフォルニアの砂漠区間だった。このハイキングに至るまでに以前提案された砂漠区間がまた浮上してきたのだ。

「いや、砂漠って..何もないでしょ?」と、
渡米前の私はひと言で却下していたのを思い出した。しかし実際にアメリカに来てハイキングを始めてから日本と全く異なる地形から成る、植生や景色が全て新鮮に感じ、砂漠もありだなぁと思いはじめていた。

大移動とはなるが、メドフォードからLAに飛行機で飛び、LAからバスでトレイルヘッドの街まで行くことが急遽決定し、慌ただしくエアチケットを取り、空港へ急いだ。

私はオレゴン州のAshlandという街に、このゼロデイでしか過ごしていないのだがとても好きな街だ。カリフォルニアとはまた雰囲気が違い、学生も多く、各々のファッションやスタイルがとても自由で個性があって私はとても好きだった。またいつか訪れたい街だ!

残念なことに写真はあまりないのだが、モーテルで街の土産屋で買ったトラウトのワッペンを縫い付けたり、IN-N-OUTでグローブを切ったりした。(どうでもいい〜。)

このグローブは現在も釣りの時に使っている。


メドフォードからLAにまた飛び戻り、翌日のバスの時刻まで久しぶりに空港泊をした。
初めてアメリカに旅行したときもお金がなさすぎて、サンフランシスコで空港泊をしたのだが2人となると安心感が違った。

ベンチの上でしっかり10時間くらい寝た。
起きたら朝になっていて、辺りはツーリストたちがたくさん歩き回ってる時刻だった。

爆睡and快眠


そしてここからさらにバスを乗り継いでいく。
空港からLAの大きなバスターミナルに行くために移動。
バスターミナルに無事につき、あとはGray houndという会社が運営するバスに乗り、南カリフォルニアに移動する。
街からトレイルヘッドへのアクセスがいいポイントをバディが見つけてくれたので、"カバゾン"という街を経由するバスに乗ることにした。普通だったらこんな街は旅行で行くことはないだろう...。

一応Mapを...。右下が観光地のパームスプリングス。

我々は、ここを目指していくのだ。

バスに乗ってUberを捕まえればトレイルヘッドには意外とすぐ行ける!バスターミナルでは、スターバックスや売店があったが普段の1.5倍ほどに値が上がるので、我慢して何も買わずにバスを待った。

バスの発車時刻になれど、バスが来ない。
はいはい、アメリカあるあるね。と30分待つ。
係員に聞くとどうやら遅れてるらしいとの事。
仕方ないとバディと炎天下のバス停所でぼーっと待つ。

1時間経過。

さすがに周りのアメリカ人のバス待ちの乗客もそわそわしていた。

誰もが係員に聞いても「誰も何も分からない。遅れているらしい。」しか言われない。笑
そして南カリフォルニアだからなのか。英語より、みなスパニッシュで話すのだ、私はアミーゴしか聞き取れず、とりあえずアミーゴって言ってるね。としかバディに言えなかった...。

そこから2時間ほど待ったのだが、暑さが以上でさすがに水分を買わないと体調崩すと思い、売店でスムージーを買った、甘すぎて余計に喉が乾いたが周りにいるアミーゴたちが私のスムージーを見て、それいいな的なことを発して買っていたので勝手に仲間意識ができた。
(それでも喉が乾いたので結局スターバックスでどでかいコーヒーも飲んだ。)

スパニッシュはよくわからないが、時々聞き取れる単語もあり、どうやらパームスプリングに帰りたい人、メキシコに帰りたい人たちが同じバスを待ち、みんながどうなるんだと不安を抱いていた。

あまりにも待ち時間が長いので私とバディは勝手に一緒のバスを待っている彼らに親近感が湧き、あだ名をつけ始めた。

写真の男性はパームスプリングスに行くらしいお兄さんだったので、"パムニキ"と名付けた。

パムニキも私を見てスムージー買ってた。

12時出発のバスだったがさすがに夕方には来るだろうと思っていたが、来ないのがユナイテッドステイツ。

夕方になり、まだバスを待っているとひとりのメキシコ人の男性と目が遭ったので、
「バス来ないねぇ。」と話しかけた。
彼は39時間のフライトを経てへろへろだから早くメキシコに帰りたいと嘆いていた。
そこからどこに何しに行ったのかなどお互いの話をして少し仲良くなった。

彼はメキシコに帰る為、終点に家族に迎えに来てもらうのだが、携帯のバッテリーがなく家族に連絡ができなくて困っていたので、バディがモバイルバッテリーを貸してあげていた。
満タンまでチャージしていいよと言ったら、
ものすごく感謝していた。

彼は恩を返そうと思ったのか、「俺が今から係員にバスの状況聞いてくるから、Youたちはここに居な。」と荷物を置いて係員のところへ行った。
赤いTシャツを着たあのアニキかっこいいな。と2人でなり、2人の間で彼のことを"赤服ニキ"と呼ぶことにした。

赤服ニキによると、
「あと30分くらいでバスが来るらしい、今回は本当みたいだ。」
との情報が入ったので我々も準備をしながら待った。本当にバスは30分後くらいに来た。12時出発予定のバスが来たのは夜8時。

シンプルに何があったか知りたかったが、
運転手がいかつすぎて怖くて誰も聞いてなかった。

赤いTシャツの赤服ニキ

みんなやっとバスが来たのでワタワタと荷物を預けて乗り始めた。本当は赤服ニキに、ちゃんとさよならをしたかったのだけど、ニキも家族に連絡をしていて忙しそうだったのであっけなくお別れしたのだ。これが旅ってやつだ。

バスに乗ってからはスムーズで、トレイルヘッド近くの街に降りた。
8時間も屋外で待機してたので、お腹が空いていて仕方なかったのでその辺のお店でハンバーガーを食べた。お店でUberを手配しトレイルヘッドに向かう。この時点で夜の22時過ぎ。疲労困憊だった。

Uberの運転手にバディが、

「PCTをハイキングしていて、ホワイトウォーターというトレイルヘッドに行きたいのだが...。」

伝わるとはあまり期待していなかった。
我々は、分かりにくい場所なので、マップと現在地を照らし合わせながら説明しないと思っていた。まさかの運転手からは、Okay!だけの返事だった。

話すと今年はたくさんのPCTハイカーをトレイルヘッドに送ったのでトレイルヘッドはどこか分かっていたらしい。マップと現在地を見ながら道を説明するのは意外と手間なので有り難い...。

おかげさまでトレイルヘッドに到着できた。
時刻は、夜の23時...とにかく着いて良かった..。

トレイルヘッドに到着!


トレイルヘッドから1時間ほど歩いたところでカウボーイキャップをすることにした。
そうここは砂漠、どこでも平らなのだ、しかし風が吹き抜けるので植物の間でなるべく風を避けた場所で寝ることにした。

この2日でオレゴンから南カリフォルニアまで思い切って大移動した私たちは疲労困憊だったので早々に眠りについた。

そして翌日からは、北カリフォルニアと違って、暑く溶けそうな新しいハイキングがまた始まるのだ。砂漠の暑さを私は知らずに...。


【あと書き】

なかなかコンスタントに更新ができておらず、
もはやこのまま更新せずに終わるのでは。と自分でも思っていましたが、去年のハイキングを思い返すと、楽しかったなー、また行きたいなーと毎度思いました。
そしてそれと同時に、次はひとりでなにかひとつスルーハイクをしてみたい。という気持ちが強くなりました。

色々考えているうちに、わたしはこのハイキングだけの思い出で終わらしてはならぬ!と思い自分のモチベーションを高める為にマイペースすぎますがブログを再開した次第です!

Happy Trails!

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