PCT最終章
ブログを書くのがマイペースすぎていつの間にか2024ハイカーが歩く時期になってました..。
もうわたしがブログで記載している砂漠区間を彼らはスルスルと通り過ぎていると思います。笑
Back to trail
Idyllwildでは3ゼロデイを取って、療養していたが3日で治るわけもないけど、ここで足止めするけにもいかないと思いトレイルに戻る事を2人で決めた。
相変わらず、片足をびっこひいて歩き、痛みが引いてきた!とかまた腫れてきた、とか膝に一喜一憂しながら歩いたのを思い出す。
本当にヒビ割れとかじゃなくて良かった....。
街からトレイルに戻るため、街の中の上り坂を登っていく。わたしはワンチャン、トレイルヘッドまでだれか自ら、「乗っていくか?」と聞いてくれることを、とても期待してた。
一台の車が止まり、トレイルヘッドにいくのか?と聞かれたうえ、この先は農薬?が撒かれてるからこの先の道は閉鎖されてるよ!とその男性が教えてくれた。
私たちは全くその情報を知らず彼に感謝した。
さて、ここからどうしようとトレイルヘッドに向かう途中の道路で2人で立ち止まってFarOutを開いてルート確認をする。
もう一台、車が止まった。
「PCTハイカーか?どこに行きたいんだ?」
と聞かれ、トレイルヘッドに戻りたいけどそこまでの道が閉鎖されてるみたいでどうしようか
悩んでると答えた。
恐らくうまく伝わっておらず、その先のトレイルヘッドの名物カフェ、Paradise cafeに行くか?と聞かれ、一瞬スキップしていいものか...と悩んだが、すぐにYes!と答えていた。
結果的にこのスキップは良かったと思っている。スルーハイキングをしてたのならば、きっともう少しゼロデイをとるか、短い距離でもスキップせず少しずつ歩いていたと思うが、今回わたしは、1ヶ月という時間に縛られてるなかでも、ハイキングを楽しみたいと思っていた。
だから、彼の恩恵を有り難く受けて車に乗った。
彼は、自身でPCTのマップを作りたいそうでバディと色々話していた。Paradise Cafeのトレイルヘッドまで送ってくれた上に、去り際に、「ビールは要るか?」と瓶ビールを2本くれて、Happy trails!といって去っていった粋な男だった...。
私の怪我が完治していなかった為、今日本当にトレイルヘッドに戻れるか2人で心配していたが、彼のおかげでトレイルヘッドに無事に到着できたので本当に感謝した。
これぞトレイルマジックだねとバディとビールで乾杯して、その日はテントで寝た。
翌日はPCTの砂漠セクションの名物カフェ、
Paradise Cafe でモーニングをしてからハイキングを再開した。
バディは2015年以来の来店で、カフェのオーナーさんが過去のレジスターを持ってきて、
彼の名前を見つけて、よくまた来てくれたな!とすごく嬉しそうにしていたのが印象深かった。
ここから久しぶりにハイキング再開。
歩き切れるか不安だったが、もう歩く以外の選択肢がなかったのでとにかく歩いた。
途中から足のことを心配してもどうにもならないと思ったので考えるをやめた。笑
砂漠区間の水問題
ここから本格的に水がなくなってくる区間。
バディからは、「汚い水を飲む覚悟しておいた方がいいかも!」と言われどんなもんなんだろうかと思っていた。
山の中に入り、街からは離れ、どんどん砂漠になっていく。そろそろ水を補給したい為、バディと次の水場をマップでチェック。
水場のコメントには、
"dirty" とか"Bug"などの単語が並べられており、既に嫌な予感しかしなかった。
そしてタンクを発見、ばかでかいタンクでみんなのコメントによると、石を積み上げて登れと書いてあったので石を積んでよじ登った。
タンクの上には小さい穴があり、そこから水を汲んだ様子もあった。
恐る恐るタンクの中を覗き、一瞬わたしはフリーズした。
なんていうか...スライムくらい水は緑で、いろんな種類の虫が浮いていた...。笑
穴の横にはハイカーへの置き手紙があり、
"虫がたくさん浮いてるからゲイターで濾すこと" とのこと。
じゃあもう水いらないです(^_^)
ってくらい汚かった。笑
バディと水場についてのコメントをひとしきり振り返ると、タンクの近くの茂みの中にある蛇口から綺麗な水が出るという有益コメントを発見。
宝探しをさせられているような気持ちになりながら茂みの中を必死に探した。
は、は、発見!!!!
すごい綺麗な水がでました。まじ感謝。
このあとも水場が8-10mile先なんてことが多く水をガブガブ飲めないうえに、暑くてお湯になるのでバテてた記憶あり〼。
物想いにふける砂漠
北カリフォルニアの森とは正反対の砂漠は、
平らあるいはゆるやかな上りが多く、淡々と毎日を歩いていた。
退屈になった時にわたしは、
お笑いコンビの空気階段のラジオを聴いて、
ひとりで笑いながら歩いたり、
お気に入りの音楽を聴いてノリノリで歩いたりした。
そして、ある時は物想いにふけて色々なことを思い出したり、考えたり、自分と向き合う時間のように感じた。
誰も自分のことを知らない大自然の中でぽつんとひとりで歩くと、何故だかいろんな感情が湧き上がってくる。それはポジティブなこともネガティブなことも。
今までの人生で辛かったことを思い出して、急に涙が止まらないこともあったが、歩いていると周りの人への感謝の気持ちがすごく溢れた。
ちょうどハイキングに行くと決めた、数ヶ月前に大好きな祖母の闘病や、自身の体調不良なども重なり、全てのことを一度日本に置いて、大自然の中に逃げ込みたい気持ちもあり、このハイキングは当時のわたしにとってすごく大切な時間だった。
なのでハイキングに行かせてくれた家族、パートナー、支えてくれた友達への感謝への気持ちがとても大きかっだと思う。
こういう自分の感情と向き合えるのが、ロングディスタンスハイキングの本質なのかもしれないと思った。
ゴールまでの三日間
Idylllwildを出発してからは、一度だけ途中の街でゼロデイをとって、あとは黙々と歩いた。
イーグルロックを見た時は想像以上にイーグルで感動した。
そのあと、ハイカーには数人に出会ったが、彼らは、カナダ国境からメキシコ国境に向かって歩いてるハイカーで、この時期に会うということは彼らは爆速で歩いているのだ。
出会ったフランス人は、3ヶ月で歩いてるそうな....。
そして、たまにあるトレイルマジックは本当に嬉しかった。久しぶりのジュースが飲めた。
こんな感じで水が少なくて、暑くて、影がなくて日中は快適に歩けはしなかったが、私たちはハイキングを楽しんでいた。
でも実は、ゴールまであと3日くらいになったタイミングで実は実家の祖母の訃報を聞いた。突然の容態が悪化してしまったのだ。出国するまえに祖母に会いにいって最後に一緒にお出かけができたか良かったけど、帰国してからすぐに会いにいく予定だったのですごく悲しかった。ゴールするまで毎日、泣きながら歩いたこともあったけど、一緒にいたバディや家族がサポートをしてくれたので歩き切れました。
(今は、こうして時間が経って自分の頭の中を整理したので書いています◎当時、心配して連絡くれたお友達もありがとう!)
メキシコ国境に向かっていくにつれて、山から街がずっと見える状態で、あぁもうすぐゴールするんだなって気持ちで歩いてたな!
最後は、途中でリサプライしたショップであったprison mikeというハイカーと我々の3人がメキシコ国境についてゴールした。
笑顔でゴールしたのでご心配なく!
これがずっと写真でみてた、ターミナスかぁー!とエモい気持ちになった。
みんなここからスタートしてるんだなぁ。
ゴールしたあとは陽気なおじさん、"ゴースト"というトレイルエンジェルが毎日ハイカーがいるかチェックしに来てるそうで、「今日は3人だね。モーニングにいくぞ!」と車に乗せてくれた。
サンディエゴに向かいたいので最後は、近くのバス停で下ろしてほしい。と伝えたが、英語が上手く聞き取れず、訳もわからないまま車に揺られてたら、「サンディエゴにもうすぐ着くよ。」とサンディエゴまで連れて行ってくれたゴースト。
PCTは最後までトレイルマジックだった。
改めて、思い返すと1ヶ月のハイキングで色んなことがあったと思う。だけどやっぱり私は、ハイキングに行って良かったと帰国してから今までずっと思っています。
うまく言えないけど、当時自分の心に抱えていた重たいものとか常に時間に追われてた日々のストレスとか。色んなものが一気にどんと来てしまったタイミングでアメリカの大自然に行き、色んな人に優しくしてもらい自分の心がどんどん穏やかになっていくのを実感した1ヶ月でした。
でも逃げ出したいからアメリカに行ったのが全てではなくて、元々は日本にない砂漠のような地形や広大な景色とかやっぱりトレイルカルチャーが見たくていったアメリカは、とても魅力的でした!
そして、今回初めての海外トレイルでゼロから教えてくれて、サポートしてくれたバディに感謝!
このハイキングで思ったのは一度の思い出に終わらせたくないと思い、次は1つのトレイルをひとりでスルーハイクしたいという気持ちが強く湧きました!自立したハイカーになるぞ!
あれだけ砂漠の暑さにやられてバテてたわたしですが、いまはアリゾナトレイルに挑戦したいと思ってます!笑
来年か、再来年か、、
その時はまたくだらないブログが書きます!
読んでくれたみなさん、ありがとうございましたー!
Happy Trails!!
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